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超・夏休み5

初投稿14日目!


倒れていた部下達の治療が不完全だった為に妾が自分の足で歩ける程度まで回復させた。

そして天羽組の組長の娘である天羽凛花を助けた妾は天羽組の屋敷へと自己紹介をしながら案内されている。


「…………中々平和そうな街ね」


「?何か口調が」


「ん?あぁ気にしないで、孫に古臭い喋り方は止めてと頼まれたからなるべく丁寧に話してるだけよ。 まぁ、孫と知り合いでも無い貴女達相手なら口調を取り繕う必要もないんだけどね?」


にこりと微笑むと天羽の娘と護衛達は惚けた顔をしていた。


「どうしたの?そんな顔をして?」


「いや、今孫って……だってどう考えても私と同じか……少し上」


驚きすぎたのか天羽凛花は上手く言葉を紡げないでいた。

氷鉋狐雪の見た目はぱっと見高校3年生〜大学2年辺りの年齢にしか見えないのだ。

この見た目と古風な話し方が陽太郎の友達からの弄りが増える原因となり狐雪への陳情となっていた。


「彼奴らが言っていた異能……を、宿した存在は世の中に隠れている。想像よりも沢山だ」


「1億くらい?」


「そこまで多くない。絶対に」


何か寝惚けた解答がされた気がするがそんな事はないはずだ、うん、そんな事はない。


「気付いていないか異能を行使出来るほど奴らの言う妖気が無いから使えていない。そんな状態の人間は割といる。

 本来奴らの言う異能とは妾達の様な人の道から外れた存在だけ使う事を許された神の御業じゃ。そして大抵の人外は人外であるが故に寿命も人の枠組には収まらないものよ。

 個人差はあるが大体400年は生きる。じゃがそれらは力を分け与えられた存在……さて簡単な問題じゃ!力を分け与えられた存在がいるのなら大元は存在する?しない?どちらじゃ」


「話の流れからしているのでしょう?」


「そう!居る!其奴らは揃って太古の昔、神代の時代より前から生きている。言語すら確立されていない遥か昔から死ぬ事無く生き続けているのじゃ!

 人を見守り、側にいるだけの敬われる存在。時に神と呼ばれ奉られる……それが妾達。寿命なぞ無い!老いる事のない肉体、精神!それらを持っていれば時に夫婦となり体を重ね子を作るはそれなりにある。

 どれだけの人間の関係を持ったかは余り言えんが歴史の教科書に出てくる人間の何人かとは夫婦になってひ孫が生まれるまで一緒にいたな」


余りにも多い情報量に天羽凛花とその護衛達は理解が追いつかないのか険しい表情をしていた。

わざと矢継ぎ早に喋った為理解が遅れるのはしょうがないと思っている。


「はっはっはっ!!子供達の悩む姿は愛いものじゃな!」


「もう!意地悪です!!」


「いや〜軽く驚かせようとわざと無駄な情報を混ぜて話した甲斐はあったの!」


「「「「「なっ!わざと?!」」」」」


「何故孫がいるのか?という問いには妾は田中とやらが定義した妖怪であり寿命がもの凄く長く、見た目が若いから……3行程度の文章で解決じゃよ」


「えぇ……」


「やはり悪戯は楽しいの」


お巫山戯を交えた会話を交わしながら歩いていた狐雪達は街中には不釣り合いなほど大きい日本家屋の前に着いた。

家の中から微かに妖気を感じる。


やはり()()()()()()()


「氷鉋狐雪様この度は本当にありがとうございました」


天羽凛花と部下達が一斉に頭を下げた


「やめよ。それより先ずは中に入り怪我をしていた部下の治療じゃ。ある程度まで妾が治したとは言えまだ完全ではない!

 それに礼の言葉は今はまだ早い」


「失礼しました。氷鉋狐雪様どうぞ着いて来て下さい」


天羽凛花が扇動し屋敷の中に入ると声を張り上げた。


「皆!今帰ったわ!!悪いけど直ぐ治療の準備をして!襲撃にあったの!連絡を手段を断たれてたから襲撃に遭ったから時間が経っちゃってる!血が少ないから直ぐ病院への手配をして!早く!」


時間が経っても帰って来なかったお嬢に心配していた組員達は突然のお嬢の帰宅からの命令にかなり動揺していたが動き出し自体は悪くなく、狐雪が到着していた時に倒れていた組員達は他の組員に連れて行かれて消えた。


「お嬢どこに行くんで?!色々言いたい事があります!まず!その横の人は?どこの組のもんで?」


「…………雅貴(まさたか)この方は私の、私達の命の恩人なの!そんな目で睨むのは許さないわ。

 それに今はお父さんに話をしなきゃ行けないの。止めても無駄、取り敢えず話は後!!」


どたどたと音を立てながら妾達は天羽凛花に着いて行く。

まるで教育係的な態度を取っている雅貴という人間から僅かばかりだが苦労人の気配がしたが慰めてやる気もない為無視を決め込む。

態度が顔に出ていたのか何とも言えない顔で見られた。


バン!!!


明らかに過剰な力で襖を開けた天羽凛花は部屋の中にいた男に向かって声を上げる。


「帰りが遅くなってごめんなさい!!!それとお父さん時間が時間だけど話があるわ!!」


何か雑……導入が雑じゃ


「はぁ……何度も言うが落ち着いた行動しろと俺はアレほど─────」


「説教は後!今緊急事態だから説教は後!!」


2回言ったのぉ

大事な事なのか2回言ったのぉ


それに組長セリフ遮られて微妙な顔をしておる。

どのように天羽凛花が生きて来たかこの数瞬で完全に理解した。




苦労人を目にした氷鉋狐雪

無駄な事を話す事が好きだが無駄を離されるのは嫌いな面倒くさい妖怪様なのだ






ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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