1986年、小学校時代ー 記憶の贈り物(正月の栗きんとん)
1986年 年賀状
あけまして おめでとう
ことしも元気で
なかよくね。
小学校時代ー 記憶の贈り物(正月の栗きんとん)
お正月には毎年、おばあちゃん家に行った。
だいたい決まって、元旦の夜。
皆で正座して指をつき、
「あけましておめでとうございます。ことしもよろしくおねがいします。」
と改まって新年のご挨拶をした後、
一番小さな人から順番にお屠蘇をいただく。
おばあちゃん家のお屠蘇は、
うちのそれとは違って、
みりんだけの味。
とろおりとしていて、きちんと甘い。
こたつの上には、たくさんのお節料理。
毎年並んだのは、
煮物にはこぶし大のヤツガシラ、
揚げたくわい、
黒豆と、真っ赤っかなちょろぎ、
花豆、
伯母さんの大海老(大好物)。
それから、栗きんとん。
おばあちゃんの栗きんとんは、
だいだい色に近い濃いめの黄色。
甘さ控えめなどという近年の流行には程遠く、
ガッツリ甘い。
サツマイモがベースで、ちょっぴり酸がきいている。
酸は、オレンジ(もしくはオレンジジュース)、だったか。
「ゆきちゃんたちが来ると思ってねぇ。
もう今年はやめようかと思ったけど、また作ったのよ。」
おばあちゃんは、毎年、同じことを言った。
元旦には、
ご多分にもれず、
朝から晩までご馳走続きである。
うちではお雑煮とおせち料理。
その後もう一人のおばあちゃんのお家で、
手作りの美味しいお寿司(毎年恒例の握り寿司)に加え、
伯母さまがた持ち寄りの新作の数々など、
数え切れないほどのたくさんのお料理をいただく。
すでに、腹十二分目。
本来ならば、どう頑張ってもご飯一粒だって入りやしない。
そこへ来て、おばあちゃんの甘い栗きんとん、である。
お箸の先にほんの少しつけて、舐めるようにいただく。
ぼってりとしたなめらかな芋餡に栗の食感が混ざり、
ほのかにオレンジの香りが広がる。
お腹はいっぱいなのに、どうしてもやめられない。
少しすくっては、舐め、またすくっては舐めし、
結局たくさん頂いてしまうのであった。
レシピ、教わっておくんだったなぁ・・・
脳天に響くようなあの甘さとオレンジの香りが、懐かしい。
1986年 誕生日カード
由季ちゃん
お誕生日おめでとう
ディズニーランドは面白かったですか。
家中で行けてよかったですね。
どんなに楽しかったか
お話ししてくれるのを待っていますよ
今年は早く寒くなりました。
かぜをひかないように きをつけてね。
今年は庭の柿が二つしかなりません。
来年はなると思います。