プロローグ
随分前に一度エタったものです。いつにもまして文が荒いです( >_<)
私こと佐山結奈、このたび転生しました。乙女ゲー世界の悪役令嬢――――――の取り巻きその3に。
……うん。取り巻きその3に。
気がついた時は普段の淑女らしさを取り繕う余裕も無く、叫んでしまった。
だって、だって! 一番最悪じゃないか!? ヒロインだったら楽しめる。友人役でも、可愛いヒロインと攻略対象のイケメンを見て盛り上がれるし、モブだとしてもそうだ。仮に悪役だとしても、悪役というものは基本地位やスペックが高いものだし、記憶さえ取り戻して、真面目に生きれば待っているのは薔薇色の人生である。
なのに、私に割り当てられたのは中途半端に嫌われる悪役サイドの脇役! 攻略対象とヒロインの絡みさえ見れない。勿論、地位は高くないわ、スペックも平凡よりやや上程度だわ……。しかも、待っているのは悪役とともに糾弾される悲惨な未来。
極めつけに思い出したのが既に悪役、三条 瑠璃様に取り入って努力の末、一般人でも右腕ポジションをゲットし「ようこそ薔薇色の人生!」と浮かれてきた時である。
ねぇ神様。前世の私はそんな悪いことをしたでしようか。
精々、虫を殺した程度だと思うんですが。それともなに? 神様のお気に入りの虫を殺してしまったんですか? 私が偶然殺した虫には神様の愛していた魂が入っていて……とかそんなオチ?
ははは。……笑えねぇ。
そんなこんなで私の希望を打ち砕くが如く、三条様は原作どおり我が儘お嬢様であったし、ヒロイン姫野舞ちゃんもそろそろやってくる。
努力なんかして、三条様の取り巻き3までのし上がった所為で、今更距離を置くことも出来ない私は……もう、糾弾されるルートを順調に進んでますよねぇ。
三条様や他の取り巻きの方々はいい。ある程度は実家が守ってくれて、別の転校先なりなんなり用意してくれるだろう。けど、私は? 私の父は至って普通のサラリーマンだし、母はパートをする主婦である。転校なんてお金のかかることは出来ない。
どうやら私が薔薇色だと思っていた未来はハリボテで後ろからどす黒い未来がやってきたようだ。