充電切れ
とある高校の授業中。昼休みが終わってすぐの、古文の時間である。
教壇に立つ先生は、生徒に教科書を読めと命ずる。指示された生徒は、席を立ち、古文を読み始める。
実に心地よい、子守唄である。
本文を読んでいる生徒は、優秀なのか、古めかしい文章をすらすらと読み上げていく。周りの生徒たちは、うっとりとした表情で、聞き惚れている。
先生が指定したところまで読むと、読んでいた生徒は席に着いた。先生も満足そうに、「たいへん、よろしい」と言って、黒板に解説を書き始めた。
さて、ここからが問題だった。教室にいる、半数以上の生徒が、うとうとしている。昼食後であることと子守唄の効果もあり、すでに机に突っ伏している者もいる。しかし、それ以外の生徒は、必死に耐えていた。
黒板には、古文の訳や活用形、文のつくりの解説など、大事なことが次々と書かれていく。それを書き写す生徒たち。眠たくて、眠たくて、仕方がない。首をかくん、かくんとさせながら、目をこすり、頬をつねり、シャーペンの先で手の甲を刺したりして、なんとか寝まいと、努力していた。
眠たい。非常に眠たい。まぶたが重い。力を抜いてしまうと、自然と目が閉じられていく。気がつくと、目の前は真っ暗で、驚きながら目を開ける。いつの間にか寝ていた。
しまった! 途中まで書いたのに、すでに消されている! ……もう、いいや。……ぐう。




