表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/226

噛み合わない二人

ぜひ最後まで読んでください!


いやぁ、最近暑いですよね〜。

この物語は今は秋らへんなので、だんだん寒くなっていくんですけどねぇ……笑。


「何を言っているの? アラン」


「お前こそ文字が読めなくなったのか? セイラ」


「どういうこと……?」


 本の題名が噛み合わないセイラとアランが言い合って、その真横で私が頭を抱えるという、側から見たら謎な光景になってしまった。


「えっと…二人とも正しいんだと思う」


 とりあえずそう言った。


「はい?」


「アグリアまでおかしくなったのか?」


 二人からの視線が痛い。

 とりあえずワケを説明する。


「私、昨日もセイラに本の題名を聞いたでしょう?」


「はい、ですが、あれは確か、植物の育て方、だったはずでは?」


 確かにそうだ。

 昨日と今日で本の題名が違うし、セイラとアラン二人で見えているものが違うのはなぜだろう。

 それにセイラが植物の育て方、美味しい料理の作り方、だったのに対してアランは正しい剣の使い方と答えた。

 どことなく二人の趣味に合った答えだ。


「というか、この図書館って本を整理しているはずでしょう? 題名がよく変わる本なんてあったら大問題なんじゃ……」


 三ヶ月に一度、本が全て揃っているかどうかを確認する大規模な片付けが行われているはずだ。

 題名が変わる本があったら、その度に問題になる。


「セイラ、司書を読んできてくれる?」


 宮殿の司書というだけあって、この図書館で雇われている人は本の題名全てを記憶している者もいる。

 それくらい優秀なのだ。


「分かりました」


 セイラがとりあえず下の階に降りて呼んできてくれる。

 その間に、アランに事情を話す。


「昨日、セイラと一緒にここへ来たの。私の持つ《聖女》の力について知りたくて、宮殿の図書館なら何かあるかもって思ってね。それで見つけたのがこの本なんだけれど、私以外の人には、異能に関する本には見えないみたい」


「なるほどなぁ〜」


 深刻な話だというのに、アランは髪を触りながら聞いている。

 ふざけているようには見えないけれど、異能を持たない人間からすれば、実感のない話なのかもしれない。


「アグリアお嬢様、連れて来ましたよ〜!」


 セイラが司書の女性を連れて戻って来る。

 メガネをかけていて茶色と白のワンピースを見に纏った、いかにも頭の良さそうな女性だ。


「フレイと申します。何か御用でしょうか」


 綺麗なお辞儀をすると、フレイと名乗った司書はそう言った。


「植物の育て方、それから美味しい料理の作り方、正しい剣の使い方、という三冊の本はこの図書館にあるかしら」


「はい、ございます」


 私が質問すると、間髪入れずにすぐに答えてくれた。


「必要でしたら、お持ちいたしますが」


「うーん……今はいらないわ、ありがとう」


「そうでしたか。他にも何か御用でしょうか」


「いいえ、もういいわ」


「では、失礼致します」


 もう一度お辞儀をすると、彼女は下の階に戻って行った。


「アグリアお嬢様、今のは?」


「もしも同じ題名の本があるなら、本を確認するときも紛れ込めると思って。案の定、そうみたいね。この図書館内の本と同じ物になっている」


 となると、あと確認するべきは昨日の続きを見ることか。

 確か、異邦人についてのところで読み終わったはず。


「とりあえず、端へ行きましょう。私が声に出すから、二人も聞いて」


 私たちは部屋の隅へ行くと、私を真ん中にして左右に二人が並ぶ。

 そして、私は続きのページを開くと、本が『正しい形』で見えない二人のために声に出して読み始めた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけたら嬉しいです!

感想等お待ちしています。


他作品もぜひ!

六波羅朱雀をどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ