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そこに居たはずの誰かへ  作者: 作者でしゅ
8章 上級校庭連戦と修学旅行
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4話 お誘い



 宮内が映世に入れない期間、うちの地元は向こうの空が夕焼けのままでした。


 蛍火に闇に潜むなど。

 あとビー玉にも、鬼姫《夜か夕のみ身体強化(極大)》ってのがあるか。


 夜中に強化されるスキルって、夕暮れも対象になってたりするからさ、ある意味そういった使い方も可能か。

 美玖ちゃんが怖くて無理ですが。


 本当は他になにか変化ないか地元の検証をしたかった。テスト期間で諦めたけどね。


・・

・・


 10月に入り、中間テストはなんとか終わりました。

 巻島さんが晴れやかな表情で。


「皆どうだったよ」


「前回より自信ないっすね」


 俺らは屋上に集合していた。これから活動する予定。


「やっぱ期間に入ってからするんじゃなくて、常日頃からやってかないとダメだわ」


「私はまあ大丈夫かなぁ」


 えっへんと胸を張っておりますが、神崎さん少しずつ順位落ちてかないか気になります。まあそれでも俺よりずっと成績良いんですがね。


「問題はないな」


「アタシもボチボチだね」


 とか言いながら、やっぱマキマキは自信ありそうだ。


「2人とも、ちゃんと一線引きながら活動してっから、俺としても見習いたいかぎりっすよ」


「優先順位って難しいですよね」


 美玖ちゃんも出来はよろしくないようだ。


「明日アタシら買い物行くけど、君たちどうする?」


 土曜日だね。宮内兄妹は塾と練習かな。


「修学旅行に向けてっすか?」


「そうそう、水着買いにいくの。あと久しぶりにショッピングモールで活動かなぁ」


 今年はプールや海に行ってなかったそうだ。まあ皆も活動が最優先だったしな。


「ご一緒しちゃうと、羨ましくなっちゃいそうです」


「自分は家の用事がありますんで」


 というか鏡社の手入れをしようと思ってた。10月に入ったけどさ、まだ暑いし草も元気なんよ。


 神崎さんは自分の手鏡を眺めながら。


「みんなが触手のお金だしてくれたから、風刃横断どうするか悩んじゃうなぁ」


 肉切り包丁は私物として所持したいそうだ。なんでも造形がお気に入りなんだと、俺には禍々しさしか感じないんだけど。


「俺の場合だと咎人のメイスでなきゃ使えねえんだよな。そもそも両手武器じゃないから、セットできるかどうかも怪しい」


「ショップでスキル枠のある〔両手剣〕を買わないと使えないってことか」


「めっちゃ高いじゃんアレ」


 一点突破・無断・黒刃の武器も、運が良ければスキル枠付きのが出ることもあるらしい。


「ショップで売ってるスキルの装飾品とか、そのうち出たりすんのかな」


「確かに今のところ売ってないか」


 姉ちゃんたちの中には、今シーズンでプレイしてる人もいるだろうし、電話で聞いてみるかね。


「あっ そうだった。神崎先輩、せっかく蓄電鞘の装飾品買ってくれたのに、なんかごめんなさい」


「気にしなくて良いよぉ。それに値段低下してたから、ある意味だとランダム要素が狙い目かも」


 〖青い雨〗に疲労回復と疲労蓄積があったからな。


「だからって無駄使いしちゃダメだよ」


「わかってるってぇ。それに〔装飾品の数で身体強化(小)〕ってのがあるから、無駄にはなってないしさ」


 神崎さんが所持している蓄電鞘の装飾品は、ランダム要素が〔痛み緩和(大)〕とこれまた皮肉な内容になってたりします。

 たぶんだけど武具レベルとか、彼女もう巻島さん追い越してると思う。宮内も時間の問題じゃないかな。



 そんな時だった。俺の携帯が震える。


『浦部、今どこだ。これより隆明と一緒に先生と交渉するぞ』


「あっ 忘れてた」


「どうしたん?」


 修学旅行の3日目だけど、自由行動になっている。我が校は気前よく、クラスの班ごとでなくても良いのだ。

 同じクラスに友達いないけど、他には居るって奴も存在するわけで、とても有り難い話だよ。

 俺とかその口だからな。どっちかといえば隆明か。


 なにより嬉しいのは、ホテルに残っても良いってのが最高だったりする。

 敷地内に専用のビーチがあって、そこで遊ぶのが大半なんだけど、中にはボッチもいるわけだ。


「石垣島に行きたいんすよ」


「いや……難しくない?」


「飛行機は許可もらえないよぉ」


 昔は旅船もあったらしいけど、今はないとのこと。


「きっと斉藤先生ならわかってくれます」


 皆に微妙な顔をされたが、理解などされなくてもけっこう。


「自分。今日は活動に参加できないかも知れませんので、巻島さんよろしくお願いしますね」


 どうしても行きたいんだ。


・・

・・


 察しの良い宮内がメッセージで鏡社の草刈りかと聞いてくれ、土曜日は美玖ちゃんと一緒に手伝いに来てくれた。

 まじでイケメンだな。


「すまんね、2人とも塾や練習だろ?」


「午後からだから平気だ」


「私も昼過ぎなんで」


 宮内が鉈や鋸で道を開けながら進む。俺は草刈り機関係、美玖ちゃんは工具箱や木材なんか。


「浦部さん言ってくれればいいのに、水臭いじゃないですか」


 どうやら俺の予定を最初に察したのは美玖ちゃんだったらしい。良い子や。


「お礼に終わったら、廃校カフェでなんか奢るよ」


「やったぁ」


「逆にすまんな」


 自宅方面から裏道に入り、十数分で社へと到着する。


「浦部さん、私それしてみたいです。前から興味ありまして」


 指さしたのは草刈り機だった。挑戦精神が素晴らしいね。


「じゃあやり方教えますよ」


 長柄の鎌で草を刈り取ってる動画を少し前に観たんだけど、これよりあっちの方が楽しそうだったんだよな。

 ただありゃ広い場所でやるもんであって、山中じゃ向かないか。


 保護具は持参ので良いとして、燃料も俺が確認しているし。


「とにかくキックバックだけは気をつけてください。ちょっと大きい石とかに当たると、跳ね返って足に当たることありますんで」


 ギザギザ円盤じゃなくて、紐をぶん回すタイプなんでちょっとは安全かもだけど。


「普段から剣だ槍だを受けたりしてますから、あんま恐怖感ないんですよね」


「それ確かにありますな」


 苦笑いも素敵。


「じゃあ俺は倒木や枝の確認をしてくるな」


「直撃はしてないけど何度か台風もあったから、大変かも知れんけど頼むね」


 ここに来る道中もけっこう荒れてましたわ。


「修学旅行、当たらないと良いですね」


 今のところ天気予報は問題ない。


「ピークは8月9月ってこんだけど、本当に願うばかりっすよ」


「だな」


 そんなこんなで俺たちは作業を開始した。


・・

・・


 ほぼ付き添ったので、美玖ちゃんは不満そうに。


「過保護なのは兄ちゃんだけで間に合ってまーす」


「先輩は心配で心配で、美玖ちゃん怪我したらと思いますと」


 ニヤっとしたのを確認する。なんだ。


「傷物になっちゃったら、浦部さん責任とってくれますか?」


「はっ はうぅぅ」


 照れてしまって、もう顔を両手で隠すしかない。


「ひゃっ ひゃさわしひか、ぼくっ おぉ、それおこ」


「ちょっと浦部さん動揺しすぎですって」


 過呼吸を起してしまい、ビニール袋を探すも見当たらず。


「はびで ばびで ぶぅ」


 俺にぼーいみーつがーるは10年はやい。

 息も絶え絶えに。


「あのっ 20代後半って少年に入りますかね?」


 何言ってんだコイツって視線を向けられちゃった。


「成人だと思いますけど」


 ボーイミーツガールは俺には無さそうだ。


「浦部さんって、女の子が相手だと何時もそんな感じなんですか?」


「同年代はまあそうですけど」


 美人さんやイケイケギャルとかは特にだけど、基本的に免疫はないっす。


「これでも皆さんと関わってから、大分改善したとは思ってますが」


「……雫さんも、そうだったんですかね」


 流石にそれはないはず。


「姉ちゃんは平気ですんで、似た感じだったのかと」


「もし雫さんに振られちゃったら、このままだと浦部さん、もう一生一人身なんじゃないですか」


 ずばり言いますね。


「えぇ……まあ、そうかもですけど」


「じゃあ修学旅行終わったら、遊び連れてってくださいよぉ」


 女の子に慣れるためってことだろうか。


「でも日曜日は活動したいし、土曜日はなあ」


 宮内塾だし。祝日でも良いか。


「もしかして兄ちゃん連れてく気ですか、それじゃあ意味ないですよ。あと2人ですからね、デートなんだから先輩たちもダメですよ」


 でっ デートだと。


「あれぇ、もしかしてビビっちゃってますかぁ?」


「はい。浦部さん怖いです、だってデートなんてしたことないもの」


 何処に行けばいいのさ。


「なんでそこは素直に返しちゃうんですか」


 そんな困った顔しないでよ美玖ちゃん。


「私だってないですから、一緒に適当に過ごせば良いんですよ」


「可愛い後輩に格好悪いとこ見せたくないじゃん」


 満面の笑顔で。


「なに言ってるんですかぁ、今の時点で十分格好悪いですって」


 ですよねえ。


「私を楽しませようとか必要ないですからね。本番で緊張しないための練習ですよ」


 本番。


「このままだと大学生、社会人になっても寂しいままかもですよ。


「専門学校かも知れませんけどね」


 そんなこと言いたいんじゃありませんって怒られてしまった。


「大人になったら自然と彼女できるとか考えてませんか?」


「う”っ 抉ってきますな」


 でもさ、そのなんだ。


「雫さんを逃げに使ってません?」


 この娘、俺の心読めるのだろうか。


「忘れてるのは私も知ってますけど、その上で言わせてもらいます。もし惚れてたとしても、子供の時と変化なかったんじゃないでしょうか。だって現に浦部さん情けないですし」


「いや。まあ姉から恋人ではなかったと聞いてますが」


 あれ、俺って今ガチ説教されてるのだろうか。


「雫さんとの関係も、相手が動いてくれるとか考えてたら甘いですよ。自分から進もうとしなきゃ、たぶん幼馴染のまま終わっちゃいます」


 嫌だった中学の同級生を思いだす。


「きっと素敵な人だったんですよね。なら今の浦部さんより積極的な人に、いつか取られちゃうとは思いませんか。自分にそこまでの自信はありますか、絶対に大丈夫だって」


「ですね」


 大人になったらそのうち彼女うんぬんは、確かにそう考えておりました。


「イケメンじゃないのにオシャレ気にしている人とか、異性にモテようと頑張っている男の子とか、小馬鹿にしてたりしませんか」


「……へぃ」


 美玖ちゃん、なぜそんな俺たちの生態に詳しいのさ。

 女子に気に入られようと頑張っちゃって、みっともないと見下しておりますとも。

 お前も俺らと顔面偏差値変わらねえだろうが、努力したって無駄無駄って馬鹿にしてますよ。


 頑張れば宮内のようなイケメンになれるなんて、誰がそんな無責任なことを。


「それで彼女ができたりすると、いつも太志と一緒にツバを吐いてます。(さか)りやがってって」


「えぇっ そうなんですか」


 なんで引かれてるのだろうか。ここまで言い当てたの美玖ちゃんじゃないか。


「以前、神崎さんに告白した彼ですが、心の奥底では優越感に浸っておりました。自分は彼女とお友達だぞと」


「友人たちにそそのかされたって話でしたっけ。それが切欠で神崎先輩、迷い人になったそうですね」


 うんうんと頷いて。


「でも彼は告白ができる時点で、私よりも凄い奴でした。今では立派な彼女持ちですよ」


 鼻の奥がつーんとしてきた。


「悔しいですか?」


 目頭がつーんとしてきた。


「くっ 悔しいです」


 優越感に浸ってた相手が、自分よりずっと先に進んでいた。


「じゃあ私とデートしましょう」


「へい……んぅ?」


 あれ、どうしてデートする流れになってるんだっけ。


「ところで浦部さん、雫さん以外に気になる娘とかいますか?」


 しばらく真剣に悩み。


「女の子は皆気になりますけど」


 にっこりと微笑まれた。


 とりあえず草刈りは終わったので、俺らは社まわりの作業に移る。


「……」


 無言の圧が怖いので。


「彼女とかあんま想像できないんすよね」


 ある1つの経験を思い浮かべ。


「姉ちゃんに彼氏ができたとき、ちょっと寂しかったなあ」


「まあそれは、私も少し分かりますけど」


 俺は彼女に、雫さんに惚れてるのだろうか。

 気づくと美玖ちゃんがジト目でこちらを向いていた。


「もしかして浦部さん、兄ちゃん系とかやめてくださいよ」


「いや、人並みの性欲はありますって。今年になって女の子たちと活動してて、いつも心の中じゃムフフですし」


 あっ、口走っちまったか。


「兄ちゃんだって枯れてませんよ……たぶん」


 美玖ちゃんは口角を吊り上げていた。


「ムッツリさんですか? 私のこと妹扱いしながらも、実は興味深々ですかぁ?」


 美玖ちゃんって皆といる時と、2人の時でキャラ違くないか。


「だって、妹が欲しかったんだもん」


「弟はケンジ君で足りてますもんね。でも私の兄は1人だけだし、浦部さんのことは今後も先輩って呼びませんよ」


 敬語かぁ。


「美玖君、ちょっと校庭でバケツに水を汲んできてくれないかね」


 工具箱と木材を指さし。


「私は柵の補修をしてるからさ」


「それタメ口じゃなくて、上司口調ですって」


 笑いながら、美玖ちゃんはバケツを手に背中を向けて歩きだす。



 誰もいなくなったのを確認したのち。


「つかれた」


 深く関わるってのは、未知なことだらけで恐ろしいね。太志と隆明って、そこらへん一線引いてくれてる感じするしさ。

 踏み込まれるのって、すごく緊張する。

 異性なら尚更だ。


「人間関係って難しいな」


 本当に難しい。


 中学で声変わりが過ぎんのを待ってから、始めてギルドマスターってのに挑戦してみた。年齢を隠してさ。

 映世での活動で指示みたいなのできたのは、その経験があったからってのも一応あるわけだ。

 戦う前の準備とか、こんな感じでやるよってだけで、戦闘中にできたことはそんなないんだけどね。


 まあ結果としちゃ散々なもんでしたわ。

 失敗を糧に次へ活かそうって思えれば良かったんだが、俺はそれっきりで心が折れちまったよ。



 やる気のない無能は兵士。

 やる気のある有能は現場の指揮官。

 やる気のない有能は全体の指揮官。


「やる気のある無能は殺すべきか」


 これがナポレオンの言葉だって知ったのは最近だ。


「実際そうなんだろうけどさ、言われる側の身にもなれってんだ」


 俺なりに良くしようと頑張ったんだけどね。

 意識高い系みたいなのは、確かにちょっとあったかも知れん。

 でも従わない奴は脱退とか言わなかったし、変なノルマみたいなのも課さなかった。

 挨拶はちゃんとしましょうとか、ゲーム上は問題なくても、暗黙・ユーザー間のルールみたいなのを守りましょうとか。

 他ギルドとの揉め事でこっちに非があれば、モラルを欠いた仲間を責めたりもした。

 子供だって舐められないよう、バレないよう。

 できるだけ真面目にやったつもりなんだ。


「けっきょく独りよがりだった。また突っ走ったから、雫さんは迷い人になっちまったのかね」


 焦らないよう言い聞かせてる時点で、本当は心に余裕なんてないことは分かっている。

 もし俺が、人生の酸いも甘いもかみ分けられるような大人なら。


 視野が狭まっていく。

 深呼吸も出来なくなる。

 もう他に方法はないと思い込む。


「デートか」


 活動から離れて、息を抜くからこそ、周りを見渡せる。


「まだ時間はあるんだ、もっと気楽にいかんと」


「そうだな。まずは修学旅行を楽しもう」


 振り向くと、作業を終えた宮内が立っていた。軍手や作業着を見るに、やっぱだいぶ荒れてたみたいですね。


「水曜日だけど、無理して付き合わなくても良いんだぞ」


「君とのサッカー練習も、けっこう息抜きになってるんだよ」


 ぎこちない笑みにならないよう気をつける。


「ところで、美玖とデートするのか?」


 俺ら草刈りしてる最中、すでに倒木や枝葉は撤去されてたからね。彼もけっこう前に作業を終えていたのだろう。


「女の子に慣れろといわれまして」


「まあなんだ、すまんな」


 謝られても困るんですけど。


「もっと格好良いとこを見せたいんだけど、駄目な先輩になってるか」


「ずいぶんと妹が失礼なことを言ってたな」


 苦笑いを浮かべる。


「だけど俺は、そんな情けない所も含めて、お前が格好良いと思ってるぞ」


 ちょっと君、ヒロインパワー全開やめてくんない。


「あと枯れてはないからな。確かにサッカー馬鹿って自覚はあるけど、今はそれを続けられるかどうかの瀬戸際で、俺も心に余裕がないだけだ」


 巻島さんとかによく言われてるけど、本人も一応思う所はあったようだ。


「これまで彼女が欲しいって、考えたこともないわけじゃない」


 里中とか彼女持ちだけど、スタメンでなくても1年からベンチ入りしてたもんな。

 恋愛は良く分からないとのことだけど、宮内くんも興味はあったんだね。


「彼女とか虐められたりしたら、悩むだろ」


「……そうか」


 小学校の頃らしいけど、それでかなり大変だったらしい。



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