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hello world  作者: しろながす
magネット
8/22

リサイクル

---ローザンヌの港---

ローザンヌの港にガタイのいい男が降りる。

男が搭乗ゲートを抜けると、男のクリアファイルとローザンヌ市のプールがリンクした。


ニコニコした係員が、紙製のストロー付き、ウェルカムドリンクを男に手渡す。

係員「プロテイン10%です(ニコニコ)。」

うむ。と言いながら、男はゴクゴクとウェルカムドリンクを飲み干す。

サンライズの様な南国トロピカル風味のドリンクだ。まんざらでもない。


ガタイのいい男「バカンス・・・か。」


旅のパンフレットをクリアファイルで確認する。

今夜の宿泊先は、「非常階段の側のサトシの部屋、タワマン3階」


---ローザンヌの港おわり---


サトシとサンタのプリズンブレイクごっこが終わり、与太話が始まっていた。

サンタ「それで、民泊始めたの?」

サトシ「外国人渡航者の安心安全を守る、模範市民としての務めだ。」

サンタ「この部屋、卓球台以外は何もない、よく泊まりに来るね。」

サトシ「スコッチとハーブ中毒のサンタ付きっていうのが条件だ。」

サンタは首をかしげた。


ピンポーン。部屋の呼び鈴が鳴る。サトシのクリアファイルにスーツを着た男が映し出された。


サトシ「噂をすればだ。」


サトシがドアを開けると、男のベルトが目に入る。サトシは首を上に向けた。

サングラスの男が目に入る。髪が整っている。ガタイが、いい。


男「ジャスティンさんの部屋はこちらですか?」

サトシ「はい、そうです。ミスターオナガですか?日本からの。」

オナガ「そうです、どうぞよろしくお願いします。」


オナガはクリアファイルから旅券をサトシの端末にダウンロードした。

オナガ「やはり・・・、か。仕方が無いな・・・。」


次の瞬間、オナガが部屋のハムスターに向かって勝手にしゃべり始める。

オナガ「プール管理コンソールログイン、この部屋の感知システム停止。」

ハムスターがピピピっと音を立てて起動する。

ハムスター「ログインアクセプト・・・感知システム停止しますた。」


部屋中の家電のアクセスランプが点滅を始める。通信を始めたようだ。

ハムスターの目が赤く光る。

ハムスター「データリンク完了。」


オナガが魔法使いの様に唱え続ける。

オナガ「タワマンの管理サーバーに、シークレットモードログイン。」

サトシの部屋「ログインデナイド、シークレットモードでのログインがロギングされました。」

オナガ「なんでやねん。」


サトシが焦る。オナガが何をしているのかがまるでわからない。

サトシ「おい!ミスターオナガ!人の部屋で勝手に何をしている?」


オナガがサトシの敵か味方かはわからない。

オナガ「君は、機密を盗んでしまったようなのだ。部屋ごとリサイクルする。」

サトシ「どういうことだってばよ!!」


オナガがサトシに向き直り言う。

オナガ「君の学生手帳を見てみろ。」


サトシが学生手帳を確認すると、クラス簿からサトシの名前が消されていた。

サトシ「どういうことだってばよ!!」


部屋が振動する、地震とは違う細かい機械的な揺れだ。

4年分の誇りが天井からポロポロと落ちてくる。

サンタが玄関の見える廊下に顔を出す。


オナガとサトシが何かを話している、姿が見える。

足が掬われそうな大きな揺れの後、部屋の振動が収まる。

窓のシャッターとドアが鋼鉄で閉じられた。


部屋の外の男は見えなくなり、サトシが鋼鉄で閉ざされたドアを両手叩いているのが見えた。

サトシはクリアファイルを確認している。

サンタがサトシに声をかける。「どうしたの?」


サトシ「やばいぜ、閉じ込められた。」

サンタ「お客さんは監禁癖のある人だったの?」

サトシ「それ以上だ。外との通信ができなくなってる。」


「No signal」を表示するクリアファイルをサトシは操作している。

サンタ「お泊り会は中止ですか?」

サトシ「それどころじゃない、このままだと俺たちは部屋ごと焼却される!!」

サンタは前向きである。後悔をあまりしない。

サンタ「サトシは毎回、ほんと面倒なことしてるよね。出口探そうか。」


突然の出来事に、二人は出口を探すも、見つけることはできなかった。

通気口や排水溝、人が通れる大きさではない。

何か、たちの悪いイタズラかもしれないと思いながらも、二人はそのまま座り込む。


何時間たっただろうか、サトシはウトウトし、いつの間にか眠っていた。

サトシはサンタの寝返りパンチで目を覚ます。

サンタは何やら寝言を言っている。


サンタ「だめだよー、ハリガネさん、これから捌かれるんだからー・・・。」

寝ている。サンリオをのキャラを抱きながら。

マグカップに残るスコッチが、淡青色に光る、山頂の湖の様な清々しさだ。

サンタはこの状況でもスコッチの残りを飲んでいたようである。


サンタの学生服のスカートから、無防備な細く白い脚がでている。

頬がほんのりと紅に染まっていた。


サトシはなんの感情も覚えない。

サトシはサンタのサンリオキャラを勢いよく、引き抜く。

サトシ「おいサンタ、生きてるか?部屋が動いてる。」


サンタがサトシの手を握り言った。

サンタ「サトシ、信じてるからね、ずっとついていく。」

サトシ「スコッチを飲み続けた言い訳は後で聞く。どうにかして脱出する方法を探さないと。」


リサイクル工場に着いた時、大声で叫んでみるか、それとも壁を突き破る方法を探すか・・・。

サンタはサトシの端末を弄っている。


サトシは部屋を突き破る方法を探す、エアガン、LEDライト、お掃除ロボットにハムスター。

現代はなんて軽く、安全なものばかりなんだ!クリアファイルでさえ、質量的に戦力外だ。


卓球台。サトシは卓球台を半分にバラし、部屋の壁に振り回し激突させる。

バキッ、壁の表面の塗装が剥れ、防火剤の様な層までがボロボロと崩れた。

その先の層は鋼鉄製。グラインダーやドリルでも貫通まで2,3時間はかかる。

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