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第28話 VSレヴァナント

 その後もいくつかの部屋を見て回った。いくつかの部屋はベッド等があって、荒廃する前は生活していた形跡があった。神官みたいな人が寝泊まりしていたのかな?


 私達が訪れた全ての部屋に、ゾンビがたくさんいたけど、全部4人で蹴散らした。火と浄化に弱いゾンビは私達に一方的に蹂躙されていた。ゾンビは経験値が多い割に、倒すのが楽だからかなり美味しい。そんなことを繰り返していると、レベルが2上がって、29になった。


 そして私達は1番奥にある豪華な装飾がなされた部屋の前にやってきた。部屋を見尽くして、ここが最後の部屋だ。これまでとは扉の感じが違うので、おそらくボス部屋と思われる。


 私は部屋に入る前に、MPポーション(小)を一気に飲み込んだ。そろそろMPの残量がやばかったからね。うっまずい……。このまずさは未だに慣れない。


 私達は心の準備をすると、ゆっくりとドアを開けて、中に入る……が、魔物はいない? 部屋を見回したが、見た感じ魔物っぽいのはいなかった。


「何もありませんね」


「この部屋で最後なんだよね?」


 とルージュちゃんは確認する。


「この部屋で最後だよ。とりあえず中を調べてみる?」


 私は部屋をキョロキョロと見回しながら話す。調べてみるしかないよね。何かあるかもしれないし。


「何か手がかりを探しましょ」


 マロンちゃんはそういうや否や部屋を物色し始めた。


 手がかりねぇ。何か見つかるといいんだけど。改めて部屋を観察する。


 壁一面には赤い字で、「許さない許さない許さない許さない」と恨み辛みが書き記されていた。怖っ。気味は悪いけど、ちゃんとこの部屋を調査しないとね。



 この部屋は何をする部屋なのかは分からない。部屋にあるのは道具というかガラクタ? 壊れているものがほとんどだ。中には儀式とかで使いそうなものもあった。


 儀式とかで使うものをしまっておく倉庫かなにかなのかな? 神殿とか教会とかそういうのには疎いからよく分からないけど。


「道具になんかあるのかな?」


「ルージュちゃんのそれはあるかも!」


「なら片っ端から道具をいじってみますか?」



 私達は道具を物色しようとなり、私が近くにあった杖のような道具に触れた時だった。杖から禍々しい正気が放たれる。そして……、ゾンビのような見た目の魔物が現れた。


ーーボス魔物「レヴァナント」が現れました。


「許さない許さない許さない許さない……」


 魔物から恨みの積もった声が漏れる。そして目の前の魔物は赤い壁に、「許さない許さない」と手に付いた血で書き始めた。あの赤い壁の文字はこの魔物の仕業か。


 この魔物がボス魔物のレヴァナントかな。鑑定を使ってステータスを確認する。


レヴァナント Lv30

強い復讐心から、この世に蘇った存在。

スキル 腐敗魔法 闇玉 呪い 闇纏


「腐敗魔法と闇玉と呪いと闇纏の4つのスキルを持ってるよ。闇纏は全身に闇を纏うスキルで、このスキル発動中は物理攻撃が効かないみたい」


 鑑定して分かったことを皆に伝える。皆は私の情報を聞くと、それぞれ戦闘姿勢になる。


「【破滅の旋律】」


 私は敵を倒すために、スキルを発動した。私のスキルが命中し、レヴァナントは呪い状態になった。ルージュちゃんは爆弾を投げまくる。ドカンと激しい轟音が響き渡る。


 茶々さんは魔力を込めた刀でレヴァナントに切りかかる。相変わらず華麗な刀さばきだ。マロンちゃんは銃を連射している。ドンドンと大きな銃声が鳴る。


「【呪浄化】」


 呪い状態となったレヴァナントに浄化スキルを使うと、レヴァナントは白い光に包まれる。レヴァナントは「ウヴァ」と苦しげな声を漏らす。1回では浄化しきれなかった。私は3回、4回と浄化スキルを使う。


 そして5回目。この浄化でレヴァナントはしゅわあと音を立てて、白い光に包まれながら浄化していった。成仏してください。


 レヴァナントはあっさり倒せた。たくさんの経験値とアイテムを落としてくれたからうはうはだ。レベルが31に上がった。やったね!


「呆気なかったわね……」


「アナちゃんの浄化で一瞬だったね」


「経験値が美味しいですね。レベルがけっこう上がりましたよ」


 私達は戦闘状態の緊張感から解放されたからか、口々に感想を言い始める。


ーーボス魔物「レヴァナント」を討伐しました。


ーーカルマ値が1000を超えたため、称号【秩序者】が与えられました。


 アナウンスとともに、帰還用の魔法陣が現れた。この魔法陣に乗れば帰還出来るのだろう。


「じゃあ帰ろう」


 ルージュちゃんに続き、マロンちゃんや茶々さんも魔法陣の上に乗ろうとしたが、私は引き止めた。


「ちょっと待って。まだ日記帳の使い道が分かんないままだよ」


「あ、あの日記帳。すっかり忘れてたよ」


  3人は今思い出したという顔をしていた。


「前の「呪いの遺跡」でも裏ボスいたし、今回もあの日記帳で出現させられるかも。ちょっと色々試したい」


「そういうことなら、色々試してみよ」


「裏ボスは強いのかしら」


「「呪いの遺跡」の裏ボスはそこそこ強かったですよ」


 皆も裏ボス探しに乗り気になってくれた。私達はこの部屋をもう一度物色し始めた。あの日記帳の鍵が他でも使えたりして、と思ったけど、鍵穴らしきものはなかった。


 日記帳とこの部屋を見比べる。するとあることに気付いた。この部屋に書かれている「許さない」の文字と日記帳の「許さない」の筆跡は全然違うということに。この日記帳を書いた聖クリスとかいう人がレヴァナントになって蘇ったのかと思ったけど違う?


 でも筆跡が違うから何なのかって話だよね。うーん。部屋の道具を見る。神具っぽいのはほとんど破壊されていた。神具っぽいのをとりあえず移動させてみる。


 すると今までは神具で隠れていて見えなかったが、下にいくつか紙キレが落ちているのに気付く。


 これは日記帳の切れ端? ところどころ破れていたあの日記帳の1部っぽい。


××月24日

あのエルモア教の悪魔が訪れてから可笑しくなったかもしれない。全てが憎くて仕方がない。


××月25日

私はついに息子のエリクを殺してしまった。エリクが許せない。私のことも許せない。全てが許せない。


××月26日

全てが憎い。全てが許せない。許せない。


 部屋中探して見つけたのはこの3枚。私がさっき見つけた聖クリスの日記帳と合わせると内容はこうなる。




××月20日

あの忌まわしいエルモア教に信者を取られた。あのような悪魔信仰にこのクレア教が取って代わられるなどありえない


xx月21日

クレア様……。どうか私めに導きを……。


××月22日

エルモア教の悪魔がやってくる。もう終わりだ。


××月23日

許さない。あのエルモア教の悪魔を許さない。


××月24日

あのエルモア教の悪魔が訪れてから可笑しくなったかもしれない。全てが憎くて仕方がない。


××月25日

私はついに息子のエリクを殺してしまった。エリクが許せない。私のことも許せない。全てが許せない。


××月26日

全てが憎い。全てが許せない。許せない。


××月27日

許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。



 これもはや狂った人の日記じゃん……。私は日記の狂気を感じながらも、日記帳に切れ目のページを当てはめた。すると日記帳が光って、敗れた箇所がくっついた。そして完全な日記帳になった。


 もう一度日記を開くと、27日の次のページに、新たなページが追加されていた。そこには赤い文字でこう書かれていた。「エリクがレヴァナント化した。私のせいだ」と。


 ならあのさっきのレヴァナントは、聖クリスが殺した息子さんだったんだ。



 私が1人で納得していると、赤い文字から黒い瘴気のようなのが生まれ、瘴気の中から、先程のよりもっと禍々しいオーラを放ったゾンビのような魔物が現れた。さっきのレヴァナントと似ている。さっきのレヴァナントよりこっちの方が強キャラ感が出てるけど。


 これがこのクエストの裏ボスかな? と思ってると、無機質な声でアナウンスが流れ、スマホにもメッセージが表示される。


ーー裏ボス魔物「聖クリスのレヴァナント」が現れました。




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