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超・夏休み1

初投稿10日目!


8月3日


家族一同会する桜花の命日も過ぎ家にはいつも通り私と使用人達、葛葉と陽太郎だけとなった。

いつもは元気な陽太郎は夏休みの宿題と睨み合いになり静かになり、反対に葛葉は分からない問題に「うがーー!」と唸りあげている。


普段とは違う2人の姿に和やかな気持ちになりつつ休憩用のオヤツとジュースを用意して持って行った。

使用人がいるのに何故私がそんな事をするのか?問われれば迷いなく孫だからと言える。


「2人とも夏休みの宿題は順調ですか?」


「若干意地悪な問題が数学に合ってねーそれが解けなくて苛立ってる」


「答え自体は配られてるんだからそれ見ればいいじゃん」


「答え見ちゃ意味ないじゃん!」


「どんな答えか理解して解くのも手段の1つだと思うんだけど?」


「自力で解かないと意味ないって!!」


「解けてないじゃん」


「よーし地味に痛〜く殴る!!!」


「殴るのは地味じゃなべっっ?!?!危ねーーな馬鹿姉貴!!」


「ふふふ、元気なのは良い事だけど喧嘩は駄目ですよ?それと喧嘩を理由に勉強から逃げようとした事は少しお婆ちゃん怒ります」


そっとおやつとジュースを下げようとお盆の上に戻し始めると慌てて2人は離れた。


「「ご、ごめんなさい」」


「宜しい!」


婆ちゃん口調変わってキャラも少し変わったな……

2人はそう思った。


「2人ともお昼ご飯はどうしますか?」


「「んーー……」」


朝食が終わって8時から2時間休まず勉強していた2人は問われた朝食の是非に唸りながら思案する。

目の前にあるジュースに和菓子が陽太郎にとっては多少腹が貯まる程度、しかし葛葉にとっては一分にも満たない量でしかない。

腹事情が異なる2人が出した答えは当然別々だった。


「俺は少し暑いし、食欲ないから素麺」


「私はステーキ」


「え?」


「何?」


「……」


陽太郎は黙ってスマホを使い現在の気温を確かめるとそこには34度と映っていた。

姉の顔を見る、再度スマホの画面を見る、再度姉の顔を見る。


「…………この気温でステーキは流石にねーよ」


「沢山食べないと身長伸びないよ?」


陽太郎167㎝

葛葉174㎝

悲しき現実。

しかし陽太郎は何も悪くない、同世代と比べたら寧ろ陽太郎は大きい方にいる。

良く良く食べ、良く運動し、良く良く良く食べて栄養が身長に行く葛葉が凄いだけなのだ。

女の子に身長で負けている現実は思春期の中学生にとってそれなりの屈辱を味合わせ、敗北を刻んだ。


「チッ!!!!!!!!」


「行儀が悪いですよ陽太郎!陽太郎はまだ14歳!これから伸びる時期ですからしっかり食べれば追い抜けますよ!!」


「…………」


陽太郎は私の頭から爪先までを見た。


氷鉋狐雪176㎝

遺伝子的に説得力はあった。


「だけど夏バテしてる時にステーキは腹に入らねーよ…………せめて落ち着いた料理にしてくれないと腹に入らないって」


「ステーキそんなに重い?」


「油凄いが?!?!?!??!」


葛葉の鉄の胃袋に慄く陽太郎自身を落ち着かせるように私が持って来たジュースを一口飲んだ。


「姉ちゃんステーキは良いとして気温が多少落ち着く夜にしてくれ昼は流石に見てるだけで胃もたれする」


「はぁ……分かったよ」


「昼は陽太郎が食べたいものを食べましょうか。夕飯はステーキを食べたい葛葉の為に出掛けますよ。結衣にはステーキが食べたい葛葉にお金を渡し過ぎて怒られましたからそれを回避する為に私が直接払います」


使ったお金の量は変わらないから結局……と思ったが2人は黙った。


「ありがとうお婆ちゃん」


「姉ちゃん外では婆ちゃんの事婆ちゃんって言うなよ?姉ちゃんって言え」


「何で姉?」


「俺の知り合いには俺の知り合いの姉って説明してるからお婆ちゃん呼びはどう考えてもおかしいじゃん」


「まぁ確かに」


葛葉は同意すると和菓子を口に放り込んだ。


「孫達に姉と呼ばれるのはやはり何か」


「嫌?」


「嫌じゃない。寧ろ何かこう……クる物がありますね」


「「」」


何か駄目な方向に目覚めてない?

そう思っても姉のような存在とも慕っている祖母の性癖事情なんぞ理解したくないので思考を放棄するしかない。


「まぁ姉呼びするのもされるのも葛葉卒業一旦終わりですから」


「そのさ、俺らに言えない事情っていつ頃言えるの?やっぱ成人してから?」


「そうですね。子供達が全員成人した時にも事情を伝えたましたから陽太郎が成人する時に伝える予定です」


「それが前後する時はある」


「これから次第ですがあります」


「そっか、手伝える内容だったら存分に言ってくれよ、婆ちゃんが思ってるより俺体鍛えてるし」


「私も」


「ふふふ、孫達が頼もしすぎてお婆ちゃん嬉しいですっ!」


私を喜ばせてくれる言葉に軽くドキドキしながら微笑む。


「さて、私は部屋で小説でも読んでいるから何か用事があったら声掛けてね。

 宿題の手伝いなら峰墓達に、もし早めにご飯が食べたいなら私に話し掛ける事……分かった?」


「「は〜い」」


「宜しい、では部屋に戻ります」





口調の方向性が決まり掛けている氷鉋狐雪

孫達の頼もしい発言に嬉しくて内心舞い上がっているお婆ちゃんである









ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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怪我治り出したのだわ

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