表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮想世界は楽しむ所なのじゃ  作者: 灰色野良猫
チュートリアル
50/231

その50 さぁ界攻略に出発

「どうせ彼女じゃないから安心しなよコノルちゃん」 まぁ知らんけど。


 へたり込むコノルを見ながら一虎は適当なフォローを入れるが、ショックで深い溜息を吐くコノルには届かない。


「あー、仮に彼女でも、ほら!目の前に俺がいるじゃん?ハヤテなんか忘れて俺に乗り換えなよ。俺ならコノルちゃんに黒猫ちゃんの2人共大事にするぜ?イエス!」


 親指を自分に向けて堂々と二股宣言でプロポーズしてくる一虎。


「……尻の軽い野郎に興味ありません。女の敵は土に帰ってどうぞ」

「ぬはは。分かったのじゃ。ご飯はまだかぁ〜?」


 コノルは睨み付けながら一虎のアピールを切り捨てる。

 黒猫は相手にすらしていない。コノルの横で座りながら地面を叩いてご飯を強請る。


「……すげーよな。優しさのつもりなのに、2人共返事が冷たさタップリなんだもんな」


 一虎は再び心を抉りに来る2人の容赦のなさに悲壮感を顕にする。


「ぬはは。コノルよ。こやつは何を言ってるのじゃ?」


「猫さんは聞かなくて大丈夫。まぁ彼女じゃないのは信じるとして、そのハヤテさんが呼んだ方はここで合流なんですか?来る気配皆無ですけど」


 コノルは沈んだ気持ちから立ち直ると、黒猫と一緒に立ち上がり、辺りを見回してハヤテの紹介でやってくる女性を探す。


「ああ、その子とは現地集合だって言われたわ。とりま出発するけど転移素材は大丈夫?行きはパーティーリーダーの俺が出すけど帰りはバラバラだぜ?」


「「もちろん……」」


 コノルと黒猫は互いに顔を見合わせて頷き、一虎の方を向く。


「ありません」

「ないのじゃ」


「まぁだよな……」


 声を揃えて胸を張る2人に一虎は頭を掻きながら呆れる。


 転移する際パーティーを組んでれば、最大4人分の転移素材とゴルドを1人分で賄える。だから行きは一虎が受け持つが、帰りは別々の界へと帰る事となる為パーティーを解除する。


 そうなれば帰りは自分達の分を用意しないと行けない。下の界に帰るだけなのでゴルドは掛からない訳だが、問題はどっちに転んでも182界の敵を倒して素材を入手しないといけない。無論2人が持っている訳ない。


 素材は店等を探せば売っていたり、仲間から分けて貰える方法もあるが、最新界の素材だと、市場ではそんなに出回っておらず、譲って貰うには他の人も自分の事で手一杯なので些か難しい。


「コノルちゃん達は151界に戻ってくるなら、【キラーベアの爪】と【ハンターウルフの皮】31個かぁ。俺もそんな余ってる訳じゃねーし雑魚担当メンバーから少し分けて貰うか。ちょっとは余ってるだろうし」


 一虎は素材問題に目処を付けると、早速メニューを開いて仲間にメッセージを飛ばし始める。


「わぁ、ありがとうございます。猫さんもお礼を言って」


「うむ。棚から牡丹餅じゃな」


「至れり尽くせりでしょ?じゃない。お礼を言うの」


「世話になるのじゃ」


「お安い御用さ。んじゃ行くか!」


 そして2人は一虎に連れられ、数ヶ月振りの界ボス討伐へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ