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追放された魔法使いの巻き込まれ旅  作者: ゆ。
1章 商業都市フレンティア
18/106

失踪(ルークside)

ここからまたルークside続きます。








「………じゃあ、今日は俺たちここで待機か」

「歩かなくていいなんて……幸せです」

「そんなに巡回嫌なのかよ……」


翌朝。

俺たちは報告会のあとの事情聴取を終えて、今日の動きを伝えられた。

今日はメイウェル伯爵に令状を出して捜索、そしてアメニア伯爵令嬢の事情聴取を行う。

突撃するのはヒルゼ様の隊、特別部隊だ。


それ以外の部隊は昨日と時間と場所を変えて巡回をしている。

俺たちは今日はフレンティア警備舎で待機だ。


昨日今日で目立った動きはしないと思っているが、油断は禁物。

気を引き締めよう。




とはいえ、朝から真昼の火の刻まで報告もなければ人も来なかった。

やっぱり、今日は何もないかな。


あぁー、テッドが逃げてなけりゃあ、今日はリリーの初めての外出に付き合ったのになぁ………。

夜中に孤児院に行ったときは起きててびっくりしたけど、あれは楽しみで起きちゃったんだろうな。

クレアのことも聞いてきたし……リリーはいい子だなぁ。


俺が夜中の出来事に思いを馳せていると、突然、警備舎の扉が開いた。



「誰かっ!!子どもを知りませんか!?

7歳の女の子でリリーというんです………っ!」

「…………シスター?何があった?」


入ってきたのはシスターだった。

後ろに子どもを連れている。

かごが空だから、帰りだろう。


俺が出てくると、シスターは涙を流しながら俺に縋りついた。


「ルーク……!リリーが、リリーがいないのよ……………っ!!」

「………は?」


その言葉は俺の頭を強く叩いた。




シスターの話によると、中央地区の孤児院の庭で遊んでいるときに、リリーがどこかへ行ってしまったという。

捜しても呼んでも出てこず、慌ててここまで来たらしい。


まだ泣いているシスターの背中をさする。もう80が近いのに、ここまで走ったせいで、体も限界が来ていたようだ。

子供たちを中央地区の孤児院に預けて、シスターを休ませることにした。


リリー……一体どこに行ったんだ?


俺はゼルナに頼んで、リリーの情報を共有して捜索を並行してもらうことにした。











気づいたら、夕の刻になっていた。

あれから何の報告もなかった。


くそ……どこなんだ………


俺は待機班のせいでここから動けない。

何か、手がかりがないのか……?



俺が憔悴しきった顔をしているところを、ハースが背中を叩いて元気を出そうとしてくれる。

ゼルナも探知魔法(半径4メートル)で、ちまちま捜してくれている。


俺だけ何もできない。

いつも迷惑ばっかかけている。


俺が2人に謝ろうとしたとき、ゼルナがビクッと体を震わせた。

耳を押さえてうずくまっているのを見る感じ、誰かが魔法で連絡を送ったのかもしれない。

俺はゼルナが連絡を終えるのを待つ。


ゼルナは連絡を終えて、俺たちの方を向いて口を開いた。



「メイウェル伯爵とアメニア伯爵令嬢が……行方不明だそうです」

「「!?」」


リリーの誘拐に気を取られていた。

メイウェル伯爵たちが行方不明……逃げたということだろうか。

アメニア伯爵令嬢が逃げるなら分かるが、なぜメイウェル伯爵まで………?

罪悪感………?


いっぱいいっぱいだ。




セイエ様からの連絡を伝えられたゼルナは、また情報を共有していく。


俺にできることはないのだろうか。

俺が警備舎の外に出て空気を吸っていると、俺の目の前を黒い蝶が飛んできた。


夕焼けに黒い蝶が映えて、とても美しい。

俺も空を飛んで、リリーも、メイウェル伯爵も、テッドも見つけられたら……。


俺がぼーっと蝶を見ていると、蝶は俺の目の前で急に光って、一枚の手紙に姿を変えた。


俺が宙に浮いた手紙を手にすると、浮遊感が消えて手に収まる。

不思議な手紙だ。俺は不思議に思って手紙の封を切る。

手紙に同封されていた写真が落ちて、俺は拾おうとしゃがんで手が止まった。


リリーの写真だ。


俺は急いで手紙を開いて読む。


『こんにちは。いや、ごきげんよう。

あなたの大切な子どもは私の隣で眠っている。

しかし、これからこの子がどうなるかは保証できない。


返してほしかったら、明日の夕の刻に北の森へ、孤児院で匿っている銀髪の少女を連れてこい』



明らかな脅迫だった。

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