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とある少女の旅路の末に…  作者: ゆりす
1/1

少女と男の子とその妹1


ぐうぅぅ


盛大に腹の虫がまたなった。


「おなか減ったなぁ…」


ぽつりと独り言をつぶやいた。

私は一人での旅の途中、次の村を目指して森の中の一本道をただひたすら歩いていた。商人たちが馬車で通るおかげでこの道は雑草が生い茂ることもなく、進むだけなら快適に進めていた。そう、進むだけなら。

前の村で食料などをいろいろ仕入れた店のおっちゃんに次の村までの道のりとどのぐらいで着くのか聞いたのだが、そのおっちゃん情報によればこの一本道にそって行けば2日あればつくそうだった。しかし、その倍4日歩いて次の村はまだ影も形も見えない。


女一人だからっておっちゃん絶対私が馬車で行くって勘違いしてただろ。こん畜生め…


心の中で少し悪態をついた。そうでもしなければ本当にやってられなかったのだ。

すでに食料は予備の分も含め一昨日の晩に切れ、丸一日何も食べずにお腹をすかしながらただただこの道をずっとひたすら永遠と歩き続けている。


次の村は食料を恵んでくれる人がたくさんいて、幸せで裕福な村がいいな。新鮮な野菜がたっぷりとれて、脂ののった牛がいっぱい飼育されている場所がいい。そんな場所ならもしかしたらお仕事しなくて済むかもしれないし。


私の中で現実逃避という名の妄想が膨らむ。食料がないことや次の村の気配がないことの不安や焦りからそろそろ精神が限界をきたそうとしていた。


「あーあ、神様どうか私に食料を恵んでくださいませんでしょうか。」


困った時の神頼み。信じてもいない神様に祷りをささげてみたが当然ながら食料が降ってわいてくるようなことはなかった。


けっ、神様のドケチ。


そんなこんな頭のなかでどうしようもない妄想を繰り返しながらしばらくの間歩いた。何度目か分からないお腹が減りすぎて痛くなり、痛くなくなる現象が起きている中、、

ガサガサッ

不意に近くの茂みをかき分けてまっすぐこちら側に向かって走ってくる音がした。


これは…足音的にはかなり大きめ…


美味しいけど食べるところの少ないカエルでもネズミでもない、大型の獣だ。これは頑張ってここまで歩いてきた私にお腹いっぱいお肉を食べてもいいよっていう神様のお告げね。さっきは疑ってごめんなさい。神様ありがとう。


盛大な手のひら返しを決め、音の主を確実に仕留められるように久しぶりにお肉が食べられるという高揚感をなんとか落ち着かせて鈍器を構え気配を殺した。


あと少し…3…2…1…今!


近くの茂みから出てきた影を一撃で仕留めるべくして鈍器を振り下ろす。


ドゴンッ


森にまるでダイナマイトの爆発音の様な大きな音が木霊した。

しかし、鈍器は目標に当たることなく盛大に空振り、地面にめり込んだ。いや、めり込ませた…

危なかった。わざと空振りさせなかったら18禁レベルの大惨事が起きるところであった。

顔からさっと血の気が引いた。心臓が止まるかと思った。

飛び出てきたのは獣ではなく男の子だったのだ。

本当に犯罪者になるところであった。ふぃぃセーフ。

しかし、鈍器を振り下ろした衝撃で思いっきりころばせてしまった。

少年は何が起きたのかわからない様子で痛そうに転んだ際に打ったお尻を抑えている。



「大丈夫君?立てそう?」


少年に向けて手を伸ばす。


「あんた、はやくにげるんだよ。オークが来ちま」


ブルラァァァァァァァァァァ


男の子が怯えた様子で全部言い終える前に醜悪な豚肉(オーク)が5匹もぞろぞろと雄たけびを上げながら茂みから出てきた。


にしてもなんて優しい子なのだろう。出会ったばっかの転ばせた私の心配まででいるなんて…久しぶりに人の優しさに触れて少しばかり感動してしまった。

お腹がすきすぎてテンションの振れ幅がおかしくなってしまっていた。

地面にめり込んだ鈍器に手を伸ばす。

状況からみてこの男の子が豚肉(オーク)に追われて命の危機にさらされていることは一目瞭然。

メコッと音を立てて鈍器を地面から引き抜いた。

豚肉は言わずとも知れた魔物の一種であり、魔物は人に危害を加えるため駆逐対象である。

豚肉(オーク)のほうに向かって軽く鈍器を薙ぎ払った。

前方にいた3匹の豚肉(オーク)は紙切れのように吹き飛び、木に激突し文字通りのミンチと化した。

頭が悪い為何が起きているか理解できていない残りの2匹の豚肉(オーク)にも逃さないように鈍器を素早く振り下ろした。パアァンと風船が割れるかのごとく周囲に肉片をまき散らして素早くミンチになった。

ふうっ、これでひとまず脅威は去ったかな…

一息ついて男の子に向かって手を伸ばした。


「立てないのなら手を貸すよ。」


「あんたいったい何者だよ…」


男の子は恐る恐る手を掴んで立ち上がった。

それもそうか、豚肉をミンチにするなんて言う芸当は並大抵の人間では不可能だ。

自己紹介を先に済ませておこうか…


「私の名前はエフコ、悲しい記憶があれば銅貨1枚で回収するなんて呼べばいいのかよくわからないがそんな仕事をしている。機会があればぜひごひいきを。」


男の子は頭が狂ったかわいそうなやつを見る視線を浴びせてきた。

失敬な…そんな危ない奴じゃないし…

不定期です。探さないでください。

1話しかないのに編集していくぅ

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