超・日常 7
連続更新7日目!
少しコツ掴んだ
義昭からのお土産を専用の部屋に置いてから3時間が過ぎた。
超が付くほどの大広間には私と桜花の血を引く家族全員が揃っている。
私が罰として顔をボコボコにされた櫻子の息子である憂太もしっかり来ていて遅れはない。
「私の口調の事は皆に説明したから今更突かないでね。
毎年恒例年に1度は確定で集まる我が夫の命日である今日!誰も欠けず集まれたのは大変喜ばしい事よ。
1度は顔を合わせているけどこの場に集まるのは初めての新米さんもいますがこれから毎年集まるのです気楽にしないな」
そう目の前にいる息子娘夫婦に孫夫婦達に伝えた。
今この場には長男家族5人、次男家族4人、三男家族8人、四男家族3人、五男家族3人、長女家族4人、次女家族5人、三女家族8人、四女家族4人の44人。
私や使用人も含めれば更に膨れ上がる数が集まっている。
そして更に私が昔番った相手との血を引く人間を護衛として4人連れている。
それぞれ先祖に藤原家、足利家、源家、平家の血を引き、私が唯一人外の血が混じっている事を承知で子を産んだ相手の子孫である。
何故この4人か?
先祖返りというもののせいか私の劣化した能力を使えるからである。
当然世の中には秘密にしている。
私の情報網ではもう襲撃などをされる心配はないが念の為に用意した。
「この1年目楽しい事や辛い事、嬉しい事や哀しい事があった事でしょう。
それら全てを吐き出して美味しいものを食べ、英気を養う……生きる上で大事な事です。
さぁ、皆の衆!誰かの命日とは言え悲しんで過ごすのが正しいとは限らん!!沢山食べ!飲み!踊り!!歌え!!!全ての日は誰かの幸福の為にある!今日はここにいる皆が幸福であると
妾が保証する!!」
桜花が死んでから恒例となったこの催し。
あの人が言った「全ての日は誰かの不幸の上に成り立ち、全ての日は誰かが幸福になる為に存在する」今まで生きて来てそんな言葉を言った奴は初めてじゃった。
胸が張り裂けそうな程感動した。
だから妾はあの人の言葉を真実にしたいと、真のままにしたいと思った。
故に宣言する!!!!
「思う存分欲を満たせ!開宴じゃ!!!!!」
この時ばかりは陽太郎も妾の口調の事については言及しなかった。
割と大事な場面じゃしな?
───────────
毎年宣言しておいて毎年後悔する。
「焚き付け過ぎた……」
「「「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!」」」
庭を見れば地面に刺さり犬神家になってしまっている長男の義昭。
池を見れば鯉と遊泳をしている酔っぱらっている次男の晴貞。
他にも天井に刺さる三男の播磨顕信にそれを写真に収める子供と女性陣一同。
何故か天井に刺さっているのではなく2回の床に刺さりこの大広間に「こんにちは」している四男の宮本正宗と五男の菅原善吉。
その2人を年末にやる番組で使う尻叩き棒でしばきまくっている2人の子供達と他の子供達
一体何をしたんじゃ
「「お、お小遣いを1円札でかさ増ししてごめんなさい」」
「「「「「「「ドキドキ返せぇぇぇええ!!!」」」」」」」
妾に許されるなら望むだけやれるんじゃがなぁ
「「「「「「「…………」」」」」」」
真面目な子達からはもの凄く睨まれておる……!
そんなに睨まんでも良くない?
「狐雪さまどうぞ」
「ん?あら、峰墓じゃない気が効きますね」
「いえ、家政婦ですのでこのくらいの事は当然です。しかし…………」
「どうしました?」
「その……やはり慣れません、その口調は。
変わらぬ貴女様に何百年と仕えていていましたが急に変え始めましたので未だに戸惑っております」
「慣れるのに時間かかりそうですか?」
「少々時間を要するかと」
「ふーん…………時々口調を変えて見るのも一興かしら」
「お戯れを」
「貴女達は私に着いて来てくれたでしょう?」
「貴女が望みました故」
「…………!ふっふふふ!私、子供達の次に貴女達が可愛く思えて来たわっ」
「光栄です」
峰墓は一度下がると台所に戻り私の大好物である水羊羹を食べ易いサイズで持って来てくれた。
「毎年意気揚々と宣言するけど大体この騒ぎの片づけをしている時軽く後悔するのだけれどそれと同じくらい騒いでいて良かったと思うの。
騒げるという事はそれだけ元気だという事、元気ならば幸せという事に繋がるからね。あら、この水羊羹美味しわ」
頬が落ちそうな程美味しい。
やはり子供達の土産に外れはないわ!!
まぁ、義昭には少し自重して欲しいと思わない事もないけど。
「峰墓、最近はどうかしら?」
「………………と、言いますと?」
「人間の中にはもう妾を狙う粗忽者はおらん。妾自ら根絶やしにしたからの。
じゃが人間ではない人外の者の中には未だ妾を喰らって力を取り込もうと考えている者もいる。
其奴らの動きはどうじゃ?……と聞いている」
「ご安心を童子達によって制圧されました」
「なら安心じゃの」
峰墓に貰った水羊羹を手に子供達の話を聞こうと輪の中に向かった。
現代基準で厨二くさい氷鉋狐雪
桜花の言葉は甘さだけの物ではなく現実もしっかり見据えた物。今までの人生の中でも1番と言えるほど輝き恋に落ちた恋する乙女
ここまで読んで下さりありがとうございます!!
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※六男氷鉋政臣を書き忘れていたため追加
長男 氷鉋義昭
次男 氷鉋晴貞
三男 播磨顕信
四男 宮本正宗
五男 菅原善吉
六男 氷鉋政臣
長女 土屋櫻子 つちや さくらこ
次女 羽衣雲雀 はごろも ひばり
三女 不知火衣 しらぬい ころも
四女 小雨結衣 こさめ ゆい