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70/135

70 後半アリアです

前半少しR15です。

「んっっ、、っっ、、  いったっ、、」


急に頭を押されたものだから私はちょっぴり出していた舌を思い切りかんでしまい、ウィレムを睨み付けた。ところがウィレムは悪びれもせず飄々としている。


「ふん、もたもたするのが悪い。本当に祝う気があるのか?」


「なっ、ありますよっ、 ありますけど、、。でもこれは私には無理そうです。舌も痛かったし。」


悔しくて少し皮肉っぽく言ってみた。もたもたしたのは、、、仕方がないし、、、。


「ふん、見せてみろ。」


「わっ」


ウィレムに がっ、と顎を掴まれた。驚いてのけ反るのを、ウィレムは瞬時に反対の腕を私の腰に回して引き留めた。顔が近い。がっしりと捕らえられて身動きが出来ず、戸惑いながらも言われるままに舌先を少しだけ唇の隙間から覗かせた。濡れた舌は空気に触れてひやりとした。ウィレムに見られていると思うと、自分が卑猥な事をしているみたいでひどく恥ずかしい。つい目を伏せた。


「もっとだ。」


ぐい、と顎を上げられ、目線を無理やり合わせてきた。仕方なくもう少しだけ覗かせるとその途端、ウィレムの口に唇ごと覆われ、吸い上げられた。舌がぬるりと絡まってくる。驚いて引っ込ませると、そのまま一緒に私の方に滑り込んできた。

後ろに押し倒されながら口中を掻き回されると、まごつきながらも自分の身体がウィレムを求めて熱くなっていくのを感じた。




「レイラ、名前を呼べ。」


「ん、、ウィレム、、」


「もっと」


「あっ、、ウィレム、 っ、ウィレム、、」


ウィレムの舌は私の唇をはみ出すようべろりと舐め、頬を通ってそのまま身体中を這っていく。ぞわぞわとくすぐったくて厭らしいこの行為を気持ちいいと感じている自分がいて、こんな自分を認めたくないのにウィレムはお構い無しに剥き出しにしていく。


「レイラ、もっと顔を見せろ。」


「ひゃ、むむむ無理ですっ」


私を見下ろすウィレムがそう言って、顔を隠していた手を無理やり剥ぎ取って押さえ付けた。部屋の中は、明るい訳ではないけれど明かりを灯してあるので表情は見えてしまう。それなのに、、


「無理じゃない。さっき もたついた罰だ。目を開けて俺を見ろ。」


「や、やだっ、無理です、恥ずかしいっ。」


「駄目だ。俺はお前の全てを見たい。」


そういう時のウィレムは本当にずるい。だけど、顔だけはやっぱり見れなかった。

そんな私の耳元で、これも練習が必要だな、と嬉しそうに囁いてきた。




***アリア視点***


エレノアから手紙を受け取った私は、部屋に戻ってもしばらくの間、考えこんでいた。口外禁止の部分や、私の推測の部分が混じっていて、ミアとメリッサにどの程度話していいものか、考えがまとまらなかったのだ。


そうして、私は2人に、エレノアから貰った手紙の内容、それから、理由は詳しく言えないけれどお兄様は失敗するだろうということ、そして心苦しくとも出来れば関わりたくないと思っている事を伝えた。


「それで、アリア様はエレノア様には何と言ったのですか?」


「当然、じっとしていてと命令したわよ。」


メリッサが前のめりに聞いてきて、私はエレノアに言った言葉を伝えた。ところがメリッサは目を見開いた。


「そんな、いい機会ではないですか?アリア様は関わらないとしても、エレノア様には動いてもらいましょうよ。」


「どうして、メリッサ?上手くいかないことは目に見えているのに。それに、私まで誤解されたくないの。私は居場所を失うのが恐いわ。」


「上手くいかないからこそエレノア様に罰を与えることが出来るじゃないですか。アリア様は疑われないように対策を取りましょう。潔白だとと証明できればいいのですよね?」


メリッサは誇らしげに言うけれど、そんなに簡単にいくとは思えない。疑われたらおしまいなのだ。


「メリッサ、今のままでいいと思うわ。」


「ではアリア様は本当に何もしないつもりですか?」


「、、、ええ。そのつもりよ。」


「そんな、、せっかくエミリの仇を打てるのに。アリア様はエミリの事どう思っていましたか?どうして何もしてくれないのですか?」


「メリッサ、、、ごめんなさい。エミリには申し訳ないけれど私は巻き込まれたくはないの。」


「酷いです、、。私はずっとアリア様を信じて待っていたのに、、、。エミリは、アリア様が見捨てたのですよ、お忘れですか?」

「メリッサっ!!」


ミアがメリッサを諌めたけれど、メリッサはいつまでも納得のいかない顔をしていた。


「メリッサ、エミリも貴方も私の侍女だわ。侍女は主を助ける事はあっても、足を引っ張る存在であってはならないの。もし私の言う事が聞けないのならそれまでよ。暫くの間、頭を冷やして考えなさい。それまでは仕えなくて結構よ。」


メリッサが何か仕出かす前にお灸を据えなければ。私はあえて厳しい言葉を使った。少し冷静さを欠いて声を荒げてしまったのは、私がエミリを見捨てたという事実を突きつけられたせいだ。忘れてしまっていた、罠に嵌まったとはいえ、切ったのは私だということを。


メリッサは信じられないという顔をしてから俯いて、消えそうな小さな声で すみませんでした、と言った。私は突っ立ったまま、とぼとぼと部屋を出て行く彼女の後ろ姿を見送った。

そして2人になった部屋で、ミアが私に頭を下げてきた。


「アリア様、すみませんでした。私がもっとしっかりしていれば、、」


「いいえ、ミアは悪くないわ。謝るのは私ね、守る力もないのだから。」


「私は、アリア様にお仕え出来て幸せだと思っています。」


「、、、ありがとう。」


その言葉に救われる。


「それから、あの、、」


「何かしら?」


ミアが戸惑いがちに見てきたので、私は首を傾げた。


「あの、ディラン殿下か、リュムレアムの国王陛下と連絡して、計画を止めさせることは出来ないのでしょうか、、?」


私も何度も考えた事だ。用意周到なお父様を信じつつも、本当に動けない状態の可能性もあるわけで、するとお兄様の計画の失敗は国にまで及ぶ。私がここで生き延びてもリュムレアムが無事でなければ意味がないのだ。でもアリドゥラムの内情を知らせずにお兄様を説得出来るとは思えないし、お父様とは連絡の手段がみつからない。

、、、もしくは、連合国が動き出す前に、陛下が今の状況を他国に説明して下さったら、、、


「何か手がないか考えてみるわ、、、。」



ありがとうございます。

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