2000年 3月まで
2000年 年賀状
おめでとう
ひやくの
としで
すね
自信を持
って頑張って
ね 淋しいけれ
ど待ってい
ます
平成十二年
2000年3月14日ー 待っていたのですが・・・
春にさきがけて
春を謳う
春めいたとはいえ早春
の風はまだ肌に冷く感
じます。何時の間にか
三月も半ば 元気に
多忙な毎日と存じ
ます 由季ちゃんが
遊びに来てくれるの
を楽しみに待ってい
たのですが・・・もし時
間が出来ましたら
と思います。 あれも
これもと、忙しい事と思い
ます。身体に気を付けて
風を引かないようにネ
《エピソード》
「由季ちゃんが遊びに来てくれるのを楽しみに待っていたのですが・・・」
〜2000年3月14日 おばあちゃんのハガキより〜
昨秋、大学院への進学が決まり、
この冬から春にかけては進学の準備やら、
九州という新地での一人暮らしの準備やらのため、
そわそわと落ち着きなく過ごしていた。
おばあちゃんに暫く会えなくなっちゃうな。
おばあちゃんに会いに行かなくちゃ・・・
と、一体何度想ったことだろう。
どんなに忙しかろうと、
行こうと想えば、行けたのだ、
おばあちゃんに、会いに、行けたのだ。
時間など、作ろうと想えば、いくらだって作れたのだ。
でも、結局、おばあちゃん家には、足を運ぶことはなかった。
どうしても、どうしても会いに行けなかったのだ。
「どうして、そんな遠くの大学に行かなくちゃいけないの〜?」
「こっちの大学ではダメなの〜?」
「なにもまた、そんなに遠くでなくても・・・」
「一人暮らし、なんでしょう?」
「どこに住むの?」
「体に気をつけるんだよ。」
「無理をしないようにね。」
「お父さんとお母さんに、感謝の気持ちを忘れないようにね。」
おばあちゃんの声は、おばあちゃんに会いに行かなくてもしっかりと聞こえてきていた。
怖かったのだ。
おばあちゃんの心を受け止めるのが。
自分の気持ちや考えを伝えるのが。
そのようなやり取りができる器を、持ち合わせていなかった。
おばあちゃんの心を受け入れ、そしてそれに対して誠実に応える、
優しさも、強さも、持ち合わせていなかった。
「由季ちゃんが遊びに来てくれるのを楽しみに待っていたのですが・・・」
おばあちゃん、ごめんなさい・・・・
九州に向かう電車の中で、想った。
『おばあちゃんには許してもらえないかもしれないけれど、とにかく、自分のやるべきことをやっていくしかない・・・』
電車は、するりするりと確実に、ゆきちゃんの体をおばあちゃんから遠くへ遠くへと運んで行った。
たんぽぽやら梅といった、春の花々が視界をかすめては消えていった。
新緑の緑が、あるいは、だだっ広い海が、目に眩しかった。
たくさんのトンネルを抜け、たくさんの知らない駅を通り抜けた。
でも、このときには思いもよらなかったのだ。
このたったの2年後には、海を越えたさらに遥か遠くの国に移住することになろうとは・・・




