転生、転生、また転生、最後に転生した先は、何もない宇宙だった件
私は転生者だ。
何度も、何度も転生した。
◆◆◆
最初は人だった。
だんだん、人以外のものになった。
時に植物。
時にバクテリア。
氷の彫刻になったこともあった。
3日で溶けてなくなる、この悲しさ。
わかるまい。
◆◆◆
転機は突然来た。
新たに転生した時、大地がなかった。
というか、水も空気も何もない。
「宇宙空間だ!」
◆◆◆
なぜ生きていられるのか?
きっと、宇宙空間でも生きられる身体なのだろう。
◆◆◆
おなかは、すかないのか?
特に食欲は感じない。
◆◆◆
これからどうする?
そう、そこが問題だ。大問題だ。
私は何のために生まれ、何のために死んでいくのか。
この宇宙空間で、漂うだけの存在が、一体何になるのか。
その答えは、もう少し宇宙を漂っていれば、わかるのかもしれない。