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雨く雪く

 今日も雨。昨日から降り続いている雨は、ゆっくりと私の心を濡らしていた。雨合羽を着て、自転車をこぐのは、正直つらい。しかも二日連続。私の心は冷たくなる。グリップを握る手の甲も冷たい。前から風が吹いて、顔面に当たる雨粒も冷たい。

 冷たい。そう思うと、ペダルをこぐ足に力が入る。スピードが出て、余計に雨が目に入る。雨の日は、晴れの日みたいに、他の自転車や歩行者が少ない。みんな、どうやって通勤、通学しているのだろうか。電車か、車か。うらやましい。暖かいんだろうな。

 暖かくなってきた。力いっぱい、こいでいるおかげで、体が火照ってきた。息も切れている。呼吸するたびに、白い息が出た。視界が狭い。

 白い。白い。今年は雪が降るだろうか。寒さは去年より厳しいと、テレビで聞いた。この雨も、いっそ雪に変わってほしい。そうしたら、こんなにも冷たくならずに済むはずだ。雨よりも雪のほうが寒いはずだが、どうしてか、雪のほうが暖かく感じる。雨は冷たい。雪は暖かい。そんな気がする。

 学校に着いた。自転車置き場の屋根の下で、雨合羽を脱ぐ。脱いだ瞬間、やっぱり冷たい。温まった体が、一気に冷めていく。

「さむっさむっ」

 教室へと急ぐ。教室ではストーブがつけられていて、きっとすでに暖かいはずだ。その周りには、私の友達がいて、「今日も雨だねー」とか「寒すぎー」とか言い合って、昨日のテレビの話で盛り上がったり、男子たちのおかしな行動で笑いあったりしているに違いない。

「おはよー」

「おーす」

 教室に入ると、予想通りの光景があった。教室にいる、ほとんどの人がストーブの周りを囲んでいた。自分の席にカバンを置いて、私も輪の中に入っていく。

「今年、雪降るかなー?」

「絶対降るね!」

「降らないだろ」

 それから、今年は雪が降るか降らないか、で会議が始まった。みんなの顔が赤くなっているのがわかる。私も、自分の顔が、指が、足が、そして心が、温かくなっていくのを感じた。

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