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超・夏休み6

初投稿16日目!

一日遅れて本編!


妾は今座布団に座っている。

対面には天羽組現組長の天羽剛一(あもうこういち)と凛花の祖父である天羽慎市(あもうしんいち)が鎮座していた。


妾の隣には一緒に事情を説明する為にいる凛花。

その後ろには比較的田中達に襲われても傷が殆ど無かった護衛達がいる。


「お父さん、お祖父ちゃん。今日化け物……というか変な力を持った人間に襲われたよ。

 良く喋ってた人は田中とかって名乗ってたけど知り合いじゃないよね?」


「……知り合いかどうかを聞かれても顔が分からなければ答えようがない」


「顔は優しめ、真面目そうなサラリーマンって見た目だった。後少しだけデコが広め」


「顔が優しくて真面目そう」


「サラリーマンで額が広いと?」


「「ふむ……………………」」


癖なのか2人とも右手を左腕の肘関節に挟め手首に顎を乗せながら呻いている。

長く生きていれば知り合いも自ずと増えるがその分覚えなければ行けない。

若い頃ならば良いが歳を重ねれば顔と名前が結びつかなかったり、そもそも名前も顔も忘れたりする。


2分ほど考えてから2人は顔を上げた。


「凛花悪いがお父さんは力になれん。

 凛花の言う真面目そうなデコッパチリーマンは俺の知り合いの中にはいないはずだ。俺ぁ組の事と真面目に向き合って来たからな、堅気の知り合いは凛花より少ねぇ

 オヤジは一応組長を引いて時間に余裕が出来て堅気の人達と知り合っててもおかしくはないが────」


「残念ながら儂の記憶の中には凛花ちゃんの言う知り合いはおらん。

 儂もそれなりに歳を重ねて絶対とは言えんくなったがそれっぽい人間は思い出せん。せめて顔写真でも有れば別なんじゃがな」


2人の言葉を聞いて凛花は俯いて肩を震わせてている。


「私も殺されそうになって、獅子良さん達の舎弟も傷ついて探せませんは少し悔しいよっ。

 …………お父さん!あの田中って男は妖怪だとか妖気だとか漫画みたいな事言ってたけどそれも知らない?!」


「…………」


「お父さん!!!」


「凛花……落ち着きなさい」


「でもっ!」


「凛花」


たった一言

名前を呼ぶだけで天羽凛花は気圧されてしまい言葉を紡げなくなる。

組長を退いたとはいえ長い間長を務めていたが故の説得力だった。


天羽慎市は目線を凛花ではなく妾に向けると頭を下げた。

続く様に剛一も頭を下げる。


「「この度は」」


「「我が」」


「娘を」


「孫を」


「「助けてくださりありがとうございます」」


「我が娘は破天荒な所があり部下達を色々な場所に連れて行くきらいがあります。今回襲われた要因にタケノコだがキノコだかを取りに森を通って山へ行こうとしたのが原因でしょう」


「前科は沢山あるからの」


「ッッ?!?!」


今度は肩を震わせるのではなく跳ねさせた。


「我が娘に対して家の秘密を教えていなかったのはこちらの不手際、どう言い繕っても被害が出てしまっては無意味」


「この際じゃ妾もいる。洗いざらい話してしまうのも手じゃぞ。

 話をしている時に妾がいるのといないのとでは話終わった後の反応が違いすぎるだろうからの。時期が来て妾が赴くより余程楽じゃ。

 手間が省けたと思い存分に話しなさい」


妾の言葉を聞くと2人は揃って頭を下げた。


話の流れがよく分かっていない凛花は頭上に?が浮かんでいる。

恐らく凛花が思っている以上に衝撃的な話が出るであろうにその理解力では一度で説明が足りるか少し心配じゃな


「よく聞くのじゃぞ凛花?まず大前提として覚えておけ。

 儂と剛一、そして凛花は純粋な人間ではない」


「ん?!?!」


「出来ればそこで躓いて欲しくないの。

 儂らの先祖は昔とある人外の者と夫婦になった」


「〜〜〜〜〜〜って!待ってお祖父ちゃん!何か妖怪かUMA的な生物が確かに存在したってテレビではやってるけど本当にいるの?!」


「「いる」」


「えぇ……いや、まぁあんな不思議な経験をすれば信じないなんて選択肢はないけど。えぇ……??」


「いきなり言われてびっくりしている最中だろうがなるべく理解してくれ。

 続きを話すぞ?俺達の先祖は今で言う妖怪を夫婦になり子を成した。当時の先祖は女でありながら20を超える盗賊、山賊、武士崩れ達を率いる頭領だった。

 しかしとある時期から盗賊や山賊のような身分ではなく街に住み極道となった、それがこの街だ。

 何故山賊紛いの事をしていた身分で極道とはいえ街に家を構えられたのか?それは単にお相手の妖怪のおかげだ」


「へぇ〜……女の人なのに当時の時点で人を率いてたのは凄いね」


「山賊紛いじゃがの」


「いつの時代も女傑はいるって事だ」


「さて話は妾が引き継ごう。ここから先が多分に関係してくるからの」


「頼みます」


ごほん!


軽く咳をして息を整えてから話し始める。


「簡潔にいうとの?

 貴方達の先祖と夫婦になった男は妾が初めて同じ力を持つ人外……まぁ、これからは妖怪と呼称する。その妖怪と夫婦になり成した息子じゃ」


ここで一度言い切る。


「名を輝耀(きよう)と言う。妾と相手の力をこれと言って継がなかった男だ。これまで何十……百には届いてないな。うん、何十と子供を産んで来たが妾と相手が両方とも妖怪または妖怪の血を引いていても唯一力を継がなかった。

 父親と妾、どちらも妖怪の血を持ち力に恵まれなかった故に別れが辛いと考えていたが寿命だけはしっかりと()の血を引いている」


「うぇ?!子持ち?!」


「今回の夫との間にはひ孫を含めて40人以上子供がいる」


「40?!?!」


「ひ孫を含めてじゃぞ??」


反応が大きいのは話していて嬉しかったりするが今は少し止めて欲しい。


「少し逸れたな。輝耀は寿命の事が分かってから今貴方達が住んでいるこの土地の守り神となった。

 守り神となって少しした時に貴方達の先祖にあった……これが簡単な歴史じゃ。要約してしまっている故分からない事があれば言え。

 答える準備はある」


意外と早く意を決した様子で凛花が妾と目を合わせた。


「随分お若いようですがケアとかしてるんでしょうか?!」


「うむ、歴史を聞けな?」




子孫が猪突猛進になる傾向がある氷鉋狐雪

ヤクザにも伝手作っている。20年ほど前に剛一と公園で話しているとヤクザに脅されていると心優しい旅行客に通報され警察の世話になった経験もある妖怪様










ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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