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第12話 枯葉の森

 枯葉の森はその名の通り、大量の枯葉が落ちていた。木々も枯れているのが多い。枯葉の森って言われてるのが納得の枯れ具合だ。


 私たちは枯葉を踏み鳴らしながら歩く。枯葉の上を歩くとサクサクという音がなる。シーンとした森の中でその音はよく響いた。


「この音で魔物が寄ってきそうだね……」


「ちょ、アナちゃん! フラグ立てないでよーー」


 私がフラグを立てたせいだろうか。魔物が何体かやってくる。枯葉を纏った魔物が3体。スリーセットだ。


 保護色というかなんというか、動いていなかったら、枯葉みたいなこの魔物を見つけられなかったかもしれない。


 鑑定を使う。魔物の名前はカレハノ。そのまま感がすごいね。誰が名前を考えたのか知らないけど、手抜き感がある。


カレハノLv7

枯葉吹雪


「Lv7の魔物だよ。枯葉を吹雪みたいにして、攻撃するスキルを持ってるみたい。けっこう遠くに飛んでくるかも」


 鑑定したカレハノのステータスと、枯葉吹雪のスキルの情報を伝える。情報の共有は大事だよね、うん。


「りょーかい!」


「【破滅の旋律】」


 いつもの私の呪いからのルージュちゃんの爆弾コンボ。けっこうダメージを与えられた。けれどLv7なだけあって、頑丈だ。まだまだHPは残っている。


 私達が次の攻撃に出ようとした時、大量の枯葉の吹雪が私達に飛んでくる。咄嗟に避けきれず、枯葉吹雪が私達に命中する。枯葉は1つ1つは大したことないけど、大量にくると、それなりのダメージになる。いくつかかすり傷が出来てしまった。


「『ダークアラウンド』」


 私は体勢を立て直して、敵を混乱させるため、敵を暗闇状態にするスキルを使う。このスキルを使うのは始めてだ。


 敵は暗闇状態になって、混乱してるのか周囲をキョロキョロ見回している。慌ててるようだ。もちろんその隙を逃さない。


「【呪い】!」


「行って、私の爆弾達!」


 ドッカーーン。爆弾の威力上がってない? ルージュちゃんの爆弾が炸裂する。爆発の煙で、敵がどうなったか見えない。



 少し経って、煙がなくなると、敵の姿が見えた。HPがほんの僅かに残っていた。私の通常魔法攻撃で、3体とも倒す。カレハノは経験値を落として、消滅した。


 私は『リヴァインキュア』を使って、自分とルージュちゃんのHPを回復した。エンチャンター専用のHPを少し回復するスキル、これを使うと、少しだけ減ったHPは満タンになり、かすり傷も治った。


「今までで1番手強かったね」


「アナちゃん回復ありがと。枯葉吹雪は私達みたいな遠距離タイプにとって、厄介だったね」


 そんな風に話しながらひと休みする。少し休んでまた森を散策し始めると、魔物がすぐに寄ってきた。この森魔物との遭遇率がめっちゃ高い。たまたまかな? やっぱり枯葉を踏む音が敵を呼び寄せてる? 枯葉を踏む音すごいんだもん。絶対敵を呼んでる気がする。


 次に来たのは歩く植物みたいなのが5体。しかし真ん中の1体だけ、体が小さいのが気になる。目が大きくて、少し気持ち悪い。鑑定してみる。


ソクラテアフラワーLv9

スキル 毒胞子 蔓巻


ソクラテアフラワーの女王Lv10

スキル キュアヒール


「4体は毒の胞子を飛ばす毒胞子スキルと、蔓を敵に巻き付ける蔓巻スキルを持ってるよ。レベルは9! 小さいのは味方を回復するスキルを持ってて、レベルは10ね」


 どんなスキルかも鑑定して、伝える。女王が回復スキルを使えるなら、私の【反転(呪)】スキルが有効そうだね。



「【反転(呪)】! 【破滅の旋律】」


  2つのスキルをダブルで使う。MPの消費がかなり激しい。魔物は【破滅の旋律】で呪いダメージを受けたので、女王が回復スキルを使う。しかしHPは回復しない。それどころか、回復すればするほどダメージを受ける……。魔物は自滅していった。


「アナちゃんのスキル恐ろしいね……」


 ルージュちゃんは呆然とした様子で、言った。


「あはは……」


 私は苦笑いする。このスキルは敵のヒーラーの回復力が高ければ高いほど、よく効く。今回の女王の回復量は多かった。だから何回か回復を使えばすぐに自滅したのだろう。我ながら恐ろしいスキルだとは思うよ……。回復する魔物はけっこうこの世界にいるみたいだしね。


 私達はその後も夕方まで、狩をした。レベルは私が17、ルージュちゃんが15になった。狩を終えると、まんぷく食堂で、ハンバーグを食べた。昨日リクさんにおすすめされたハンバーグは美味しかった。肉汁がジューシーでたまらなかったよ。


  絶品ハンバーグを食べて幸せな気持ちになった私は家に帰ると、自室の中で、さっそく新しく解放されたスキルポイント機能を弄っていた。


 スキルは少ないのだと5ポイントから購入出来る。レベル17で購入出来るのはスキルポイントを5か10必要とするものだ。


 残念ながら、本命の呪い系スキルはなかった。しかし欲しいと思ったスキルはある。私が欲しいなあと思ったのは『闇精霊の導き』や『精霊の祝福(小)』。


  2つとも精霊が取得できるスキルだ。『闇精霊の導き』は闇属性の精霊を呼び出して、闇魔法を敵にぶつけてもらうスキルだ。『精霊の祝福(小)』は味方の攻撃力と防御力を15%upさせるスキル。でも両方ともスキルポイントが10必要なのよね。今スキルポイントが10しかないから、片方しか取れない。



 うーーん、どうしよう。少し迷った後、『闇精霊の導き』を選んだ。技名がかっこいいから、こっちを選んでしまった。私の厨二心がくすぐられたのだ。


 スキルポイントを使って、スキルを取得すると、アナウンスが来た。


ーーおめでとうございます。全ての初心者ミッションをクリアしました。


 スキルポイントを使って、スキルを取得することが最後の初心者ミッションだったようだ。SR確定チケットをゲットした。


  SR確定チケットをさっそく回す。呪いマスターを目指している私としては呪い系のスキルや称号、防具なんかが欲しい。


 しかしガチャ結果は……、


スキル レア度SSR 【アラウンドヒール】

一定範囲内にいる味方のHPを小回復する。回復するダメージは魔法防御力のステータスに依存する。



 これは素直に喜べばいいのかな。味方を支援出来るスキルだ。回復系のスキルには回復量が魔法攻撃力と魔法防御力に依存するものがあって、これは魔法防御力依存型らしい。私は魔法防御力のが高いし、私に相性のいいスキルと言える。エンチャンター向けのスキルでもある。


 そもそも私エンチャンターだからね……。本来エンチャンターは呪いをかけまくったり、敵を自滅に追い込むような職業ではないはずだ。味方にバフをかけたり、回復したり、敵にデバフをかける職業であるはずなのだ。


 さっそくスキルの所に【アラウンドヒール】をセットする。アラウンドヒールは魔法防御力が+50になるステータス補正がついてくるので、少し魔法防御力が上がった。


 それからついでにステータスポイントも割り振ろう、と思い立つ。ステータスポイントは今190ある。今日の戦いで、MPが必要だと思ったので、190全てMPに割り振った。ステータスはこんな感じ。


アナスタシア Lv17

HP 1124

MP 40050

物理攻撃力 77

物理防御力 906

魔法攻撃力 5515

魔法防御力 7310

魅力 1023

器用 532

運 1960

ステータスポイント 0

カルマ値 657

ギフト

女神の祝福

鑑定眼

MP消費20%カット

アイテムボックス


  MPがぎりぎり4万超えた。でも5万超えたい。心の中で願望をぶちまける。ついでに私の使えるスキルや称号も改めて確認する。



アクティブスキル

『ダークアラウンド』

『防御力デバフのプレゼント』

『リヴァインキュア』

『大地の舞』

『アーチタクト』

『闇精霊の導き』

コモンスキル

SCR【反転(呪)】

UR【破滅の旋律】

SR【呪い】

SSR【アラウンドヒール】

N【貝拾い】

N【手を上げる】

称号

NR【見習いマジシャン】

NR【花屋の娘】



 スキルはそれなりに呪い系のが集まってきたのではないだろうか。まだまだ呪い系のスキル集めるけどね。とりあえず称号が全然強いのないので、強い称号を集めたい。出来れば、呪い系のやつ。


 呪いマスターへの道のりはまだまだ遠いかな? いつかスキル欄と称号欄を呪いで埋めつくしてもいいと思ってるんだけど。


 明日は鍛冶屋にお願いした藁人形を引取りに行く日だ。楽しみだなあと思いながらベッドに横になる。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] >少し迷った後、『闇属性の導き』を選んだ。 今まで闇精霊の導きだったのに…
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