超・日常5
連続更新5日目!
やっぱり書くのは大変ね〜
「は?」
何を言っているのか分からない
いや、言わんとしている事は分かる。
陽太郎が常々言っていた古風な口調の矯正の頼み。
それは気が向いたらで良いと思っていた、思っていたのだが
「すまぬがもう一度言ってくれぬか?」
「『お前の姉ちゃんジジイみたいな話し方するよな』って言われたから……口調、変えて欲しい」
少々遅かったらしい。
「ジ!……いや、待て!イジメられている訳ではなかろうな?!!」
「違う!それは無い!ただ婆ちゃんは俺に良く構ってくれるだろ?それは嬉しいんだけど他の奴らとは少し違うみたいでさ……何かこう……やっぱ違うんだよ。
家族の話になると妹と喧嘩しただの兄がイジメてくるだの姉がウザイだのって話になるんだけど俺だけ甘やかされてる話しかなくて……その」
言い辛そうにもじもじとしている。
良く考えれば陽太郎達の年代は身内と仲が良いと言う話よりも仲が悪いと愚痴を言い合う方が比較的多い年代。
いずれはしなければいけないと思っていた妾の子離れがもう来てしまったようだ。
「いじられる事が多くて少し恥ずかしいんだよ。
しかもさ『何か妙に古風な話し方するよな?』とか『あんな姉ちゃん欲しいな〜』って言ってたりするんだけど婆ちゃんが婆ちゃんって知ってる身内からするとそのかなり複雑で」
そ、そうじゃったぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ?!?!
陽太郎の知り合い達には仕事が大変な親に代わって親の代わりをしている身内のお姉さんと言っているんじゃったぁ!!!!!!
子離れとか以前の問題じゃった!!
「あーーーすまぬな陽太郎。
妾……いや、もうそろそろ私も子離れする時だったわ。
結衣と政臣の時は上の子達もいたから子離れは早く出来た。独り立ちして1日中だれかを構う事が少なくなったから無意識の内にこの家に住んでいる葛葉と陽太郎に入れ込んでいたのね。
結衣や政臣はとっくに子離れ出来ているのにお婆ちゃんの私が子離れ……じゃないわ、孫離れ出来ていないのはカッコ悪いものね」
「ごめん、婆ちゃん」
「気にしては駄目よ?
これは寧ろ必要以上に入れ込んでた私が悪いんじゃからの……「「あ」」
家族の末っ子である陽太郎の為にも口調を意識して直していたがボロが出てしまった。
「「…………ぷっ」」
「はは婆ちゃんボロ出てんじゃん!!」
「仕方ないじゃない、今から古風な口調を直そうと頑張っているのよ?
長い長〜い間生きて来た事によって染みついた癖なのよ?簡単に直せたら苦労はしないわ」
「無理はしなくて良いよ?口調直して欲しいってのも俺の我儘なだれだからさ」
「何を言っているの!可愛い孫が過ごしやすい生活、楽しい生活を送る為にも私は頑張らなきゃいけないでしょ?
何たって私は皆のお母さんでありお婆ちゃんですからね!」
「お、おう。気合い入ってんな」
「当たり前じゃない!やる気出て来て興奮しているのよ!気合いも入るってものです!
ふふふ、陽太郎に少し迷惑を掛けたみたいだからね、今日は特別にステーキを食べに行きましょう!」
「「マジ?!?!」」
「「あ、葛葉」」
「お婆ちゃん今日ステーキって本当?!」
「おかえり葛葉、そうよ今日はステーキを食べに行く事にしたの。陽太郎に迷惑を掛けてしまったみたいだからね。
ごめんなさいの意味も込めてのステーキよ」
「やったぁあ!」
普段はもの凄くテンションの低い葛葉が飛び跳ねるように喜んでいる。
あまり見ない光景に唖然としてしまう。
「姉ちゃんスポーツやってるだけあってステーキに対する欲求は男の俺以上だもん
去年は大会帰りに部全体で安い肉の食べ放題に行ったらしいんだけどみんなが箸を止めて肉を食べててたし、アイスや綿飴とかも淡々と食べてたみたいだから」
「わら……私の料理あまり美味しくないのかしら」
「気にしない方がいいよ婆ちゃん。
姉ちゃんは食に対する欲求、特に肉に対して節操ないほど忠実なだけだよ」
「……………………まさかと思うが2ヶ月前わらじゃなかった。私にお小遣いをせがんだのも食の為?」
「多分ね」
あ、と陽太郎は疑問が思い浮かんだ。
「婆ちゃんちなみにどけだけ小遣いあげたの?」
「ん?10万よ。
それがどうしました……か。陽太郎どうしたの頭抱えて」
「どうしたものこうしたよ内容婆ちゃん前に俺ばっかり構い過ぎちゃうって言ってじゃ?
全然そんな事ないから!!!!!飯行くのにポンと10万渡すのは鬼甘やかしだから!!
それ全て置いておいて10万貰ったの黙ってやがったな馬鹿姉貴ぃぃぃぃい!!バレたらお母さんにアホほど怒られるだろうがぁぁあ!!」
「あ、お母さんと食べに行ったから怒られないよ」
「うっそじゃん」
飛びかかろうとしていたが葛葉の一言により陽太郎は床に沈んだ。
「あ、あー……今度温泉連れて行ってあげるから行きましょう?」
「「それは却下!」」
「ええぇえ?!?!」
幾ら身内とはいえ未だに赤ちゃん扱いして「風呂に入れてやろうか?」と真顔で聞いてくる狐雪との温泉旅行は青少年への教育に悪いのである。
巨神兵の勢いで空気を薙ぎ払われた氷鉋狐雪
実は未だに葛葉や陽太郎の事を赤ちゃんと認識してしまい風呂に入れようとしてしまう。
言ってはいないが思春期の2人から僅かばかりのヘイトを買っている祖母である。
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