俺のステータス1
俺のステータス
俺は異世界に召喚され、ステータスを確認しろと言われた。
そう、ここで俺の潜在能力やら隠され力とかが明かされ、さっきまで俺を馬鹿にしてた連中を逆に馬鹿にできるわけだ。
……と、思っていたのだが……
俺は今広いグラウンドのようなところに立っている。
ステータスチェックをするといわれ期待していると、なぜか半そで半ズボンの体操着のような服を渡された。
そして訳が分からぬままここに案内されたわけだ。
地面を見ると砂地のグラウンドに白い線がいくつかひかれていて、俺はその光景に見覚えがあった。
嫌な予感がする…
周りをきょろきょろ見ていると背の高い茶髪のイケメンが話しかけてくる、王室で鎧を着て王様の横に立っていた人だ。
今は俺と同じ半そで半ズボンの体操着のような服を着ている。
クッソ!イケメン滅びればいいのに!!
同じようなわりとダサい格好をしているはずなのにこんなにも違うものなのかと勝手に敗北感を覚えていると
「それでは勇者様ステータスチェックを行いましょうか。」
そんなことを言ってきた。
もうやな予感しかしないが一応何をするのか聞いてみる。
「あの……今日はまず何をするのでしょうか?」
「え?勇者様はステータスチェックを行ったことがないのですか?」
「あ……はい。」
「ああ、勇者様は異世界から来られたのでしたね、失礼いたしました。」
この人に聞いた話によるとステータスチェックとは軍隊に入る人に精神的にも肉体的にもどれくらいの能力があるのかをチェックする軍事試験の一種らしい。
ちなみにこのイケメンは俺が王と面会をしている間に悪口を言ってこなかった数少ない人間のうちの一人で、どうにも俺に過度な期待を抱いているらしくさっきからこちらをキラキラした目で見ているのがわかる。
……正直、あまり期待はしないでほしい、言っとくけど俺、ごく普通の一般市民ですよ?
「では勇者様……準備はよろしいですか?」
「……はい」
「それでは……はじめ!!」
こうして俺のステータスチェックが始まった。