パーティは不穏か否か03
ぜひ最後まで読んでください!
そろそろ長編小説らしい長さになってきましたねぇ。
「そういえば、ロックフォード商会は近々国王直々に表彰されると聞きましたわ」
先月くらいに、アランが言っていた気がする。
商売のため品を運ぶ道中に竜に出くわしたが、死者を出すことなく撃退したからだ。
もともとその地域では竜に悩まされていたらしく、その結果商人が通らなくなって通行人相手の商売が出来なくなり、住人は困っていたらしい。
経済と共に住民まで救ったのだから、普段の功績と含めて、表彰は当然だろう。
ちなみに、毎年十二月には必ず表彰が行われる。
他のことはその時次第だが、この十二月だけは欠かせないのだ。
ここで表彰された貴族は、次の年は安泰と思えるほどの地位を得られたと言っても良い。
そのくらい、簡単に取れる勲章ではないのだ。それを毎年賜っているのが三大貴族である。
レーランド家は政治的な場面での活躍を。
ラザフォード家は最も困難な地域で竜を討伐する功績を。
ロックフォード家は国内外での経済発展への貢献を。
それぞれが別方面での活躍をすることで、三大貴族が互いをライバル視して周りの貴族を巻き込むことのないようにしている。さりげない気遣いだ。
「はい。嬉しいことに、表彰が決まっております」
ちなみに、レーランド家も今度表彰されるそうだ。恐らくロックフォード家と同じタイミングだろう。表彰の内容としては、先日の一件で荒れてしまった街を直すため莫大な金を返済不要で寄付したからだという。
お父様はやることが大胆である。
「残念ながら式典には立ち会えませんので、先に祝わせていただきます」
「ありがとうございます」
さて、今の時刻は何時だろうか。
午後はお父様とお母様に、国を出る前の最後の挨拶を済ませようと思っているのだが。
オーランド帝国での結婚式が終わればそのまま宮殿へ行ってしまうだろうから、もう挨拶のタイミングがないと思うのだけれど。
「アグリア嬢」
会話に混ざってきたのは、バリス・ラザフォード・ベル。青っぽい金髪を揺らしながら、祝福を言葉にする。
「この度はご結婚、おめでとうございます」
三大貴族という立場ゆえ、一応声をかけた、といったところだろうか。
見事なまでに真顔だ。というか、バリス殿が笑っているのを見たことがない気がする。
「ありがとうございます、バリス殿」
「ヴィルヘイム王子、ご結婚おめでとうございます。アストレア王国とオーランド帝国がより良い関係を築けるよう、願っております」
「ありがとう、バリス殿」
と、その時、後ろからアランが珍しく礼儀正しくして近づいてきた。
「失礼致します、アグリア様。ガラティス様との面会のお時間です」
「分かったわ……では、これからお父様とお母様に会いますので、失礼いたします。お話が終わった後、まだパーティをやっておりましたら再度参加させていただきますわ」
私はそう言うと軽くお辞儀をしてその場を去った。
ヴィルヘイム王子もワインを取りに、ラムロスを連れてその場を離れる。
正直、ナイスタイミングと思った。
バリス殿は少し苦手なのだ。
なんというか、彼は父のようになりたいという思いが強すぎる気がする。
不要なプライドと執着を持って戦場へ出れば、いつか、竜退治で大怪我を負うのではないだろうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
面白いと思っていただけたら嬉しいです!
感想等お待ちしています。
他作品もぜひ!
六波羅朱雀をどうぞよろしくお願いします!




