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神に感謝の意を捧げ
眼前に現れたのは豹だった。
ダルタニアン二世は青ざめたが剣を抜き豹と間合をとった。
豹は機を見てダルタニアン二世に襲いかかろうとしている。
唸りながらジリジリと間合を詰めてくる。
豹が飛びかかって来た刹那、ダルタニアン二世は剣を振るい、斬撃、刺突した。
豹は悶え苦しみながら、息絶えた。
呼吸荒いダルタニアン二世の額から汗が滴り落ちる。
薄暗い木々の隙間から小さく光る日に向かってダルタニアン二世は手を合わせ、神に対して感謝の意を捧げた。
しかし、豹に哀れを感じた。
ダルタニアン二世は身に付けた布を取り出し、剣の血を拭い、豹の顔に被せ、森の奥に歩を進めた。




