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試験投稿

作者: フルース・A・チャール

 エンジンをかける。

 大型のプロペラが周り始める。主翼の翼端が弾いた太陽光が顔に当たって眩しい。

 コックピットに乗り込み、動翼やフラップ、ラジエーターなどの動作部分、計器をチェックする。もう何百回とやってきた行動だが、毎回なぜか新鮮な気持ちになる。

 「全員出るぞ、もたつくんじゃないぞ」

隊長からいつも通りの掛け声がかかる。整備員にタイヤ止めを外してもらい、スロットルレバーを少し押して、滑走路に向けて進む。プロペラによって生み出された風に、生えてきたばかりであろう若草が揺られている。

 隊長機が空に上がっていくのを横目に見る。小さいころに憧れていた飛行機乗りになった今でも、初心というものか、飛行機の離陸や飛行している姿は、とても輝いて目に映る。

 滑走路の端で止まり最終確認を終えると、スロットルレバーを最大まで押し込み加速させる。風防を開けているため、風が顔の表面を撫でてゆく。その感触がとても気持ち良い。

 ふわっとタイヤが地面から離れる。機首が蒼空へ向き、上昇してゆく。

 失速ぎりぎりで機首を水平に戻し、隊長機の方へ機首を向け近づいてゆく。

 風防を閉め、風の感触に名残惜しさを感じる。雲一つない晴天を自分は飛んでいる。この世界の命運をかけて。

 



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