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R15です。ウィレム陛下が変態ぽいので苦手な方はご遠慮ください。すみません。

「オーウェンと口付けなどする訳が無いだろう。」


どう反応していいか戸惑っていると、陛下がゆっくりとした口調でもう一度言った。


「そう、、ですよね、、」


火照った顔を手で冷やすけれど、一向に引く気配がない。心臓の音はドクンドクンとうるさいし、身体中が熱くて汗もにじんでいた。


簡単だ、と言う割には濃厚で、でも陛下が当たり前ようにするから必要な事なのかなとも思った。それが、ただ陛下が求めた行為だったのだ。お腹の奥が きゅう、と締め付けられた。


「続きをしよう。レイラ、ここに座りなさい。」


「え、、そこに、ですか?」


グラスを片手に ここ、と陛下が示したのは陛下の膝の間で、それはさすがに密着し過ぎて心臓が持たないと思う。


「レイラ、ここに。」


躊躇していたら、さっきよりも強い口調で言われて、おそるおそる陛下の前にお邪魔した。垂らしていた髪を片側に流され、陛下の吐息が耳や首筋にかかる。紅く染まった汗ばんだ肌を見られているようで恥ずかしい。


「グラスを一緒に持って、魔力を流してごらん。」


「ひぁ、」


耳元で囁いて首筋に唇を押し付けてきた。


「可愛いな。」


「ウィレム陛下、くすぐった、、ひゃん」


すーっと、触れるだけの唇を滑らせた。


「そ、そんな事されては出来ませんっっ」


「ああ、そうだった。一緒に流そう。」


気を取り直して魔力を流すと、最初に陛下の色がグラスの中心から外に向かってゆっくりと広がっていった。蒼が濃くなるにつれて、次第にきらきらと水が光を帯びてオーロラの様に輝きはじめた。綺麗で、本当に綺麗で、、胸の奥から何か熱いものが込み上げてくる。


「綺麗だ。よく混ざっている。」


陛下の低い声が、耳元で響いた。

手の中からグラスが抜かれてテーブルに乗せられた。自分の胸の鼓動がはっきりと伝わってくる。陛下の唇が、さっきと同じように滑っていく。首筋を下から上に、耳の後ろ、それからうなじ。私は動けなくてきゅっと固くなっていた。うなじまで滑ってきた唇は少し開かれて、暖かい吐息が漏れてきた。思わず びくっ、身体が跳ねた。

ちろ、と陛下の舌が首の後ろを舐めて、ひっ、と声が出た。

陛下は無言のまま、今度はべろりと舐めた。

 どうしよう、、、。いつもと何か違う。

陛下の手がじわじわと胸の膨らみに向かって動き初めて、慌ててその手を上から押さえた。すると今度は反対の手がスカートをたくしあげ始めて、さらに慌てて腕を押さえた。


「レイラ、手を離しなさい。」


泣きそう。私も陛下を求めている。だけどこれ以上は本当に無理だ。ジュリの顔が、部屋を整えてくれた女の人達の顔が、頭を掠める。この先に進むのは、私が何かを捨てた時だ。

いやもう、すでに捨ててしまっているのかもしれないけれど、覚悟は出来ていない。

首を、横に振った。


「レイラ、」


再び陛下が呼び掛けてきて、それでも首を横に振った。


「こ、恐いです。、、これ以上は、恐いです。」


声が震えた。

沈黙の後、陛下の手から、ふっ、と力が抜けた。


「恐いか、、、。」


「、、、恐いです。」


「そうか、、、。」


「、、ごめんなさい、、」


「焦り過ぎたな。」


陛下が ぎゅっ、と抱き締めて首に顔を埋めた。大きな溜め息をつかれて びくっ、とした。


「大丈夫だ、しない。しないが、、、お前の足を見たい。出しなさい。」


「あ、足、ですか?」


突然の申し出に唖然とした。


「ああ、来たばかりの時に見せてくれただろう。」


「無理です。」


即答した。陛下に見せた足と言えば内腿を怪我した時の事で、それはかなりスカートを捲る事になる。


「なぜだ?」


「う、、それは恥ずかしいです。」


「俺は出せと言った。」


「え、ええと、、ええと、、、やっぱり無理です。」


「ふん、早く出しなさい。俺は我慢をしている。」


「う、、、」


陛下の声が恐くなってきて、しぶしぶスカートを少し持ち上げた。


「ふん」


陛下はひょいと私を抱き抱えて寝室に向かった。


「きゃ、ウィ、ウィレム陛下っ」


「ただ見るだけだ。」


「ひゃあっっ!」


ごろり、とベッドに転がされてスカートを腿まで捲られた。晒された腿をむんずと鷲掴みにされて悲鳴がでた。


「ここだな。」


以前怪我をしたところ辺りを、顔を近付けて見てくる。


「ウィレム陛下っっ!」


「ウィレムだ。そう呼べ。」


顔をどかそうと必死になるけどびくともしなくて、あわあわと慌てた。


「ひゃあっっ! ウィ、ウィレムっっ! み、見るだけって、、」


あろうことか陛下は内腿に思い切り吸い付いて紅い跡をつけてきた。


「ふん、これぐらいはいいだろう。俺はお前が欲しいのを我慢している。」


「やややっ、待って下さいっ、ひぁっ」


白い肌に次々と紅い点が撒かれていき、満足そうに顔をあげた陛下は今度は唇を重ねてきた。


「むぅっ、ふっ、、、ウィレム、」


陛下が止まらない。私の唇は食べられてしまうのではないかと思った。やっと離れたと思えば首のあちこちに吸い付いてきた。


「うひゃ、、や、や、待って、、」


肩まで剥かれて咄嗟に胸元を押さえた。


「ふん」


くるりとうつ伏せにひっくり返されて背中に覆い被さってきた。髪を払われて露になった肌に口付けがたくさん落ちてきて、くすぐったい。

そしてまた吸い付いてくる。


「ちょ、ちょっ、ウィレム、待ってっ、待ってっ、、、んぁっっ!」


身体中が斑点だらけになった頃、陛下はようやく私を解放し、微笑みながらその斑点を指でなぞった。


「レイラは可愛くて堪らないな。」


私ははぁはぁと、乱れた呼吸を整えていた。


ありがとうございました。

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