旅立ちの朝
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その日の夜、私は早めに夕食を済ませて部屋へと戻った。
すぐにノックがあり、執事が一人入って来る。明日の予定について細かい内容を聞くと、執事はそのまま出て行った。
「さて、明日は早いしもう寝ましょうか」
セイラにももう寝るように言う。
アランとは夕食の前に別れているから、今頃寝る準備をしているだろう。
私は誰もいなくなった部屋に立ち、ふと窓の向こうを見た。
明日は、いいや、これからずっと、この景色が見えない場所へ行くことになる。そこが住居で、城で、我が家になるのだ。
今いるこの場所はクリスティア宮殿で、私の育った家ではないものの、感傷的になってしまう。
ここから見えるすべての景色を目に焼き付けようとした。
見開かれた眩い黄金の瞳で、空高く昇る淡い純金の月を見つめる。
「…………」
さて、寝よう。
ふかふかのベッドに行儀よく横になると私は目を閉じた。
そして、眠りについた。
□■□■□
朝。六時間以上は眠れただろうか。いつもより短い睡眠時間とはいえ、芯から眠れた気がする。
おかげで体は軽く、馬車で酔うこともなさそうだ。
最上級の馬で最速で行くとはいえ、オーランド帝国へ着くのは夜になるだろうから、道中に眠ることもできそうだ。
少しするとノックがかかる。起こしに来たメイドだろう。私は返事をして、入るように言う。
メイド二人が私の身支度をしてくれる。オーランド帝国の王女に相応しい髪型と服装であった。
そのまま食堂へ向かう。
相変わらず無駄に広い場所だ。いくつものシャンデリアが煌びやかに飾られ、よく分からない謎の絵が描かれた絵画が壁に掛かっている。
「おはよう」
向かいの席にヴィルヘイム王子が座っていた。
すでに来て、ステーキを食べていたようだ。
「おはようございます、ヴィルヘイム王子…………その、朝からステーキというのは、少々胃に重くありませんか?」
黙々と食べ続けているが、ステーキの量は随分とある。私なら、半分も食べ切れるかどうかだ。しかし当の本人はそうでもないらしく、当たり前のような顔で返す。
「重くはない。これくらいでちょうど良い」
軍人というのは皆こうなのだろうか? それともヴィルヘイム王子だけだろうか。どうやらとっても大食いらしい。
苦笑いを隠しながら、私も席に座る。すぐにメイドが朝食を持って来てくれた。少し後ろに、コックたちが並ぶ。
体を温めたくて、まずはスープを口に含んだ。
「美味しい」
思わずそういうと、後ろのコックの一人が嬉しそうな顔をした。彼が作ったのだろう。
「アグリア姫は、前から五番目の馬車だが、俺はその前の四番目の馬車に乗る。何かあれば、いつでも叫んでくれ」
ヴィルヘイム王子がそう言った。
見れば、ステーキは先ほどの半分にまで減っている。大食いなだけでなく、食事のスピードも速いようだ。
「えぇ。分かりました。そちらも何かあれば、遠慮なく言ってください。異能を持つ者として、戦いが必要となれば前線へ出ましょう」
オーランド帝国とアストレア王国が交流を深めることを嫌う人も多いだろう。
そうでなくとも、竜が出るかもしれない。あるいは、盗賊か。
「ああ。頼む」
その後は特に何も話さず、食事を終えた。
私たちは食堂を出ると、「また後で」と言ってそれぞれ部屋へ戻り準備を始める。
「さて、始めましょう」
メイドがやって来て、私の髪と服装を正装へと変化させていった。
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