表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/86

超・夏休み2

初投稿11日目!


8月5日


()は峰墓に葛葉と陽太郎の世話を頼み県外に出ていた。

時間は午前10時。

夏という事もあり絶対に暑いはずであり、同時に明るくなければおかしい時間帯なのだが

おかしい


「薄ら寒い」


まるで人間にとって冬がまだ残っているかのような冷気を肌で感じている。

妾が氷に対する絶対的な耐性を持っていた事で大事にはなっていないがもし持っていなければ全身が凍りついていた事たろう。


「たった200年」


人間にとっては幾つも世代を交代するには十分な時間。しかし永遠を生きる妾にとっては短い時間。


「それだけで妾を忘れるか……それとも妾を知らぬ不埒者か!!!!」


声を上げると同時に力を解放すれば辺りに漂っていた冷気が霧散し妾自身の力である冷気が辺りに一体を支配した。


「この程度で支配権さえ奪われる始末…………」


空間を支配した事によって上昇した空間把握能力により不埒者の大体の位置が分かる。


「そこか」




今行くぞ




─────────────────




「田中さんホントに大丈夫なのかよ」


「あぁ、私のこの異能は今日みたいな追い込み漁をする時に最適だからな。

 冷気による身体能力の低下、行動制限に何より土地の支配権!私みたいな異能を持つ者がいなければ広げられる範囲全てを支配出来る。

 土地の支配に成功すれば侵入者の把握やそもそも侵入者を拒む結界にする事も出来る。そして拒む結界にする事が出来るという事はこのように獲物を逃がさない檻にする事が出来るという事!!」


男達の目の前には血塗れの男が複数人転がっていた。

辛うじて息をしているのが窺えるがいつ死んでもおかしくない状況だった。

そしてその向こうに1人の女性を守るように何人もの男女が背に庇っている。


「良い加減諦めたらどうです?この状況で私に勝てると思いですか?」


田中と呼ばれた男は呆れて息を吐いた。


「チッ化け物めっ!!!」


「何故お嬢を狙う!!」


「何が目的じゃワレェ!!!」


「くっ……はははははははははははは!!

 こ、これは傑作だ!はっはっはっはっはっはっ!!ひー……っ!」


突如田中は大声を上げ腹を抱えて笑い出した。

その様子にお嬢と呼ばれる少女と護衛達は困惑し同時に恐怖を覚える。

自分達を追い詰めている敵が心底面白そうにしていれば自然と不安が付き纏う。


「何がおかしい」


「ぷっ……!また!」


「答えろ!!」


「ひーーっ……仕方ありませんそこまで言うのであれば教えて差し上げましょう」


田中は目尻を拭い背筋を正す。

その「私が正義です」とでも言わんばかりの態度は護衛達に苛立ちを与え。


「先ほど私が見せた異能のように、この世には人ならざる力が存在している事は理解していますね?」


「目の前で見せつけられればな!」


「落ち着け狗堂(くどう)


「でも獅子良(ししら)さん!」


「話が進まん。暴れるならもう少し待て」


「っ!…………狗堂、了解」


「飼い犬の躾ぐらいするものですよ?」


すると獅子良が殺意の籠った目で田中を睨むがそれを嬉しそうに微笑みながら話を続けた。


「この世には私が披露した異能みたいに超常の力、それらを扱う存在がいる。

 私の目標は簡単!世間には確かにいると認識されながらも存在が確認出来ない超常の者達の力を我が物とし貴女達のような敵対組織を全て滅ぼし!日本を裏から操る事です!」


「幼稚だな」


「世界征服とか言いそうですよ獅子良さん」


「世界征服……それも良いですが私が生きている間には無理でしょうねぇ。それでも計画が成功すれば次世代達が世界を征服するのも無理ではない」


自信に満ち溢れた田中を見て周りにいる田中の仲間も勢いが増していく。


「あ、言い忘れてしまいました。()()()()()()()ではない生まれながらに異能を持つ存在の事を日本の歴史、神話等を参考こう名付けました。妖怪…………と」


田中は笑みを深くして話を続けた。


「何故私がお前達を追い詰めたか?何故私が妖怪を追っているのに目の前には人間がいるのか!疑問には思わないのか?思う訳がないだろうな!!!」


狗堂や獅子良、その他の人達に"お嬢"と呼ばれる少女に指を向ける。


「え」


「君からは妖怪の気配、妖気を感じる」


「「…………っ」」


「妖怪、妖気?えっ?……」


「ふむ、どうやら護衛達は事情を知っているようですね。

 どうやら事情を知らないのは貴女だけのようだ」


「ねぇ、狗堂!獅子良!答えなさい!!あの男は何を言っているの!!」


「「…………」」


「狗堂!」


「……」


「獅子良ぁ!」


「…………お嬢、生きて帰ったら組長と一緒に話をしましょう、安心して下さい私達は貴女を絶対に裏切っていない」


「信じていいんですね獅子良」


「はい」


「…………はぁまるで安いドラマを見ている気分です」


「安くて結構!」


「まぁ……良いでしょう。護衛達には興味がない。興味があるのはそこの女だけです」


若干口が悪くなる田中

生来口調自体は丁寧だが性根が悪い為興奮して来ると口調に乱れが生じる。


「新人共は遅れをとったが俺達はお嬢に護衛が付いた初期からいる精鋭だ!!

 死ぬ気でお嬢を守るぞてめぇら!!!!」


「「「おう!!!!」」」


狗堂は袖に下に隠されていた大振りのナイフを獅子良は恵まれた体格から放たれる大砲の如きパンチを更に強くするメリケンサック、狗堂の横にいた護衛は太ももに備えられていた短剣を両手に、女の護衛は三節棍を構えた。


「転がっている部下は殺していない、そこから温情が汲み取れないとは…………やはり異能を理解出来ないお前らは下等だ!!!」


田中が冷気を身に纏い仲間の男達と吶喊しようとしたその時圧倒的な力が吹き荒れ


パキンッッ


土地の支配が壊れる音がした。


(っっっっ!!!不味い!決着を急がなければ!)


「ひっ!」


「「「「うおぉぉぉぉーー!!!」」」」


「っ!死になさい!!」





「見つけたぞ不埒者共」




珍しく不機嫌な氷鉋狐雪

昔はとんでもねぇ偉い神と持て囃された時期もあった為そこら辺のプライドは少し高い妖怪様





ここまで読んで下さりありがとうございます!

面白いと思った方はブクマ、評価をお願いします!

ブクマ、評価があると嬉しくて筋トレをしてしまいます!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ