おまけ アナザープロット2/第四章
「はーい、皆さんのお姉ちゃんことモーナです!
今回の舞台は遺跡の中……ではなく、お城とかみたいです。
そしてついにオルタ様も大活躍! ではどうぞ!」
・第四章
さらなるゲートの突破によって、オルタの名声はますます上がった。
オルタは自分ばかりが評価されることを申し訳なく思っているが、リュークは気にしていない。……と言うより、彼は英雄になることを避けている。
かつて賢者の末裔と持て囃され、大人達の金儲けの道具にされた妹の姿が痛ましく、それが今でもリュークの心に尾を引いているからだ。
ともあれオルタは、自分もきちんと実力をつけるべく、朝練と称して毎朝低い階層に単身で挑み始めるようになった。リュークにとっては、頼もしい限りだ。
……もっとも、そのたびに持ち帰った大量の宝箱を、鑑定のためにリュークに押し付けてくるのが、少し面倒だが。
そんな折、エルマンが図々しくも姫に会いに、城へ訪ねてきた。
城内でリュークと鉢合わせして驚くエルマンに、姫姿のオルタは「リュークは私の婚約者です!」と適当なことを言う。エルマンは真に受けて、リュークを睨みながら帰っていった。
「たまには私の方から、あなたを困らせてみたかったのです」
オルタはそう言ってリュークに微笑む。リュークはとりあえず受け流しておいたが、ロミィと、たまたま訪ねてきたモーナから、いろいろツッコまれる羽目になった。
ところでモーナには同伴者がいた。オリュンポスのキクノだ。
キクノはリューク達に、エルマンの悪行を打ち明ける。
……実は、エルマンはキクノが持つレアレリック《五星刀・輪廻》を手に入れるために、パイプのある司法官に命じて、キクノの弟を無実の罪で投獄。刑執行の無期延期と引き換えに、キクノごと刀を手に入れたというのだ。
しかもこの王都の監獄には、同じような理由で投獄されている冒険者が何人もいる。
ただ、この事実を訴えたところで、エルマンがデマだと言い返せば、誰もが彼の方を信じてしまうだろう。
せめて囚人達の無実を証明できれば、話は別だが……。
そこへ突然、警備兵の一団が雪崩れ込んできた。
連中の狙いはリュークとロミィだ。二人には虚偽鑑定罪の嫌疑がかかっていた。
鑑定スキルがまともに育っていないリュークが、現場で鑑定などできるはずがない――というのが理由だが、どうせエルマンの差し金だろう。
とにかく二人はレリックと指輪を没収され、牢に入れられてしまった。
オルタはエルマンに釈放を求めるため、冒険者姿で、単身オリュンポスの本部に乗り込む。
エルマンは条件として、ペンダントの譲渡を要求してきた。オルタはやむなく従おうとするが……その時、突如本部に何者かが突入してきた。リュークとロミィだ。
「レリックを持たないただの鑑定士が、どうやって監獄を抜けてここに!」
そう叫ぶエルマンに、リュークは笑って答える。
「あんたは見逃したんだよ。俺が大事にしている、最強クラスのSランクレリックをな」
エルマンはそれが何かを聞かないまま、リュークに向かって邪眼を光らせようとする。だがいち早く、リュークが「オープン!」と叫んだ。
その途端、ロミィの肌に古代の魔法文字が浮かび上がり、エルマンの邪視を弾き返す。
最強のレリックとは、ロミィのこと――。そう、彼女は《魔導書》のアニムを持つレリック。これまで彼女が操っていた魔法は、自身そのものの力だったのだ。
ロミィによって邪眼を封じられたエルマンは、丸腰のリュークに剣で斬りかかるも、逆にあっさりとKOされてしまった。
「そうそう、言い忘れていたが、脱走したのは俺だけじゃないぜ。あんたが陥れた冒険者全員だ。ちなみに、あいつらの無実は俺がしっかり確かめてきた。この『目』で、な」
リュークがそう言った刹那、囚人を含む大勢の冒険者がここに押しかけてきた。
さらにグロウ等、純粋にエルマンを慕っていた者達までもが、彼の悪行を聞いて、「本当なのか?」と詰め寄ってくる。
エルマンは「Fランクの流したデマだ!」と言い張るが……。
「いいえ、リュークの鑑定眼は絶対です! 私が保証します!」
堂々と言い返すオルタ。
そこへ、没収品を回収してきたリュークが、先日オルタから鑑定を依頼されていたレリックを渡してきた。
「なぜこんな時に?」とオルタが不思議がりながら受け取ったのは、一振りの剣。そのアニムは――《王》。
オルタが剣を手にした刹那、それに反応して王家の紋章が刃に浮かぶ。
同時に全員が気づいた。オルタの正体に、ようやく。
かくして形勢は逆転した。孤立無援となったエルマンは、逆上して邪眼を光らせ、群衆を蹴散らし逃げていく。
ただ――この混乱で、ペンダントが彼に持ち去られてしまった。
「はい、モーナです!
ついに正体を明かしたオルタ様! ……どうして今までバレなかったんでしょう。
ぶっちゃけこのプロットを没にしたのって、この部分が原因なのではという気がしなくもなく……。
と、とにかく、次回はいよいよクライマックス! ではまた!」




