妻がライバル令嬢に生まれ変わったようだが気にせず迎えに行く
「ライバル令嬢ですが、前世の夫が追いかけてくると思うので」を先に読まれた方が話が分かりやすいと思います。
俺は日本で生きて、不本意ながら寿命を全うしたとは言えない年齢で死んだ。
最期は愛する妻と一緒だったことだけが満足と言えるだろうか。
妻と俺との出会いは高校生のときだ。
理系が得意だった俺と、文系が苦手だった妻は、たまたま同じクラスになり、たまたま隣の席になった。
一目惚れだった。
美人というよりは可愛い方。
ちょっと大きめの目にたっぷりした睫毛、まっすぐの黒髪、柔らかそうで色白な女の子。
妻はほかの女子と違い、ふわふわしたところのない落ち着いた生徒で、俺と気が合った。
俺の好みど真ん中だった。
そして、休み時間などに趣味の話をするようになった。
街を作るシミュレーションゲームが好きだったり、物語よりは伝記物が好きだったり、聞けば聞くほど運命だと思ったね。
同じものを好きだと言い、話も合う俺を、妻はすぐに友人枠に入れたようだった。
妻の友人は女子ばかりだったから、妻も少しは意識していたかもしれないが、表面上は親しい友人止まり。
焦った。
今なら若かったと思うが、当時は必死だったんだ。
惚れた女を振り向かせるために、彼女の興味を惹きそうな本を読んだり、音楽を聴いたりした。
そして話題を提供し、親しくなってようやくデートにこぎつけたのは2年の冬。
妻は単に友人と遊びにいく延長だったようだがな。
あの歴史ものの映画は面白かった。
妻も喜んでくれて、あのときから少し意識しだしたと結婚してから聞いた。
思惑通り。
しかし、同じ大学に入っても、妻と俺との関係は変わらなかった。
友人以上恋人未満、むしろ友人よりだったか。
そうだよ、焦ってた上にから回っていたんだ。
しかもヘタレ。
本気すぎるとそういうことになるらしい。
堂々とできたのは、せいぜい共通の授業のことで話したいからと電話番号を聞き出したのと、年賀状を送るからと言って住所を教えてもらった程度。
パスケースやボールペン、ハンカチなんかを色違いで持っていたりもしたが、もちろん妻の持ち物を調べて買った。
好みは合うしな。
妻は、趣味が似てるとこういうことになるよね、と笑っていた。
帰り道で危なくないかこっそりついていったり、遊びに行くと聞いた場所にそっと同行したりしたのは、バレていないから妻にとってはノーカウントだ。
それを変えたのは、忘れもしない就職後のこと。
俺が就職を決めたのは、もちろん妻の就職先が決まってからだ。
実家からは遠い都会。
一人暮らしは危ないから、当然近くに家を借りたさ。
妻は、近くに友人がいて心強いと嬉しそうだった。
そんなある日、妻から珍しく誘いがあって、二人で飲みに行った。
行き帰りでわざとはち会わせたり、こっそり送ったりはしたが、明確に会おうと言われたのは初めてで、それはもう舞い上がっていた。
だから酒も進んだ。
そして、一通り最近の話をし合ったところで、妻は相談があると口を開いた。
「実はね、先輩から告白されそうなの。まだされてはいないんだけど、あんな風にあからさまだと分かっちゃって……」
「何?そんなやつはダメだ。俺がお前を貰うんだから」
「えっ」
当然、俺は酔っ払っていた。
だから本音が思考を通さずに出てしまった。
妻は驚いていたが、すぐに聞いてきた。
「貰うってどういうこと?」
若干天然なんだが、そこも可愛い。
俺は、なるようになれ、と半分自棄になった。
それが良かったのかもしれない。
「もちろん、結婚するんだ。俺には理沙しかいない。理沙が好きだ。ずっと、理沙だけが欲しいんだ。だから結婚しよう」
妻の両手を握ってプロポーズした。
色々すっ飛ばしたのは分かっている。
でも口にしたことは戻らない。
妻は、驚いて聞いていた。
そして、言われたことを理解して赤面し、小さな声で言った。
「よろしく、お願いします……」
俺はもう死んでも良いと思った。
その後、もちろん先輩とやらは袖にして、俺と妻は結婚した。
妻は、相談して俺の反応を見る程度のつもりだったようだが、それ以上の反応が返ってきたから驚いたらしい。
妻はかなり前から俺を好きだったと聞いて、ヘタレな過去の俺を殴りたいと思ったね。
周りは、むしろ付き合ってなかったの?!という反応だったが、概ね歓迎してくれた。
難色を示したのは妻の妹くらいだろうか。
「お姉ちゃん、あの人ストーカーみたいじゃん。知らないうちにお揃いのグッズとかさ。考え直した方が良いよ?」
「やぁね、趣味が似てるから同じのになっただけじゃない。それに、私が自然体でいられるのよ、あの人の隣なら」
「お姉ちゃん……」
もちろんストーキングはしたがな、コレクションまではしていない。
物は物だ。
俺は妻だけが欲しかった。
執着はするが幸せにしたいと思ってる。
変なのより俺の方がよっぽど良いだろう?
妻が大切にするものなら一緒に大切にできるんだから。
結局、妻が幸せそうなので妹は折れた。
子どもが生まれてからも、育ってからも、俺と妻は仲良く夫婦でいた。
当然、子育ても家事も一緒にした。
でないと、二人の時間なんて作れないし、妻が疲れてしまうだろう?
良い旦那さんね、とほかの人に言われて、控えめにのろけていた妻はとても可愛らしかった。
子どもたちとの仲も良好だった。
俺が妻に執着するのは当たり前だと思っていたし、同時に俺と妻が子どもたちを愛して大切にしていることも知っていたからな。
そして、娘と息子が独り立ちし、結婚記念と子育てが終わった記念を兼ねて旅行に行った。
いや、行こうとした。
そこで事故に遭った。
子どもたちに少しでも財産が残せたのは良かったが、もっと二人で長生きして、一緒に趣味を楽しんだり孫を可愛がったりしたかった。
気づいたきっかけは、肌の色への違和感だった。
今の俺の肌は浅黒い。
生まれた場所の気候は熱帯のようで、日焼けもするが、元々が黒い。
もっと白いはずなのに、と思って、なぜそう思うのか考えた。
そして絶望した。
側に妻らしき人はいなかったからだ。
俺はしばらく流されてぼんやりと過ごした。
裕福な商人の跡取りだったし、まだ赤ちゃんと言っていい年齢だったから問題はなかった。
そして決めた。
妻を探し出すと。
一緒に死んだのだから、妻も生まれ変わっているに違いない。
もしいなかったら……俺は狂ってしまうかもしれない。
幸い、俺の今度の親は商人だ。
国内にも顔は広いだろうし、国を越えることも容易いだろう。
なら、俺が直接探す足にしたって構わないはずだ。
商会は商圏を広げて、俺は妻を探す。
Win-Winだな。
そうと決めてからは、俺はさまざまなことを学んだ。
俺のいる国の文字や歴史はもちろん、近隣の国の言葉や文化、食生活など、子どもが知りたいと思うには幅広いことを、ひたすら。
妻が別の国にいるなら、言葉が通じない可能性もあるからな。
日本語で話せばいいって?
残念だが、俺に日本語の記憶はない。
どういう仕組みかは分からないが、妻との過去の会話などは、意味だけを覚えていて言葉そのものは理解できないのだ。
名前だけは忘れていないがな。
だから、どの国にいても話せるように、基礎をひたすら学んだ。
今世の両親は、初めこそ不思議がっていたが、すぐに慣れた。
そういう方面に興味があるんだろう、と。
実際には、妻に興味があるだけなのだが、結果は同じだ。
商人としてもプラスになることだから、と金にあかせて資料を取り寄せ、どんどん学んだ。
10才になるころには、商会にとってなくてはならないほど、商売と外国の知識のある子どもになった。
もちろん妻を探すためだが、異様に知識と行動力のある子どもだったと思う。
自分が生まれた国の中では自ら足を運んで方々探し回ったからな。
その途中で、暗人という忍者のような者たちと親しくなった。
情報収集やスパイが上手いんだそうだ。
親しくなった方法?
俺も暗人の真似事みたいなことをしていたからな、行く場所行く場所で見知ったやつに出会うんだ。
おかしいに決まってる。
俺は、ほかのやつも妻を探してるんじゃないかと心配になって、出会ったやつらを捕まえて何をしているのか聞き出した。
魔法ってすげーのな。
10才かそこらのガキが、逃げるのが得意な訓練された大人をとっつかまえられるんだから。
捕まったやつらも、泣くほど驚いていた。
そいつらは、貴族や国からの依頼があって、犯罪者やその予備軍を見張っていただけだった。
そして、俺の潤沢な小遣いを使って動いてもらえることになった。
頼んでみたら、人探しなら任せてくれ、と俺の妻への愛に感動して暴涙しながら応じてくれたぞ。
ちょろいな。
暗人という使える手駒は増えたが、俺の生まれた国の中を調べ尽くすのに4年もかかった。
気づけば15才になり、ようやく隣国へと捜索の手を伸ばせるようになった。
両親をそそのかして、商売の手を広げることに成功したからできたことだ。
そこからは、勢いづいてさらにその隣の国へと手を伸ばしたが、手がかりすら見つからなかった。
さらに北へと取引の幅も捜索の手も広げることになったころ、見覚えのある絵を見つけた。
俺が間違うはずがない。
妻の描いた絵だ。
不思議なへしゃげたうさぎ。
そのうさぎが、絵本になっていたのだ。
それを見て、一瞬で理解した。
妻も、俺を待っていてくれると。
そして作者を調べると、文化的にも商業的にもあまり交流のない北の方の国にいると分かった。
絵本の内容は地球で読んだ覚えのある童話に似ていて、多分文章も妻が考えているんだろうから、その国にいるはずだ。
俺は、逸る気持ちを抑えながら、まずは妻のことを調べた。
すぐに迎えに行ったとして、はたして門前払いにならないかは分からない。
貴族だとすると俺は身分違いにあたるから、妻をもらい受けるための下準備も必要になるだろう。
「はぁ?婚約だと?」
「いえ、それを破棄されたそうで…今は領地で軟禁だとのことですよ」
暗人は、俺にとってはおもしろくない話題をもって帰ってきた。
思った通り、妻は貴族の娘に生まれ変わっていた。
そして、身分の高さ故に王子の婚約者だったらしい。
すでに破棄されたというが、婚約者だったことも気に入らないし、ほかの女を選んで破棄したなんてもっと気に入らない。
妻より良い女なんているはずがないだろうに。
いや、逆に王子をたぶらかした庶民の女性に感謝するべきか?
その女性のおかげで、妻は貴族として傷が付いたことになって、裕福だが身分のない俺に嫁ぐのに何の障害もなくなったわけか?
「それが、どうもキナ臭いというか……」
「何かあるのか?」
「いえ、まだ噂にもなっていないのですが、どうも王子が庶民の女性に無茶を言って王妃教育をしているのです。それが原因で少しぎくしゃくしていると。それなら、リサ様を王妃にして、庶民の女性を側妃にという話があるとかないとか」
「はぁ?ふざけんな!俺の妻だぞ、リサは」
「……」
とんでもない話になっていた。
俺と妻を引き裂こうとするなど、言語道断。
ぶっ潰してやろう。
まずは、王子が庶民の女性を捨てて妻を無理やり婚約者に戻すことがないよう、商人の情報網を駆使して、ほかの国に現在の婚約者は庶民の女性だという噂を広めてやった。
あの国は隠そうとしていたらしいがな。
ちょっとドラマチックに話を盛ったおかげで話は瞬く間に広まり、国として俺の妻を再度婚約者候補に上げることが難しくなった。
シンデレラストーリーってやつは、世界を超えても通用するらしい。
次に行ったのは、あの国が輸入に頼っている物の流通を切る準備。
これは、知り合いの商人が輸出関係のまとめ役をやっていたから伝手はすでにあった。
ちょっとあの王子がそのまま王様になるってどうなんだろうね、という情報を伝えたら、簡単にこちらに付いてくれた。
自分で選んでおきながら、きちんと庶民の女性をフォローしてないとか、もうね、庶民の敵と認識されかねない。
そのまとめ役から、食品や衣料品のうち、貴族が主に買う贅沢なものを扱う商人にも情報を伝えた。
その情報を教えた見返りに、一月くらいなら輸出を止めてやろうと約束をもらった。
同じ庶民には罪はないから、ぎりぎりの範囲だな。
あの国は、割と輸出入で成り立っている国だからな。
外資が入らなければ出ていくだけになって大変だろう。
それから、政治的な足かせ。
これは暗人を使った。
暗人は、結構顔が広い。
多くの国の、それも上層部ばかりがお得意様なのだ。
そこで、暗人から、スパイ活動の成果として王子の様子を伝えてもらった。
予想通り、国としてのやりとりを考え直す方向に動く準備をしだした。
突然友好国がそっぽを向くんだから対応に困るだろう。
最後に、物理的に潰す準備だ。
文字通り潰す。
主に王城だ。
これは俺の魔法だけを使う。
日本の現代教育の成果か、俺の魔法は独特なものだ。
そのうち、一番えげつないものを訓練した。
重力を一時的に強くする、というもの。
最初は半径2m程度の範囲しか潰せなかったが、2年以上魔法を使い続けて、やっと城全体くらいを潰せるようになった。
訓練に、西の荒地を使っていたら荒地でなくなったのはご愛嬌だ。
ちょうど西の国との街道代わりになったからいいだろう。
こうして、俺は準備を整えた。
すでに俺は18歳。
妻も嫁入りのことを考えると、あまり悠長にはしていられない。
王子もかなりしびれを切らし始めているらしく、庶民の女性との喧嘩が増えているそうだ。
俺の妻を再度婚約者に、と言い出した貴族たちは、流通の方から圧力をかけて大人しくさせた。
王子は乗り気らしいが、すぐに立ち消えになるから手を出しあぐねているとか。
もういいだろう。
俺は、俺の妻を迎えに行く。
「……ユキくん?」
「うあああああ、リサ!リサだ!会いたかったあああああああ!!!」
妻は、すぐに俺だと分かってくれた。
以前とは違う姿なのは妻も同じだが、やはりすぐに分かった。
俺の理沙だ。
妻には、王子が苦労しているという噂になって話が伝わっていたらしい。
俺が王子を(物理的に)潰そうか、と言ったらやめてあげてと諭された。
解せぬ。
けれども、王子をどうこう思っているわけではない。
その証拠に、婚約破棄してもらえるよう立ち回ったと言っていた。
さすが俺の妻。
俺が庶民かもしれないと考えて、自分の地位を落とすやり方をしたらしい。
そんなことしなくても、国王に認めてもらう準備は進めていたのに。
俺の魔法はこの国なら爵位ものだ。
まぁ、爵位なんかない方が自由にできるからいいか。
妻は、俺についてきてくれると言った。
当然だがな。
俺としては、こっちに身を落ち着けてしまっても良かったが、妻はその必要はないと。
貴族としての身分は捨てて、商人の妻になってくれるとも言った。
同じ部屋にいた騎士やメイドたちが驚いていたが、先に知ることができて良かったな。
あとは、妻の今のご両親を説得して結婚の許可をもらえばいい。
もらった。
「ボーンサット商会の方なら、噂は聞いているもの。下手な貴族よりよっぽどいいわ。何より、すごく愛されているじゃないの」
うっとりと言ったのは妻の今の母だ。
「まぁ、そうだな……。あの王子などよりずっといい。父親としては寂しいが、この国を出た方がカリーシャも肩身の狭い思いをしなくて済むだろう。ルーユキア殿、娘を頼む」
少し渋々認めてくれたのは妻の今の父だ。
俺にとっても義理の両親になるんだ、きちんと対応する。
「もちろん、これからずっと大切にしますよ。それに、あちこちの国へ行きますが、その中にこの国も含まれていますので、しょっちゅう顔を見せに来ますよ」
城への流通ルートを握ったからな。
たまに締めに来ないと安心はできない。
妻には王子の動きは伝わっていなかったらしい。
ご両親が情報を止めていたのかもしれないが、また婚約者に祭り上げられそうになっていたと聞いて驚いていた。
そして、さすが俺の妻、俺がやろうとしていたことに気づいていたようだ。
今からでも潰せるが、妻が嫌がるからとりあえずやめておいてやろう。
そういえば、国王から謁見にきてくださいというご招待を受けていたな。
暗人から、諸外国との関係が悪化しかかっていること、流通も危うくなっていることを伝えてもらった。
そして、右肩上がり中のボーンサット商会が、アレストガティ侯爵領に新しく支店を開くことも。
多分、王都にも支店を出してほしいとかそういう話だろう。
表向きは。
ついでに、妻との結婚を報告しに行こう。
俺たちに手を出さなければ、流通もある程度元に戻ることを教えて差し上げたら、きっと簡単に認めてくれるだろうしな。
王子?
あいつには、ピンポイントに重力をかけておけばしゃべることもままならないだろう。
多分、俺の恨み節を聞いた神様か何かが、俺たちに与えてくれた2回目の人生だからな。
今度こそ、孫の顔を見て、満足するまで2人で生きよう。
「ねぇ、まだ子どもも産んでないのに孫の話なの?」
「それが心残りの1つだったんだ」
「ほかの心残りって?」
「旅行には結局いけなかったから、知らない場所にリサと一緒に行きたい。割と仕事でリサと一緒にいる時間が少なかったから、今回はリサと過ごす時間を多くしたい。それに……」
「それに?」
「……愛してる」
「え、あ……ユキくん?えっと」
「愛してる」
「うぅ、ありがとう」
「言い足りなかったと思うんだ。だから言い続ける。リサ、愛してる」
照れる妻は可愛い。
でも心残りは俺が言いたいだけじゃないんだ。
だから聞かせて。
「……わ、私も愛してる」
あぁ可愛い。
もっとたくさん言いたいし聞きたいから、相当長生きしないといけないだろうな。
そういえば、謁見はスムーズに済んだ。
俺が黒幕らしいと気付いたのは国王だけだったようだが、問題はない。
これで、安心して妻と夫婦になれる。
それと、頑張っている庶民の女性をないがしろにしている王子にはお灸をすえておいた。
婚約者だったことも、それを破棄したことも、もう一度利用しようとしたことも許せそうにないから仕方ないよな。
逆恨みと言われようが構わない。
もう結婚も間近らしいとほかの国に話を流しておいたから安心しろ。
第2王子がわりと優秀らしいし、安心して王兄としてサポートしていいんだぞ?
そうすれば流通はがっつり元に戻るからな。
そう伝えたら、しゃべることもできず重力に耐えていた王子が真っ青になった。
国王も顔色が悪かった。
庶民の女性は、あんなのでも好きらしく王子を心配そうに見ていた。
それでも、取り乱さないのは教育のたまものじゃないか?
貴族の妻としては充分通じる態度だろう。
国王は、もうそうするしかなさそうだと言った。
あえて言おう。
俺と妻を引き離そうとするからだ。
「ざまあw」
読了ありがとうございました。