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超・卒業

更新80話目




主要な大会も終わり陽太郎の先輩である加古君達の卒業式まであと1ヶ月となった。

既に高校受験も終わらせている加古君達は退部した部活に練習しに来ている。


「やっぱ冬寒いよ……」


「今日雪降ってませんよ?」


「降ってなくても寒いんだよなぁ」


「それより練習しようぜ。最後の公式戦悪天候でなくなったから代わりとして部活の固定休である日曜日にわざわざ競技場借りて貰ったんだから」


「本来は冬の間閉めるんだけど後片付けや施設内の掃除や点検を1日代わりに使わせて貰ったのよ?あまり無駄な時間にしないでね」


「分かったよありがとう」


「「「「ありがとうございます!」」」」


加古、風間、高田に続き高校で陸上をする事に決めた名瀬もいた。

名瀬にとっては陸上部として中学最初で最後の試合がTTという事もあってやや緊張した面持ちでいる。

見かねた風間がアップをしながら2人の会話を広げ緊張する名瀬を安心させた。


「拝水分補給の準備出来たの?」


「ちょうど終わりましたよ。冬用の温度にしてるので補給する頃には程よく冷たすぎない温度になるはずです。

 水分補給で飲み過ぎてお腹が冷えて練習にならないとかそんな話は聞きたくないですからね」


「私の過去の失敗談を今言わないで、びっくりしたじゃない……」


「お気に入りのジュースの新しいフレーバーが出たからと運動中の水分補給として使い飲みすぎた挙句練習放り出してダウンするのは流石に情けなかったですねぇ」


「あと一応訂正しておくけどお腹が冷えてダウンしたんじゃなくて単純に飲み過ぎて水腹になって動けなくなったからよ」


「馬鹿じゃないですか……」


「言わないでよ」


下らないやり取りをしているうちに時間が経ち陽太郎達はアップを終えた。

浅倉君も来る予定だったけど進学する高校が県外の為寮住まいやらの確認の事で今日練習に参加出来なかったという事情がある。

しかしいつでも部活には参加出来るので限界まで参加すると言っていたと陽太郎から聞いた。


アップが終わり着替えた陽太郎達はアームウォーマーと手袋をしていた。

全員しっかりとランパンランシャツに+αの出立ちである。

本来陸上部ではなかった名瀬はそのような装備は持っていないのだが高校で陸上部として頑張りたいと両親に相談し、陽太郎達からどのような装備が良いか聞き込み揃えたと言っていた。

陽太郎曰く高校こそは正規メンバーとして活躍して欲しいからと喜んで勝ってくれたらしい。

応援してくれる親がいる名瀬君はきっと伸びるわね。


「揃ったようね、なら天気は落ち着いてても寒いから手早く行くわ。

 今日やるメニューは中学生の競技としては最長距離の3キロのTTよ。陽太郎や加古君達は力量が近しい事もあって走りやすいでしょうが元サッカー部で少し実力が離れた名瀬君には厳しい戦いとなるから頑張ってね!

 直接引っ張りはしないけれど拝のタイム計測や随所で私がラインの内側で並走したりするから頑張って走りましょう!」


「はい!!!」


「良い返事です。それでは怪我なく走りましょう!2分後にスタートです!解散!」


手を叩くと全員がスタートラインへと向かって言った。

拝は神楽ほどイカれた身体能力はしていないが平均的な中学生男子程度の運動能力はあるので移動しながらタイムを読み上げる役割がある。

そしてゴールでタイムを読み上げるのは神楽と何故かいる小野寺君の2人。

何故いるのかと聞くと「何か集まりそうな予感がしたのと神楽さんと話したかったからです!」と笑顔で答えた。

今回は練習に参加せずただ話に来たらしい。

練習しないという言葉に驚いていると前日に大会があって休養日として今日を設定したと言った。

どのような大会か聞くと少し大きめの記録会だからと5000を2本、15分00秒で纏めたとも言っている。


「着実に力を付けるのは良いけれど色に狂うのだけは止めて欲しいわ。露骨がラブコールは見ていて胸焼けがする…………」


離れた位置の神楽と小野寺君を見る。

神楽は普段通りの顔だが小野寺君はとびっきりの笑顔でいた。


「原動力ね」


そんな事を考えているともう2分が経った。


「位置に着いてーー!」


5人が200mのスタートラインに並んだ


「よーーい!」


全員の雰囲気が切り替わる。

選手としてまだまだ未熟な名瀬君でさえ獲物を狙う狩猟者の目をしていた。


「───────スタートぉ!!」


「「「「「っ!!!!」」」」」


5人の足が一斉に地面を踏み締めた。





小野寺に軽く引く氷鉋狐雪

かつて熱烈なラブコールを自分に送って来た馬鹿達を思い出して若干ゲンナリしている。

色に狂い本業と言える陸上を疎かにしている所か原動力にしているので過去の馬鹿達より遥かにまともで手本にさせたいとも思っている。

神楽が応えるのなら応援はする親代わり






ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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