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第十二話:近所に住んでる変なばか

本当に申し訳ないことをしたと思う。

描いたり消したりしていたのは、こっちの方だったんだよ!

 たまには、ゆっくりとした休日を。

 おくれるとでも思っていたのか?





 休日。それは素晴らしい日。なにもしなくても良い日。体を休める日。

 身だしなみを整え、業務に入らなくても良い日。

 朝起きて、背伸びをして、顔を洗って歯磨きをしてから庭に出る。鉢植えの雑草を引っこ抜いたり、市販の栄養剤や肥料を調節し、病気にかかったりしていないか調子を見て、水を与えるものは与えて、放っておくものは放っておく。

 なにかを育てるという行為は、全てに通じるものがある。

 構い過ぎても駄目だし、放って置き過ぎても駄目だ。適度に構って適度に放置。あとは天気のご機嫌をうかがいながら、できることだけやる。

 それで全滅しても仕方がない。お金を稼ぐ場合は『仕方ない』じゃ当然済まないけれど今の私にはそこまでの時間を割く余裕はない。駄目だったら駄目で、仕方がない。

 次に気を付ければいいのだ。

 今のところ全滅させたことはないけど……収穫物がいつの間にかなくなることはしばしばあるけど、それはそれで誰かのお腹を満たしていると割り切ることにしている。

「よし、特に異常なしですね」

 手を洗って、食堂に向かう。豊かで楽しい朝食タイムだ。

 かぶの酢漬け。

 納豆とめかぶ。

 豆腐と大根の味噌汁。

 ベーコンエッグ。

 白いご飯。

「いただきます」

 豪華な食事を、独りで食べる。

 朝の時間は大体みんな忙しいので、これはこれで仕方がないし、たまには孤独な食事もいいものだ。

 厚めに切ったかぶの酢漬けは私が作ったものだけど、歯ごたえが良く、酸味もちょうどいい感じで、とても美味しい。

 漬けた時より量が明らかに減っているけど……多分勝手につまみ食いされている。

 もっとも、それを追求したりはしない。私も勝手に美里のお酒やら京子さんの作ったものやら、舞さんのデザートやら、冥さんのおやつを勝手に食べている。

 食べて欲しくないものには注意書きを貼る。私達の暗黙の了解である。

「ごちそうさまでした」

 美味しい朝食を食べ終わり、満足しつつ食器は洗浄機にかけて元の位置へ戻す。

 さて……これからどうしようか?

 私としてはお腹がこなれてきた頃合いで少し運動をし、汗を流してから布団に戻ってぐっすり眠るという鉄板のプランを推奨したいところだけど、生活必需品を買いに街に行くのもいい。レンタルビデオ屋で適当に映画を借りて、半分眠りながら鑑賞するのもオツなものだ。

 そんなこんなで考えているうちに日が暮れるのも……意外と悪くない。

「おい、山口」

 さぁて……今日はなにをしようかな?

「無視はよくないぞ、山口。いやわりとマジで。あたしはそこそこ困っているんだ」

「と、言われましても……私は非番なので」

 食堂の主こと京子さんが困っていても、非番なので手も口も出したくない。

 出すとろくなことにならなそうだし。

 ちらりと横目で京子さんを見る。京子さんの背中には眼帯を付けた、我らが主こと、高倉天弧さんがへばりついていた。

 へばりつくと表現はしたが……京子さんを膝に乗せ、京子さんの胸の下あたりに腕を通し、顔を背中に押し付けている姿勢だ。見るからに凹んでいるらしい。

「彼氏が凹んでいる時とか、いちゃつき放題のチャンスじゃないですか?」

「山口。目を合わせてもう一度同じことを言ってみろ」

「ハハハ……御冗談を」

 下手なことを言ってこちらに飛び火したのでは、たまったものではない。

 大昔……彼が彼の母親や父親に無理難題を押し付けられていた頃は、曖昧な笑顔と心の奥の絶叫で我慢していた部分だったけど、このように甘えられる女性がいる今となっては我慢せずに甘えて解消している。

 ただ、その甘え方が並尋常ではないので……多くは語らないが、仕事がやりにくくなってしまうので、困ってしまうのだ。

「仕方ないですね……今日は私が料理長を務めましょう。シェフのおすすめは自家製きのこの薬膳スープでいかでしょうか?」

「山口、知っているか? 体に過剰な反応を示す物は薬じゃなくて毒と呼ばれるんだ。メシマズ嫁と呼ばれ、離婚などの原因になるんだぞ」

「真顔で突っ込まれるとキツいですねぇ……」

 ただの冗談のつもりだったのに、そこまでキツいことを言わなくても。

 それにしてもみんな、私の『自作』に異様な拒絶反応をし過ぎじゃないだろうか? 確かに小規模な崩壊因子とか作りかけたけど、大したことないのに。

「テン、あれはろくでもないことを考えている時の山口だぞ。なんとかしろ」

「今日の夜にでも黙らせるよ」

「あははははは! 話を変えましょう! ……で、なんで落ち込んでいるのですか?」

「んー……落ち込んでいるというより、究極に面倒な案件が来ちゃって……」

 ここでようやく、天弧さんは顔を上げた。

 げんなりしているし、どうやら疲れてもいるらしい。

「案件っていうより、災害だね。どうにもこうにも……こればっかりはどうしようもないことかもしれないな」

「……ってことは」

「母さんが来る」

「………………」

 私は思わず、口元を引きつらせた。

 高倉織。真っ赤な彼女。天弧さんの母親で……世界最強。

 性格は最悪の一言。強過ぎて人の気持ちが分からない。人間が踏み潰されるアリの気持ちを分からないように、彼女は常人の気持ちが分からない。分からないから齟齬を起こし続け、天弧さんのお父さんに出会うまで色々と破滅をばら撒く災厄だった。

 私が出会った中でも、関わりたくない人ランキングブッチ切りのNo1。

 そりゃまぁ色々とお世話にはなったけど、だからこそ、あんまり会いたくない。

「織さんはなにをしに来るんですか? 二人目の娘さんの顔はもう見たので、今後も冠婚葬祭以外で会う必要はないんじゃないですかね?」

「辛辣だなぁ……ちゃんと生活できてるか気になるんだってさ」

「鏡を見ろと言いたいですね」

「辛辣ぅ!」

「大体、二人も子育てに失敗しておいて、三人目の育成に入ってはいけません。一人目も二人目も放ったらかし過ぎてこんなんなっちゃってんじゃないですか。尻を拭う方の身にもなっていただきたいものです」

「コッコさん、最近好き放題言い過ぎだよね……本当に襲ったろか」

「山口、その辺にしておけ。その『こんなん』にアホみたいな借金がある奴が言っていいセリフじゃないし、それ以上言うと明日の仕事がガタガタになるぞ」

 京子さんもわりと辛辣だった。

 京子さんの肩に顎を乗せ、天弧さんは目を細めて息を吐く。

「どーしたもんかな……どう足掻いても血を見そうな気がする。嫁姑戦争する気満々だからなぁ」

「ならば、究極奥義で迎え撃ちましょう。この環境に土足で踏み入れる輩は、姑になるであろう方だろうが滅却するのみ。古事記にもそう書いてあります」

「そんな物騒なことは書いてないよ! 母さんもそうだけど、ウチの女性陣も引くつもりが全くないのが性質悪いよなぁ!」

「もちろん、半分は冗談です。織さんの気持ちも分かりますからね」

「母さんの気持ち?」

「息子が大学に通いながら宿の経営とか訳の分からないことを始めて、女を五人も囲っている状況で、心配するなって方がどうかしているでしょう?」

「心が痛い!」

「まぁ……心配するのは自由ですが、反発するのも自由です。常識や社会や倫理を盾にすれば人間はなんでも言えてしまうものですからね。正しかろうがなんだろうが『お前の態度が気に入らない』で一蹴するのも、ありだと私は思いますよ」

「いや、相手が正しかったら一蹴するのは駄目なんじゃ……」

「人間として正しくないから『正しいことを素直に相手に呑ませられない』わけです。言っていることは正しいけど、正しくない人が言っても説得力に欠けるのですよ。説得力とは納得です。相手を納得させられない言葉になんの意味があるのでしょうかね?」

「……コッコさん、ちょっと怒ってない?」

「おっと……これはいけない。私としたことが少し嫉妬してしまいました」

 こういう環境なので、ちょっとしたことも口に出していく。感情は心に留めておくとひたすらに増大し、最終的には決壊するのがオチである。

 ちらりと京子さんの様子をうかがうと、口元を緩めて肩をすくめていた。

「山口……今日休みなんだから、テンの相手を代わってくれ」

「一日中いちゃいちゃべたべたする以外の選択肢なら受け付けております」

「……もう駄目だ。コッコさんにふられてしまう……」

「違います違います。私には恋愛耐性がないので、一日中くっついていると翌日は妄想世界の住人になって仕事に支障が出るだけで、ふったりしませんし借金もありますし!」

 どうやら……天弧さんは本格的に心が弱っているらしい。

 こういう時は男友達か由宇理ちゃんと遊ぶと容易く回復するのだけれど、天弧さんの男友達は大抵忙しい。

 さてさて、どうしたものかと悩んで、妙案を思い付く。

「では、他の人に丸投げしましょう」

「へ?」

「織さんの相手をしてくれそうな人に心当たりがあります」

 実際のところは、妙案でも良い考えでもない。一時凌ぎの場凌ぎでしかなく、現状の負担を少しだけ軽くする程度の発想で、何の解決にもなっていない。

 ただ、彼なら……織さんの相手をしてくれるんじゃないだろうかと、思った。



 まさか……あんなことになるだなんて、思ってもみなかった。



 肩まで伸ばした黒い髪。真っ赤な唇は乙女のように鮮やかだ。

 ビジネススーツに身を包んだ彼女は、三人の子供を産んでいるとは思えないほど、脅威的なまでにに若々しい。旦那の精気を吸い取っているからだと本人は嘯くが、あながち嘘でもないのかもしれない。

 なにもかも台無しにしてしまう彼女……高倉織は、うつ伏せになって倒れていた。

 頭にはたんこぶができている。

「はい、おとといおいでくださいねー」

 織さんを叩き出した彼の名前を、カイネ=ムツという。

 表向きは優男っぽい外見でわりと地味な印象を受けるのだけれど、口を開けば獰猛な性格が表に出る。我が宿の近くで面白アトラクションの従業員をしており、そのアトラクションに挑んでは気絶する入場客を宿に放り込んだり、雑用をこなしているらしい。

 宿のお客様からは蛇蝎のごとく嫌われている。

 嫌われている理由は与一くんにやたら好かれているためで、彼と似たような闇を抱えている神格者の方々もおおむねカイネさんには好意的である。

 ……まぁ、つまり、そういう人なのだ。

 経緯を説明しよう。

 昼前に宿にやって来た織さんをアトラクションに案内したら、三分で叩き出された。

 時間稼ぎにもなりゃしなかった。

「ちょ……カイネさん! なんてことしてくれやがりますか!」

「そりゃ、あんな規格外連れて来られたら有無を言わさず全力で叩き潰すだろ。僕が身も蓋もなく徹底的にここまでやるのはあんまりないッスよ? ホント、アンタらの宿はマジでイカれてやがるよね」

「イカれてるのは否定しませんが……明らかにやり過ぎです」

「やり過ぎるくらいでいいんじゃない? この人妻、頭おかしそうな顔してるし」

 酷い言い様だったが、否定はできなかった。

 私が返答に困っていると、バンッ! という破裂するような音が響いた。

 うつ伏せの姿勢のまま、織さんの体が跳ね上がる。空中で体を振り回し、綺麗に着地した。

 ゴキゴキと首を鳴らし、いつものようににやりと笑った。

「はっはっは! いいじゃんいいじゃん、すげぇじゃん! あたしを一撃で倒すとか、マジで世界最強じゃねぇの!? 娘も超えてたら本気で一番強いぜ!」

「対あんただから最強なんだよ。他の奴相手じゃ雑魚同然だ」

「あたし相手だと最強……はぁん? 対英雄か罪業あたりで強化されるのか?」

「強化じゃなくて転嫁だし、強さや能力合戦なんざ心っ底どーでもいいわ。そんなクソ要素より、僕は今日の昼飯の方が大事だ」

「はっはっは……まぁ、そう言うなよ……ちっと付き合えや!」

「……はいはい」

 放たれた拳をあっさりと受け止め、流れるような動作で織さんを投げる。

 空中で織さんの体に蹴りを叩きつけ、吹き飛ばされた織さんに追いつき頭を掴み、地面に叩きつける。

 と、ほぼ同時に、カイネさんの姿がいきなりかき消えた。

「はっはぁ! かかったなこぞ……うえっ!?」

『誰が小僧だ、小娘。門限にはちょっと早い。もう少し遊んでいけ』

 空間に裂け目が入り、引き裂かれていく。開けてはいけない扉を無理矢理こじ開けるような不快な音と共に、裂け目の向こうに姿を見せたのはカイネさんだった。

「空間圧縮か。見たことがなかったらヤバかったかもしれないな」

「……そうそう拝める技術じゃねーと思うがな」

「技術じゃなくて力づくだろ。こんな感じの」

「ッ!?」

 目は離していなかった。まばたきもしていない。

 しかし、彼と彼女は今までいた場所から離れた場所に唐突に出現した。

 ぼろぼろの織さんは、流れてくる汗を払い息を吐く。明らかに疲労していた。

「マジか……時間停止とかふざけたことまでやるのかよ」

「正確には時間停止じゃない。時間より早く動いただけだ。ベルトコンベアの上を走ることができれば、走らない連中を置き去りにできる。もっとも……アンタは走ることができるみたいだが、走ると疲れるだろ?」

「ハッ、こんなもん全っ然大したことねーな。あたしは最強だからな、戦いの中で成長しちゃったりもするんだぜ?」

「成長? 前に進むことだけ考えて、『別の方向に進む』ことを否定しただけだろ? 人はおっかなびっくり進む。前だけ見てる奴に未来はない」

「はっはァ! 旦那と同じことを言う! お前、ボスキャラとかの才能あるぜ!」

「ああ……天職じゃねぇかと思ってるよ。残念なことになぁ!」

 そこからはもう目視で追えない戦闘に突入した。爆発するし地面は抉れるし手からビームは出るし、いやまぁ全力を尽くせば追えないこともないけど、バトル漫画のような速度の戦闘を目で追うと疲れるので、無理はしないことにしたのだ。

「どっせぇい!」

「ごほっ!?」

 カイネさんの蹴りが炸裂し、織さんが地面に倒れる。

 しかし、カイネさんは倒れた織さんの襟首を掴んで持ち上げてぐらぐらと揺らし、よっこらしょと言いながら背中から腕を回し、スープレックスでさらに地面に叩きつけた。

 重々しく、鈍く、痛々しい音が響いた。

「よし、完全勝利!」

「やり過ぎです!」

「合意の上の行為だから」

「エロく表現するのはやめなさい! っていうか、最後のスープレックスは絶対に余計だったでしょうが!」

「大丈夫、ちゃんと加減はしたよ。ダンジョン内だったら装備品を剥ぎ取って、触手の群れに放り込んでるところだ」

「………………」

「汚物を見るような目はやめてくれやがりなさい。……最強のくせに小賢しくも気絶したふりとかしてるのが悪いんだよ」

「ハ、あたしを小細工まで追いこんでおいてよく言うぜ、小僧」

 むくりと、あっさりと、当たり前のように織さんは頭を起こす。

 しかし、起き上がる元気はなかったのか、大の字に寝転がって、大きく息を吐いた。

「んがーっ! 負けたちくしょう! 空間圧縮まで防ぐとか冗談じゃないぞ!」

「腕力で空間を圧縮するような奴に言われたくないんだよなぁ……。あくまで純粋に腕力だから、同じ力で押し返せば防げるわけだし」

「さらっと言うか!? 一応、あたしの切り札みてーなもんなんだぞ!?」

「同じ力で押し返されるような真似をし続けた、アンタが悪い」

 そこだけはきっぱりと力強く断言して、カイネさんは口元を緩めた。

「ま、これに懲りたら少しは他の奴を慮ることだね。特に旦那さんと子供に恨まれてるみたいだから、もう少し行動を慎むべきだな」

「馬鹿な……きょーちゃんと息子と娘には愛を注ぎまくっているぞっ!?」

「アンタ、妙にモテるみたいだし、旦那からは不必要な嫉妬を買いまくってるぞ」

「……おおぅ……昔のダチと会った後にきょーちゃんの機嫌が悪いのは、そんな秘密があったのか……でも、きょーちゃんも大概モテるぞ?」

「嫉妬を表に出せるか出せないかの差だろうよ。アンタ、嫉妬した時はちゃんと言うし。あと、子供ってのはかけた手間と時間イコール愛情だから、放置して時たま子供が嫌がるレベルで構い倒すってのは愛情じゃねぇ。ただのエゴだ」

「あたしはそういう風に育てられたけど、愛情いっぱいに育てられたと思ってるぜ?」

「普通の人間は『そういう風』じゃ育たねぇんだよ。そもそも、アンタの場合は育てられたんじゃなくて、能力が高過ぎて両親やらその辺にさじを投げられただけだ」

「………………」

 心当たりがあるのか、珍しく眉間に皺を寄せる織さんだった。

 息を吐いて、カイネさんはポンと織さんの頭に手を置いた。

「まぁ、僕が言うのもなんだけど……できないなりに、分からないなりに、アンタは本当に頑張ってるよ。マイナススタートのくせに、本当に頑張った」

「へっ……あたしを褒めていいのは旦那だけだ。敵のくせに生意気な」

「だから僕はこう続ける。……『他の奴より恵まれているんだから、もうちょっと頑張れや』とな」

 息を吐いて、カイネさんは五歩だけ下がって距離を取る。

 そして……無造作に、拳を放てるように構えた。

「んじゃ、続けようか? 最強なんだからもうちょっと頑張れ。お前が悪いんだからもっと頑張れ」

「……けっけっけ、そこまで言うなら仕方ない。全く本当に仕方ないなぁ。あたしの全力が見たいだなんて贅沢な敵だぜ!」

 楽しそうに、本当に楽しそうに、心の底から楽しそうに、織さんは立ち上がる。

 ボロボロにも程がある。立っているのもやっとだろう。足はふらふらだし傷だらけだ。それでも……彼女は立ち上がった。

 最強だからではなく、目の前に強い敵がいるから、立ち上がった。

 そして、そんな彼女に向かって、カイネさんは獰猛な笑顔を浮かべた。

「言い忘れたが、僕はあと四回変身を残している」

「え」

『んじゃ、頑張ってね♪』

「待てええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 獲物を追い詰めるように笑い、復讐するように笑い、弱者を捻り潰すように笑う。

 ゲームのボスキャラのように彼は笑っていた。



「と、いうわけでどうだ? 二人目の娘なんだけど、可愛いだろ?」

「可愛いッスね」

「あたしに似て絶対に可愛いぞ。どうだ? 嫁に欲しくなっただろ?」

「要らねぇよ! 幼女を嫁に勧めるんじゃねぇ! どういう神経してんだ!」

 そういうわけで、カイネさんはあっさりと織さんに気に入られていた。

 いやまぁ不穏な会話内容だけど、織さんもそこまで無節操ではないだろう。たぶん。

 織さんに奢られたステーキをもぐもぐと食べながら、カイネさんは口を開く。

「あんまり人の家の事情に口出ししたくはねーけどさ……あんたらの家系ってこんなのばっかりか?」

「そんなこたぁない。あたしと息子と娘が例外なだけだ。高倉の血筋の女は嫁に行き遅れるのは事実だけどな」

「……そりゃ勿体ない話だ」

「というわけで、あたしの従妹とかどうだ?」

「おっとぉ、無理難題を断らせてから本命を引き受けさせるフェイス・イン・ザテクニック的なものはやめてもらおう。僕は誰とも接着するつもりはねぇんだよ」

「んじゃ、式の日取りはこっちで決めておくからな」

「式の日取りなら、おたくの息子さんのやつを率先して決めていただけねぇもんだろうかねぇ……あ、なっしー。肉お代わり」

「誰がなっしーだ、あたしは世紀末風の奇声を発しながら各地で活躍する梨の妖精じゃないからな。いい加減にしないと殺すぞハゲ」

 なっしーと勝手に呼ばれている京子さんは、額に青筋を浮かべていた。

 カイネさんは、宿の面子の誰とも相性が悪い。美里は苦手に思っているし、舞さんもわりと苦手そうにしているし、冥さんは露骨に嫌っているし、京子さんも然り。

 そしてなにより……一番彼を嫌っているのは、宿屋の主人である。

「もしもし父さん。母さんが浮気をしています」

「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉい! 息子、洒落にならないからやめろ! そういうことを言うと、あたしが殺されるだろ! 四人目ができてもいいのか!?」

「報告されたくなきゃ帰ってよ」

「こらこら、わざわざ訪ねて来た母親になんてことを言うんだ。せめて一泊させろ」

「そーだそーだー」

「……カイネ、ちょっと表で話をしようか?」

「やだよ。喧嘩早い男の子ってサイテーって、女の子に言われなかったか? 嫁に優しい『だけ』の男なんざ、男女問わずどんな環境でも嫌われる。だから輪に加われずに孤立するし友達もできねぇんだよ」

「ぐぎっ……ひ、人の心を容易く抉りやがって……」

「お前に友達ができねぇのは、ひとえに心の中で他人を軽んじている部分があるからだと心得ろよ。自分よりすごい奴しか認めたくないってのは、ただの弱さだし男としてみっともない。人によってできることもあればできないこともあるんだし、少なくともスゴイ奴一人より、そこそこできる奴三人の方が仕事は圧倒的に早い。少数精鋭に頼らなきゃいけない時点でおかしいんだ。そもそも、身内はともかく他人の弱さを許す許容の心ってもんがねぇから疎外される。例えば『自分は気に入らない野郎を母親が思う存分認めている』って状況があったとしても、それを笑って誤魔化して、愚痴は後で吐くってのが大人の男ってもんじゃねぇの?」

「ぐぅの音も出ないな! それはともかく、表に出ろ!」

「OKOTOWARIだ!」

 わりと正しいことを言われているはずなのに、『相手が気に入らない』という理由であっさりと正しさを否定して顔を真っ赤にする天弧さんだった。

 朝に私が言ったことと同じことをしているのだが……まぁ、口は挟むまい。

 いつもは涼しい顔をしているので、むきになるところは結構可愛い。

 と、まぁ……こんな感じで、素敵アトラクションの従業員さんは、煽ったり挑発したりするのが凄まじく上手い。

「天弧さん、とりあえず落ち着いてください。この人の口の悪さはいつものことですし、織さんの相手をしてくれるだけでも御の字でしょう?」

「ぐぬぬ……いや、しかし……なんか尋常じゃなくムカつくんだよ、こいつ」

「まぁ、確かに年長者や権力者に対するごますりが尋常じゃなく上手く、ゲームのプロデューサーや脚本が無理矢理ゴリ押してゲームそのものを台無しにするヒロインキャラのようなあざとさといやらしさを感じますが、言っている内容は正当です。むかつき過ぎて助言を聞く気にもなれませんが」

「……コッコさん、関係ない私怨が入ってない?」

「最近買ったゲームが外れだったというのも当然ありますが……相方をこけにされて黙っていられるほど、私は人間ができていないのです」

「あー……分かった。少しだけ落ち着こう。僕も色々と大人げない部分はあるし、人の輪が苦手なところもあるし、友達がいないのも事実だ。僕もむかついたから、今日はコッコさんと遊んで気晴らしがしたい。そんな感じでオッケー?」

「ふむ……オッケーです。そういうことなら落ち着きましょう」

 その一言で大層落ち着いた。豊かな休日は、やっぱり大切なのだ。

 ちらりとカイネさんの方を見ると、もくもくと二枚目のステーキを食べていた。

 ふむ……図られた、かな?

 まぁ、彼がなにを図ろうが図るまいが、デートができるのだから一石二鳥! 今日は素晴らしい日になりそうな予感が、休日が決定した時から思っていましたよ!

「おろ? なんだなんだ? 山口、お前息子とデートか?」

「邪魔しないでくださいね?」

「車買いに行こうぜ、車。欲しいスポーツカーがあってもぐぐ」

「そこの天弧野郎ともども、鬱陶しいので惚気話なら他所でどうぞ」

「…………どうも」

 織さんの口を後ろから押さえたのはカイネさんで……やっぱり、どうも、色々と図られたらしい。

 これ以上厄介事が発生する前に、天弧さんの手を握って歩き出す。

 さてさて、それじゃあ厚意に甘えてしまおう。

 デートだ!



 飯を食いに来ただけなのに、なんだか奇妙なことになってしまった。

 この僕、アトラクションの従業員ことカイネ=ムツは目を細めて息を吐く。

 僕はわりとこの宿の連中には嫌われているし、神格者という名のわがまま小娘どもにも大いに嫌われているが、それでも僕に優しい奴には優しくしたい。

「あれ、カイネくん。その腕にくっついている女の人、どうしたの? ナンパ?」

「アリアちゃん……僕がナンパなんかできると思う?」

「んーん」

「ものすごく良い笑顔で否定しなくても……いや、うん……この人はこの宿の主人のお母さんで、一日だけ世話を任されたんだよ」

「そんなに安請け合いして、大丈夫? その人、確実にヤバい人だよ?」

「この人に関しちゃ大丈夫。お金もくれるっていうし、仕事が終わったら奢るよ」

「そっか……うん、頑張ってね!」

 顔見知りの少女はそう言って、ゴミ袋を両手に抱えて足早に立ち去った。

 実に良い判断だ。そして行動も早い。僕を見捨てるのに躊躇がないのもいい。

 僕の腕につかまっている彼女……高倉織は、にんまりと意地悪そうに笑う。

「なに、今の子もしかして彼女?」

「違うに決まってんだろ」

「それにしても……カイネ、お前好みの女の子の前だと露骨に態度変えてない?」

「は? 好みの女の子の前で露骨に態度変えるのは当然だろ? ありのままの自分をそのまま見せたら引かれるじゃねーか。いきなり熱湯を浴びせかけるようなもんだろ」

「いや、あたしは『そういうのって他の女から見ると下心が透けて見えていやらしい気がする』という話をしたいんだが……」

「まぁ、女性は露骨に態度変えると周囲に睨まれるからな……くくく、しかし最強とは名ばかりで甘いな……態度を変えているのは他人行儀だからかもしれないんだぜ?」

「へ?」

「友達気分で安心しちゃっててもいいのかい? 僕は『自分が好みの範疇外だと思い込んで安心している女性』ってのも結構好きなんだぜ? 人妻も嫌いじゃない」

「ッ……ちょ、ちょい待て! お前、草食系男子じゃないのか!?」

「草食系だと言った覚えはねぇな。そういうわけで油断はするなよ、奥さん」

 絶っているだけで肉食系かもしれない。好きな女性の部位はおっぱいとお尻である。顔は基本的にどうでもいいし、性格など僕に優しければなんでもいい。

 しかし、その『なんでもいい』が基本にして究極なのだろう。

 数多の男がそうであるように、僕も惚れっぽい。そして一度惚れたら『なんでもいい』では済まなくなる。

「まぁ、僕の話はどーでもいいんだが……ぶっちゃけ、アンタ本当になにしに来た?」

「息子の様子を見に来たんだ」

「ほほぅ? 小さい子を一人放っておいて、旦那もブッチ切ってここまで来たと?」

「んにゃ、ちゃんと二人とも連れてきた。今はちょっと挨拶回りしてるけどな」

「………………」

 この女、とんでもねーことをさらっと言いやがった。

 こんな馬鹿の旦那がまともな人間なわけがないし、こんな馬鹿の旦那をやれるくらいの男は化け物に決まっている。

 とはいえ、僕が所属しているアトラクションっぽいダンジョンに挑む冒険者を受け入れてくれる稀有な宿を失いたくはないし、幸せそうな奴が破綻するのを見るのは気分が悪いので、全力を尽くさないわけにもいかないのだが。

 誰も彼もがそうだが、僕も吐いた暴言のツケは、払わなければいけないのだろう。

「しかしなぁ……自活してる子供の様子とか、テキトーでいいんじゃねぇの?」

「あたしもそう言ったんだけど、旦那が顔には出さないけど大層心配しててなぁ。旅行がてら顔を出したってわけだ」

「子供は親にとってはいつでも子供。たまに様子を見に来るくらいはいいでしょう」

 背筋がざわりとした。

 いつの間にか、僕の隣に灰色の髪を持つ男が座っていた。

 いつかどこかで見た覚えのある童顔。目の下には大きな隅。童顔だが人相は悪い。ダボダボの白い長衣に、足の悪い人が持つような杖を持っている。

 存在感が希薄。しかし間違いなく存在している。

 ……なんでこう、天弧野郎の関係者はろくな人間がいねぇんだ。

「ところで、織さん……そちらの青少年は、どこのどちら様?」

「あたしを負かした男だ。すげェだろ?」

「ほぅ?」

 この男、存在感とは裏腹に眼力がすごい。口には出さないが『ぶち殺すぞ』という意志が明確に伝わってくる。

 口元を歪めて、息を吐いて、僕は弁明をした。

「この宿の近くにあるアトラクションの従業員みたいなものです。今日は奥さんと旦那さんと娘さんの世話をして欲しいと頼まれました」

「で、天弧君はどこにいるのかな?」

「息子どもは遊びに行ったぞ。デートなんだってさ。あたしはハブられた

「ほっほぅ?」

 やべーよ。滅茶苦茶怒ってるよ。敵を社会的に抹殺する権限を持っている人間特有の迫力がすげぇよ。正直今すぐ土下座して僕も逃げたい。

 まぁ、今回は猫を被っておこう。初対面の人に失礼な言動は厳禁である。

「ところで青少年」

「カイネ=ムツです」

「ところで、青少年」

「カイネ=ムツです」

「ところで、青少年」

「カイネだっつってんだろうが、ショタ親父。そんなんだから息子に避けられまくるんだろうが。初対面の人間くらい、ちゃんと名前で呼ぶべきだろ」

「君の本性はかなり凶暴だねぇ……カイネ君」

「………………」

 どうやら、猫すら被せてもらえないようだ。堪え性がない僕も僕だが。

 息を吐いて、僕は目の前のショタ親父に向かって口を開く。

「で、アンタはなにがしたいんだ?」

「アンタじゃなくて、漆磨京介という。……僕らは、息子が元気でやっているか、顔を見に来たのさ」

「本音は?」

「女性を五人を囲うのは本当にどうなんだろうね? 刺殺されるんじゃないかな?」

「……同感だ」

 これに関しては同意するしかない。偉い人も『妻帯は四人までオッケーだけど、ぶっちゃけオススメはしない』と言っている。

 とはいえ、幸せってのは各自で模索していくもんだ。いくら馬鹿げていようとも、頭がおかしくても……本人達が幸せなら、他人がとやかく言っていい問題じゃない。

 そんなわけで、揚げ足を取ることにした。

「こんなことを言うのはアレだけどさ……」

「ん?」

「高倉織って人を嫁にもらうのも、大概だと思うんだ」

「あっはっはっはっは! そりゃそうだね! 全くもってその通り!」

「きょーちゃん、さすがに怒るぞ!」

 大ウケだった。大爆笑だった。腹を抱えて目に涙を浮かべるくらい笑っていた。

 今更こんなことを思っちゃいかんとは思うが……こいつ、かなり性格が悪い。

 涙を拭いながら、京介さんは口元を楽しそうに緩めた。

「いやいや、僕を前にして萎縮しない人は久しぶりだ。大抵、織さんの夫ってだけで化け物扱いされるんだよね。実際には略奪婚みたいなもんだし、僕がヨメなのにねぇ」

「萎縮しまくってるし、十年単位で嫁が続けられるなら十分バケモンだろ」

「はっはっは! そうだな……君ならいいかもしれない。君は僕の息子と娘より、よっぽど僕寄りの人間みたいだしね」

「は?」

「取引をしよう」

 微笑を浮かべたまま、漆磨京介は、僕を見据えた。

「君には、僕と織さんを監視するふりをしてもらいたい」

「いや、いくら監視しようが、あの馬鹿と誰かがイチャついているのを延々と見る羽目になるだけ……ああ、いや、あんたが奥さんとイチャつきたいだけか?」

「……話が早くて助かるけど、そんなきっぱり言わなくてもいいと思う」

「あ、はい」

 大人になろうが所帯持ちだろうが老成しようが、恥ずかしいものは恥ずかしい。

 ごほんと咳払いをし、話を続けた。

「まぁ……そういうことなら別にやってやってもいいけどさ……娘さんも連れて来てるんじゃなかったか?」

「うん。だから子供の世話をお願いしたいんだよ」

「……いや、赤の他人にいきなりそれはどうよ? 両親と……特に母親と引き離されるって、小さな子供にとっちゃかなりの苦痛だぜ?」

「だろうね」

「いや、だろうねって……」

「父親としては本当に心配でね。二人目の娘は、息子や娘と違って、僕に似ている」

 僕に似ている。

 それは……なんていうか、ご愁傷様としか言いようがない、悲惨な言葉だった。

 目を細め、眉間に皺を寄せ、漆磨京介と名乗った彼は、溜息を吐いた。

「困ってはいない。出来が良過ぎるわけでもない。礼節のしっかりした自慢の我が子だ。それがどんなに異常なことか……君なら理解できると思う」

「買い被り過ぎだ。初対面の赤の他人に、そこまで期待するもんじゃねぇ」

「いや、この際期待させてもらう。どんな方法を使ったのかは知らないが、織さんをここまでこてんぱんにできる『化け物』だ。利用しない手はない」

「重ねて買い被りだ。僕がこの人に勝ったけど、それは僕の力じゃない」

「いいや、君の力だ」

 男の瞳がぐるりと渦を巻く。

 彼は間違いなく弱かったけど……どこからどう見ても、化け物だった。


「この世界に、君以上に君をコントロールできる奴はいない。それは間違いなく、君が長年培ってきた『力』なんだよ」


 そして、よく分からないことを言った。

 よく分からないが、褒められた。そんな気がした。

 ほんの少しだけ悩む。僕はこの話を蹴ることもできるし、引き受けることもできる。普通に考えたら蹴るのが妥当だろう。子供の世話はとんでもなく大変だ。少なくとも、僕のような若輩者が軽々しく引き受けるべきじゃない。

 そう、答えなんて簡単だ。最初から決まっている。

「名前は?」

「え?」

「その子の名前だよ。人間の基本は名前だ。名前が分からんと話もできない」

「高倉ゆずり……その……譲渡と書いて、ゆずりと読む。織さんが勝手に思いついて勝手に申請しちゃったから……えっと」

「良い名前だろ? 一人目と二人目はきょーちゃんに譲ったからな。今回はあたしの好きにさせてもらったぜ」

「勝手に僕のせいにするな。一人目も二人目も織さんが好き勝手しようとして僕が止めたんだろうが……ああ、まぁいいや。今回はちゃんと見張ってなかった僕の失策だったよ。ン年後にゆずちゃんが改名申請したがったらマジで離婚するからな」

「きょーちゃんは大げさだなぁ」

「相変わらず本気が通じない……なんで僕、この人と結婚しちゃったんだろ」

 愛してるからじゃないスか?

 そんな投げやりなツッコミすら、この場で口にするのははばかられた。

 しかし……譲渡か。滅茶苦茶な名前だな。

 自分まで譲渡するような子にならなきゃいいけど。

 名前を確認したところで、僕はにっこりと笑った。

「すみません、お断りします」

「ここまで引っ張っておいて断るのっ!?」

「人様の子供を僕みたいなアホが預かるとか、普通に考えて不可能だっつーの。はたから見たら事案だぞ、事案。親戚でも引き受けるかどうか微妙な線だわ」

「ぐぬぬ……なんて常識的な意見なんだ……」

「で、いくら払う?」

「え」

「常識なんてもんは払うもん払えばなんとでも裏返る。そのゆずりちゃんって子と僕が喜ぶ程度の金額が望ましいな」

「………………」

 京介さんは真っ直ぐに僕を見つめる。僕は淀んだその目を真っ直ぐに見返した。

 先に目を逸らしたのは、京介さんの方だった。

「それじゃあ……本当に悪いとは思うけど、娘を頼みます」

「了解です、雇用主。とりあえず緊急時の連絡先を教えていただけますか?」

 こうして……宿の主は親の監視から逃げることができ、両親は夫婦水入らずでイチャイチャできて、僕の懐にはお金が入ってくる。

 一人しか損をしない利害関係が、成立したのだった。



 誰が損をするのか?

 そんな分かり切ったことは、誰も口にしなかった。

設定的には宿の近くには試練の塔とこのダンジョン他、いくつかの観光名所があるのですが、今まで出す機会がなかったので放置状態でした。

住人の仲はすこぶる悪いです。よって、本編で話題が出ることはほぼないでしょうww

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