パーティは不穏か否か08
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それからは、二人の話になった。
「アランもセイラも、オーランド帝国へ行っても元気でな」
オーランド帝国へ私の従者ポジションで付いていけるのはこの二人だけだ。
本当ならばもっと連れて行けるし、言えばある程度は許可してくれるのだろうけれど、私はそうしなかった。
あちらにも優秀な人材はいるはずだし、私のことを薔薇姫と呼んでくる人間など連れて行っても仕方ない。むしろ、揉め事のタネになるだけのこと。
「「はい、ガラティス様」」
珍しく二人が声をそろえて返事した。
セイラは雇い主である私のお父様の前で緊張してしまっている。とはいえ、オーランド帝国へ着いたらセイラの雇い主は私になる。契約更新というやつだ。その方が何かしら行動しやすいだろうとのことで、契約書を書き直したのだ。
ついでに言えば、オーランド帝国への移住によって、さらにもしかしたら生涯そこで暮らすかもしれないことを考慮して、給料は倍以上になった。
『そんな、恐れ多い……』
と最初セイラは給料の高さに驚いていたが、これは危険に巻き込んでしまう可能性も含んだ金額なのだ。むしろ、足りないくらい。
アランはというと、元々暗殺者なので給料が高い。なので、そこまでの変化はない。
ローレン家に生まれるということは、生涯を主人と共に過ごし、命を賭けるということなのだ。可哀相にも思えるが、どういうわけかローレン家に生まれたものは善であれ悪であれ暗殺のセンスがある。ある意味、普通の暮らしは難しいかもしれない。
まあ、当の本人も、
『オーランド帝国へは何があっても着いて行く』
と言って譲らなかったし、これで良いのだろう。
「セイラは困りごとはない?」
お母様がセイラを心配してそう聞いた。
セイラには、家族がいない。オーランド帝国へ向かえるのも、万が一戦争になった際にアストレア王国に心残りが少ないからだ。他には、家族を人質に取られることがないのも理由だ。
幼い頃に竜による被害で両親を失っているセイラは、数年前、闇市場にて売られそうになっていたところから逃げ出した。違法な人身売買とはいつの時代も消えないものだ。
そして大通りを目指して走ったセイラは、ある馬車にぶつかりそうになる。
そう、その馬車に乗っていた貴族が私だったのだ。
家に連れ帰ると、お母様は聖母のような笑顔で彼女を迎え入れた。それ以来、まるで娘のように接しているのだ。
セイラは当初こそ戸惑っていた。でも、今では恥ずかしそうだけれど嬉しそうでもある。
「はい。オーランド帝国へ行くことは滅多にない機会ですので、色々と学びたく思っています」
「そう。怪我や病気に気をつけてね」
「ありがとうございます、カナリア様」
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