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おまけ アナザープロット/プロローグ~第一章

「皆さんこんにちは、マスター本部局員のモーナです! 突然ですが、この作品の前身になるプロットを、暇に任せてご紹介することになりました!

 ええと……『アナザープロット』という題になってますね。普通に『没プロット』と呼んではいけないのでしょうか。……あ、いけないんですか? 失礼しました。

 ちなみにこのぼ……アナザープロットは、いくつかあるうちの一つに過ぎないそうです。あと、本編のネタバレが含まれている部分があるので、先に本編を読んでおいた方がいいそうですよ?

 では、どうぞ!」

・プロローグ

 リュークというオッドアイの青年がいる。冒険者ではない。「鑑定士」だ。彼は相棒の少女・ロミィとともに、幻のレリック「賢者の鍵」を探して、超巨大遺跡「ロストミュージア」の調査の旅を続けていた。

 リュークは冒険者でないため、他の冒険者の同伴がなければ、遺跡には入れない。だが、彼をお荷物と思いながらも付き合ってやった冒険者達は、皆驚くことになるだろう。

 なぜならリュークには、並みいる冒険者よりも遥かに高い戦闘力と、豊富な遺跡の知識、そしてあらゆるレリックのアニムを見抜き操る強力な「鑑定術」が備わっているのだから――。


 例えば、冒険者が不用意に宝箱を開けて、中から飛び出してきたロストワンダーに襲われたとしても、リュークはそこら辺で拾ったガラクタの剣で倒してしまう。

 その剣のアニムは雷撃の魔法状だが、アニムの顕在度(アニムの能力がどの程度表に出ているかの度合い)が低すぎて、事実上はただの剣でしかない。しかしリュークの鑑定術の一つ「オープン」は、その顕在度を自在に操ってしまう。ただの剣から雷撃を放ち、怪物を一撃で粉砕するのだ。


 リュークの力に気づいた者達は、誰もが彼を自分のギルドに留めたいと願い、話を持ちかけてくる。

 だがリュークは、他人に利用されることを好まない。人心にさえ及ぶ鑑定術「サーチ」で、意図せずとも相手の感情が大まかに読めてしまう彼は、そうなった時点で煩わしさを覚え、次の町へと移ってしまうのだった。



・1:出会い

 リュークとロミィは、新たに訪れた王都の酒場で、「護衛を募る」という名目で、同伴役の冒険者を探していた。

 できれば高ランクのギルドに所属する冒険者がいい。なぜなら、遺跡内は無数の階層に分かれており、ランクが高いほど深くまで潜れるからだ。これは、マスターがそのようにルールを設けているからである。

 そんな折、二人に話しかけてきた少女がいた。レベル1の剣士でギルドランクも1という新米丸出しの彼女は、「姫騎士のオルタ」と名乗る。

 姫騎士といっても、装備がやや高価な以外、特筆すべきところはない。ただオルタは、純粋にリューク達の助けになりたいと思っているようだ。鑑定眼によってそれを見抜いたリュークは、「一日ぐらいなら手を貸してやるか」と軽い気持ちで、オルタと遺跡攻略に乗り出すのだった。


 遺跡内は、無限に湧き出る宝箱とトラップに満ちている。さらにその構造は、夜明けごとに階層単位で変化する。次の階層に進むゲートは各階層ごとに一つだけあるので、それを探して次の階層へ進む――というのが探索の基本だ。

 ところが遺跡に入った途端、リューク達の目の前に、伝説の邪神が現れた。リュークは慌てることなく、相手のアニムを見抜き「オープン」を行使。顕在度を100%に変え、その正体であるボロ靴へと変化させた。


 リュークは探索の傍ら、オルタに遺跡の性質を教えていく。しかしオルタはポンコツで、次々と罠に嵌ったりモンスターに追いかけ回されたりと、何かと世話が焼ける。

 リュークはロミィに「パワーシェア」の魔法を使うように言った。攻撃力や防御力などの一部を、パーティーメンバーに一時的に分け与えるサポート魔法だ。ロミィの役目は、サポート魔法によるリュークの支援なのである。

 これによってオルタは一時的に基礎ステータスがアップ……したのはいいが、途端にギルドランクも、一時的に50を突破してしまう。リュークの戦闘力が非常に高い証だ。


「せっかくだからもう少し進んでみるか」

 涼しい顔でそう言って次の階層へと歩いていくリュークとロミィ。おっかなびっくりついていくオルタ――。そんな一同を第5階層の奥で待ち構えていたのは、「ロストサークル」と呼ばれる遺跡内異空間に通じる扉だった。

 扉の先には、森と小さな山小屋があった。かつて賢者が幼少期に遊んだ、ミトック村近くの森が再現されたものである。

 小屋には、小さな宝箱が一つ置かれていた。罠の類はかかっていない。リュークは宝箱を回収する。……と、そこへ見知らぬ集団が踏み入ってきた。悪徳ギルド「スナッチャー」の面々だ。彼らは盗賊でのみ構成されており、他の冒険者を襲って金品を巻き上げている。どうやらオルタ達をカモと睨んでつけてきたようだ。

 しかしこのような連中は、リュークの敵ではなかった。そもそもつけられていたことなどお見通しである。リュークは襲いかかる盗賊達を軽くいなすと、さっき回収した元「邪神」のボロ靴を投げつけ、「クローズ!」と叫ぶ。

 途端に靴の顕在度が元どおりになり、邪神の姿へと戻った。暴れ回る邪神と逃げ惑う盗賊どもをよそに、リューク達は悠々と森を後にした。


 その後遺跡を出てから、オルタはリュークとロミィを家に招待する。そこは、この王都の中心地――城だった。自称姫騎士のオルタは、「騎士」ではないが、間違いなく「姫」だったのだ。

 さらに、持ち帰った宝箱をリュークが開けてみると、中から意外なものが現れる。

 ……それは、一人の少女だった。顔が伝説の賢者と瓜二つである。だがそれよりも別の理由で、リュークは珍しく小さな動揺を覚えた。

 彼女の風貌は、賢者である以前に、リュークが知る別の人物にそっくりだったからだ。

「クリステ……」

 思わず呟くリューク。それは、かつて村ごと遺跡に呑み込まれた、彼の妹の名だった。

「はい、引き続きモーナです!

 ま、まさか賢者のそっくりさんが、こういう形で出てくるなんて……。本編の面影はありつつも、ここからどう話が動いていくのでしょうか。

 ちなみに補足しておくと、プロットの中にあった『ギルドランク』というのは、オルタ様がお付きのばあやさんと二人で作っているギルドのランクだそうです。もっともばあやさんは幽霊部員みたいなものなんで、メンバーは実質オルタ様お一人なんですって。

 あと、このギルドランクにリュークさんの強さは一切反映されていません。リュークさん、冒険者ですらなかったんですね……。

 というわけで、今回はここまでです! 次回はきっと数日中に! ではまたです!」

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