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番外編 正義のために少年は

 「doom online」。このゲームのβテストに参加したきっかけは小さなものだった。まさかこのゲームに参加したせいで、こんな想いをすることになるなんて。



 デュアス帝国は荒れていた。PKプレイヤーの温床なんていう風に、プレイヤーの間では言われていた。まともなプレイヤーは他の国に行き、PKプレイヤーがこの地にやってくる。デュアス帝国は地獄と化していた。



 俺はこのデュアス帝国の惨状を知って、PKプレイヤーを倒すことにした。俺は人殺しなんて許せない。だからPKプレイヤーを全員倒すと決めた。


 そこで俺は「正義の翼」というギルドを仲間達と立ち上げ、PKギルドに対抗した。俺の他にも似たような考えの人がたくさん集まって、PKKギルドは誕生した。俺は「正義の翼」の副ギルマスをやっている。



  PKギルド「死神の使い」とは何度も戦った。初心者や罪のないプレイヤーをPKプレイヤーから守るために。



「アオ!  PKプレイヤーの呪姫が出たって連絡が入ったぜ」


「すぐ準備をする」


 通称呪姫と言われるプレイヤーは死神の使いに所属するプレイヤーであり、PKプレイヤーである。厄介な呪いスキルを複数所持している上、レベルも高くかなり強いらしい。初心者狩を好んでいるらしく、最近よく出没している。


  PKは全部許せないが、初心者狩は特に卑怯だと思う。参加したばかりの右も左も分からないプレイヤーを殺して楽しむなんて、最低な行為だ。


 仲間から呪姫の情報を受け取った俺は剣を携え、すぐに仲間と街の路地裏に移動する。この始まりの街の路地裏ではPK行為が頻繁に行われている。


 というか始まりの街のどこでもPKが行われている。路地裏が多いというだけだ。


 始まりの街は初心者が多く、初心者キラー達の格好の的だった。デュアス帝国では、初心者達のかなりの数がPKされている。その現状を変えたい。変えるにはPKプレイヤーを倒すしかないんだ。


 俺は固くそう決意して、路地裏へ走る。しかし必死の思いで、路地裏へ辿り着いたものの、もうPKプレイヤーの姿はなかった。というか人の姿はなかった。PKプレイヤーが現れたら普通のプレイヤーは関わろうとせず逃げるからな……。


 くそ、また逃がしたか。


「周囲を探すぞ! まだ呪姫が潜んでいるかもしれないからな」


 俺は自らを鼓舞するように、声をあげる。


「了解!」



 俺達は周囲の捜索を開始する。呪姫を倒さないと、また初心者の被害者が増えそうだ。



 俺達は何人かで集まって、隅々と、路地裏を探索する。PKプレイヤーはかなり手練であり、対人戦に慣れていることが多い。


 ならこっちは大人数で行動しないとな。大人数で一気に叩き尽くす作戦である。


 俺達は何時間も呪姫を捜索したが、結局見つからなかった。路地裏で、何人かのPKプレイヤーを見かけたので、その人達は倒したが、死神の使いの傘下ですらないビギナーズPKプレイヤーだった。


  PKプレイヤーにも種類が存在する。死神の使いのような人を殺す趣味を持った人達、それから金目当ての人達、人を殺す自分かっけーと思っている人達。主にこの3種類に分類されていると言っていい。


 まあ俺はPKプレイヤーはどんな理由があろうと、許せないけどな。それにPKプレイヤーはもちろん大嫌いだが、NPCへの蛮行もあまり好きではない。



 この国では、PKプレイヤーが多いので、そう言った人達に触発されたビギナーズPKプレイヤーが増えている。今日倒したのはビギナーズPKプレイヤー達だ。



「アオさん、やりましたね。今日でPKプレイヤーを5人も倒しましたよ」


 仲間のダイが嬉しそうに言う。が俺は素直に喜べなかった。目的である呪姫も倒せなかったからな。


「倒したが、全員ビギナーズPKプレイヤーだ」


「それでもいいじゃない! 地道な努力がPKプレイヤー撲滅に繋がるのよ」


 俺の隣でヒヨリが、俺の肩をポンポンと叩いて、励ますように言う。彼女は女性では珍しいファイター(武闘家)だ。


「そうだな」


 と俺達がお互いを激励しあっている時だった。お知らせがなった。なんだろうと確認すると、フェリシモ王国でのイベントについてだった。内容を見ると、オークションが開催されるらしい。


 しかもオークションに出品される品々はPKやNPCキルに向いている物ばかり。こんな物を死神の使いの奴らが手に入れたら……。


 くそ、このゲームの運営はPKを煽っているのか。俺は腹の奥が煮えくりかえるような腹立しい気持ちになった。



「ねぇ、アオ。このイベントって……」


「ああ、おそらく奴らを含め、多くのPKプレイヤーが参加するんだろうな」


「どうしますか?」


「俺達も乗り込むぞ。先にこれらのアイテムを手に入れる。PKKに有利なアイテムもあるしな」


 俺はそう固く決意する。



 俺達は進み続けるしかないんだ、このゲームのプレイヤーを救うために……!


番外編は一応終わりです。後は明日か明後日あたりに、登場人物とかスキルの一覧と説明をのっけて、来週の月曜日から第2章を投稿する予定です。いつもブクマや感想、誤字報告、評価等ありがとうございます。第2章も読んで貰えると嬉しいです!

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