第36話 近未来都市での宝探し前夜(上)
近未来都市での宝探し
近未来都市に移動して、宝探しをしよう。たくさん宝物をゲットしたチームにはご褒美もあるよ! 奮って参加してね。
申し込み期間
5月24日〜5月25日
開催期間
5月26日9時00分~5月28日21時00分
結果発表
5月28日21時00分〜5月29日24時00分
概要
1.チームを組んで、エントリーしてください。チームの人数は1人~20人です。原則的には人数が多い方が有利となります。
2.エントリーした人は開催時間になると、自動的に近未来都市のエリアに移動しています。イベント終了まで、元のエリアには戻れません。このイベントエリアは、イベントにエントリーした全てのプレイヤーが集います。
3.近未来都市に隠された宝箱にはゲームに役立つ物、それから近未来ポイントが入っています。入っている近未来ポイントの量は宝箱の色によって異なります。多くの近未来ポイントを獲得したチームには報酬があります。
4.また近未来ポイントは他のチームから奪うことが出来ます。他のチームのメンバーを全員倒すと、倒したチームの持つ近未来ポイントの全てを奪うことが出来ます。
5.複数のチームで1つのチームを全滅させた場合、複数のチームで近未来ポイントを分けることになります。倒した人数が多いチームが、より多くの近未来ポイントを入手出来ます。
6.他のチームのリーダーを倒した場合は、倒したチームリーダーが所属するチームの持つ近未来ポイントの半分を奪うことが出来ます。
7.チームのメンバー全てが倒された場合、そのチームはゲームオーバーとなります。
8.倒されると、装備品以外の全てのアイテムを落としてしまいます。
9.このイベントで死亡しても、ペナルティはありません。イベントが終わるまで、待機エリアで待機して貰います。1度死亡すると、戦闘エリアには復帰出来ません。
内容はこんな感じだった。
これなら参加したいかも。宝探しとか楽しそう。それにこのイベントなら死んでも、デスペナルティがない。つまりドゥームソウルの宝石が壊れることはないってことだ。
報酬も貰えるみたいだし、参加しない理由はないよね。ただ1つ問題があるとすれば人数だ。この手のイベントは人数が多い方が有利だよね。概要にも原則的には人数が多い方が有利、って書いてるし。
せっかく参加するならいい結果を残したい。人数いっぱい集めたいな。私、そんなにいっぱい知り合いいないけど……。
うーん、ルージュちゃんとか茶々さんとかマロンちゃんは誘うとしても4人だよね。上限は20人だし。4vs20じゃ相当不利だ。
そんなことを考えてると、扉がバンと開く音がした。そして扉の向こうから、勢いよくルージュちゃんが出てきた。
「アナちゃん! イベント見た? 参加しよーよ!」
ルージュちゃんはイベントの概要画面を眺めながら、明るい声で、私に言う。
「私も見たよ。一緒に参加しよ!」
是非是非。私も参加したいと思っていたところだよ。
「茶々さんとマロンちゃんも誘お。後はまんぷく食堂で他に参加者募ってみる? 多い方がいいよね。チームの人数は」
まんぷく食堂かあ。リクさん達も参加しそうだよね。イベントとか好きそうだし。組めそうならチームを組むのもいいかもしれない。
「茶々さんとマロンちゃんが帰ってきたら、まんぷく食堂行こっか」
「そうだね。このイベントまでに爆弾完成させなきゃ!」
ルージュちゃんは張り切っていた。頑張って、ルージュちゃん。ルージュちゃんは言いたいことを言い終えたというように、爆弾工房へと戻っていった。
相変わらず爆弾への熱意がすごい。出来栄えが楽しみだ。
申し込みもしないとだね。今日が5月24日だから、今日か明日中に申し込みしないと。申し込みし忘れて、参加出来ないってパターンが1番悲しい。
イベント期間の所をじっと眺める。今回のイベント期間は3日間か。これ3日間サバイバルってことになるのかな。
3日間サバイバルなら、ますます人数多い方が良さそうだよね。少人数だと休息とか取れなそうだし。
そんなことを考えていると、向こうの方から人の気配がした。あ、茶々さんとマロンちゃんが帰ってきたのかな。
そう思ってからしばらくすると、茶々さんとマロンちゃんがリビングに入ってきた。やっぱりこの2人だったか。
「ただいま」
「ただいま戻りました。お知らせ見ましたか?」
「おかえり! お知らせみたよ。イベント、2人も参加するよね? ルージュちゃんと参加しようって話してたの。まんぷく食堂の皆にも声掛けないかって」
「いいですね!」
「私も参加したいわ。面白そうだもの」
ゲーム好きなこの2人も乗り気だ。とりあえず4人は集まったね。後はまんぷく食堂で、他にも人を集められればいいんだけど。リクさん達と組めるかな。
私はルージュちゃんの爆弾工房のドアをノックする。今大丈夫かな?
「ルージュちゃん、2人とも帰ってきたけど、まんぷく食堂いく?」
「いく、ちょっと待って!」
「はーい」
今はキリが悪そうだ。もうちょいしてからの方がいいかな。
「そう言えば、アナさん今日はどうでした? ルージュさんは新しい爆弾の材料手に入ったんてすか?」
「うん、「守護ゴーレムの洞窟」でね。あ、そうだ。悪魔のアラトと出会ってさ、裏クエストのチケット貰って、一緒に裏クエスト行ってきたよ」
私が今日あったことを、そう言えばこんなことあったな、と話すと、2人は驚いた顔をする。
そうなるよね。私も自分で話してて、ボリュームのでかさにびっくりだよ。
「裏クエストなんてあるの?」
マロンちゃんは裏クエストに興味津々といった様子。情報通のマロンちゃんでも知らないってことは、相応レアなクエストなんだよ。
「え? そっちですか? 拙者はあの賞金首プレイヤーと一緒にってのに驚きましたよ」
「私もビックリだよ。裏クエストもアラトが強くて、あっさりクリア出来た」
「アナちゃんの反転のおかげでもあるけどね」
ルージュちゃんの声がすると思ったら、ルージュちゃんが工房から出てきた。
「新しい爆弾は出来たんですか?」
「まだ途中だけど、キリがいいから」
「じゃあ行きましょ。お腹空いたわ」
マロンちゃんを先頭に、店を出る。
私達がいる国、ペガサス王国は夕日が綺麗なことで有名でもある。
今日も例に漏れず、夕日が輝いていた。昨日まで三日連続雨が降っていたので、虹が夕日にかかり、幻想的な風景だった。
そしてまんぷく食堂も、久しぶりの晴れということで、人もいつもより多かった。
「いらっしゃいませ!」
私達はいつものカウンター席に座る。ルージュちゃんが声を掛けようとしていたリクさん達もいた。
ルージュちゃんに声を掛けるか相談しようとしたら、もう掛けていた。さすがルージュちゃん。行動が早いです。
「ねえねえ、リク君。宝探しイベント参加するの? 良かったら一緒にどうかなって」
「おっ! 一緒にやるか? 俺らは今のところ7人集まってて、少ないから人数集めようと思ってたんだよな」
リクさんはにっと笑って言った後、仲間達に「いいよな?」と確認を取る。リクさんの仲間は、この前にあったネクロマンサーのハヤトさん、ドラゴンライダーのシュウヤさん、ビーストのサクヤさんだ。
この4人はいっつも一緒にいるよね。心の中で、もふもふ4人衆と読んでいるのは内緒だ。
そっちが7人なら、私達4人が加われば、それなりの人数になるよね。いいんじゃない?
「そう言えば、他の3人は? 7人って言わなかった?」
ルージュちゃん確かに。ヒナミちゃんとかも参加するのかな?
「ああ。お前らとは話したことなかったっけ。たまにこの店に来てる3人組。俺のギルドのやつらだ。多分仲良くなれると思うぞ」
「ヒナミちゃんは不参加なの?」
私は気になったことを尋ねた。
「私はお店がありますし、戦闘タイプじゃありませんから」
そう言えば、生産職は戦闘しないんだっけ。隣に爆弾と爪を振り回すトレーダーがいるからすっかり忘れていた。
「なら11人で参加ってことでいいのかな?」
ルージュちゃんがこの場をとりまとめる。
「おう! それでいいぞ」
私達は11人で参加することになった。リーダーとか詳しいことは明日の昼にまんぷく食堂に全員集まって話し合いする予定だ。
ブクマや評価、感想、誤字報告等ありがとうございます。近未来都市での宝探しイベント編は、割と長編になりそうです。イベント前夜からイベント後日まで書くので、9話か10話くらいになりそうかな。




