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第134話 精霊契約

「【破滅の旋律】【反転(呪)】[カース召喚ex]」


 私は自分と敵に反転を使い、カースさんを召喚する。カースさんはいつも通り、分裂してもらって、回復する係と攻撃する係に分ける。


 クリスタライヤは手を大きく振り上げる。そして、驚くことに、仲間の精霊を召喚した。ミニサイズの通常魔法攻撃しか出来ない精霊なので、下級精霊だろう。属性は光かな?


 下級精霊は一人一人は大したことがなくても、数が揃うと中々に厄介だ。


 敵の召喚した精霊達が通常魔法攻撃を何発も打ってくる。一つ一つのダメージは小さいけど、数が大きいので、地味に痛い。


 私達は避けることをあまりせず、攻撃メインでいく。だってカースさんに回復してもらえばいいし。私はカースさんに回復して貰えないので、回復スキルを自分に使ったり、HPポーションを飲みながらになるけど。


 早く敵のHPを減らして、回復スキルをはかせないとね。



「【呪い】『闇精霊の導き』『闇精霊の導き』『闇精霊の導き』」


 下級精霊には下級精霊で対抗しますか。私も下級精霊を大量に召喚する。


「【暗黒魔法】」


「【花鳥風月】」


「【血爆】」


 大ダメージを与えていく。


 すると、敵のクリスタライヤがついに、回復スキルを吐き出した。


 ……クリスタライヤの使ったのは大回復のスキルだったので、一気に敵のHPは0になり、消失した。


 私達はクリスタライヤを倒したのだ。反転は相変わらず便利である。


 討伐報酬も中々に美味しかったが、お目当てはこの先なので、真っ直ぐ進む。



 ボス魔物がいたってことは、光の精霊がいる場所は近いに違いない。


 その考えはビンゴだった。


 少し進んだ先に小さな人1人が通れるほどの穴があり、そこを進むと、その先には光の精霊が待ちわびていた。


 穴の先も湖で、中央に大きな石があり、光の精霊はそこに祈りを捧げている。


「光の精霊さん! また会いに来ました!!」


 元気よく私は光の精霊の前に立ち、そう言い放った。


 光の精霊はゆっくり目を開いて微笑んでくれた。


「よくここまで辿り着けたわね」


「あなたに会いたかったから、頑張ってここまで来たの」


 なんか告白じみたセリフになってしまったが……。全て事実である。


「嬉しいことを言ってくれるのね、私に何の用かしら?」


「「???」の世界のこと聞きたくて。クローゼットの中にあった世界なんだけど」


 私が「???」の世界といった瞬間、光の精霊は明らかに動揺した。顔は強張り、肩は震えていた。



「やっぱり知ってるんだね。「???」の世界のこと、行ったんだけど、色々謎が多かったから、話を聞けないかなって。あなたに貰った宝石が「???」の世界のものだったりしたし」


「僕からもお願いするよ。彼女たちに話してあげてもいいんじゃないかな」


 中性的な声が聞こえてきた。その声の方を見ると、黒い精霊が立っていた。


「アウス……? どうしてここに」


 え、この精霊がアウスなの? 私は驚きで、目をぱちくりさせる。



《そこに立っているのは僕で、僕は闇の精霊だよ。オブリアとは親友なんだ》


 私の疑問に心の声で答えてくれた。


 すごい、めっちゃ美人。僕っていってるから男の人かとおもったけど、女性の精霊で、さらにはなんと闇の精霊だったんだね。


「この子達と出会ってね。オブリアの元へ案内して貰ったんだ」



「そうだったの……。どうしようかしら。「???」の世界のことは少しなら話しても大丈夫かもね」


「少しといわずに、全部話しちゃえばいいんじゃないの? 僕達にそれは必要なことなんじゃないかい?」



 オブリアは私達に話すのを渋っているように見えた。それをアウスが説得してくれてるっぽいので、おまかせする。


 アウスは真実を知るのを助けるお助け的なキャラなんだろうし。


 うーん、オブリアとアウスが精霊ならどちらも仲間に、というか精霊契約したい。こんな自我を持ってる精霊中々いないらしいし。この2人は上級どころか最上級クラスの精霊だろう。実力も中々のものとみた。


「でも……」


「この子は君と精霊契約したいって言ってたし、好都合だと思ったんだけどな」


「精霊契約? 私達と? ……いえ、それも考えようによってはいいかもね」


 精霊契約出来るアイテムは一通り揃っているのよ。スキルポイントもあるし。ただストーリー上重要そうなキャラと精霊契約出来るのかという不安はあるが……。


 「???」とかいう世界には絶対大きなストーリーがあるよね。ミシェラの森にいた精霊とかフェリシモ王国の森でゲットしたクローゼットとか地下迷宮で出会った闇の精霊とか、色んな人やものが関わっている時点で大きなストーリーな気がする。


 小さなストーリーなら、こんな世界規模に話を広げる必要ないもん。




「あの、オブリアさん、私と精霊契約をしてくれませんか? 私とあなたならいいパートナーになれるとおもうの。後アウス、あなたとも精霊契約したいの。私、回復も出来るし闇系の魔法も使えるから、2人との相性はばっちりなはず!」


 私はよく分からないプレゼンを始める。精霊契約ってこういうものなんだっけ? リズムちゃんにどんな風に精霊と契約しているか聞けば良かったよ……。



 私の言葉に何やらオブリアは考えているようだ。美しい顔が難しげに歪んでいる。


「僕はオブリアがこの子に着いていくなら、僕も着いていくよ。というか一緒に行こうよ。外の世界を見ようよ。いい加減、現実を受止めないとさ、ね?」


 アウスは私の味方らしく、一緒にオブリアを勧誘してくれている。というか何なら私より積極的である。


「そうね、あなたに着いていこうかしら……」


 オブリアはアウスに押し負け、OKしてくれたようだ。綺麗な笑顔で微笑んだ。


 私はスキルポイントを支払い、『最上級精霊契約』というスキルを入手する。これはどんな精霊とでも契約出来るという精霊契約の中で最高ランクといえるスキルだ。


 必要なスキルポイントは多いけどね。400のスキルポイントが必要だ。


 スキルポイントはレベル50以降はレベルが5上がるごとに、10貰える。私は230ポイントのスキルポイントを持っていた。


 そして、私はスキルポイントの欄の報酬というところが光っていたので、押す。前レベル100になった時も光ってたな。


 押すと、レベル200到達記念として、200スキルポイント追加で貰えた。やったね! 私のスキルポイントは430になった。


  100レベルごとに貰える報酬なのだろうね。


 精霊契約スキルがあれば、精霊契約に使うアイテムと精霊の了承があれば精霊契約を結べる。



 精霊契約に使うアイテムの方も問題ない。主にフェリシモ王国の王宮でめちゃめちゃレアなのゲットしたし。


「ならさっそく精霊契約を結ばせて貰うね?」


 私がそう言うと、2人は私に手を差し出した。


「僕達の手の上に、手を重ねて」


 言われた通りに私は手を重ねる。すると、重ねた手が光り輝き、辺りを包み込む。


 そこで私は精霊と契約するためのにいくつかのアイテムを使用する。


 盟約の契約古文書に指で判なるものを押した。そして、精霊契約紋を精霊の指に絡めた。


 この精霊契約紋はどんな精霊にも使えるという代物である。フェリシモ王国の王宮の宝物庫に隠されていただけあるね。さすがの高性能。



 そこで私と精霊の契約は成立し、晴れて2人は私の契約精霊となったのだった。


 なんかなし崩し的に、強い最上級クラスの精霊2人と精霊契約出来たよ。


 来た目的の1つは達成出来た。もう1つの「???」の世界について聞くという目的も、仲間にしたから達成出来そうだ。



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