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空手青春記  作者: 東武瑛
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稽古がキツイ

昭和54年6月、私は自宅から程近い空手道場に入門した。

同級生から、厳しいけど強い人が多い道場だと聞いていて、私もここで修行すれば必ず強くなれると確信していた。

先生も感じ良い方で私はヤル気満々だった。

しかし、稽古初日、あまりの厳しさにヘタバッテしまった。

当時、私は体育の授業、五段階で五。中学一年生のマラソン大会で学年三位。小学生4年生から6年生までリトルリーグで町内のチームではレギュラーで野球をしていた

少なくともスポーツ少年だった。

しかし、である。

「ここまでやるのか」と思うほど稽古は厳しかった。

基本稽古、移動稽古の終わる一時間で汗は出尽くし、胴着が渇き始める。

それから、約束組手、サンドバッグ蹴り、ミット蹴り、毎日では無いが自由組手が行われる。

中学三年生の私は手加減して頂いたにせよ、全日本大会クラスの大学生の先輩に破目板まで蹴飛ばされ、顔面を叩かれ、蹴られるのである。

 すぐ稽古に行くのがイヤになった。

 でも、あれほど反対していた両親、特に母親は厳しかった。

「あんた、空手の時間でしょ」

と言って渋々、道場に行かされる。

母は中学生から社会人になってもバレーボールを続けていたスポーツウーマンで優し過ぎる反面、「辛抱しなさい」という人だったのだ。

稽古から帰ってきた私は食欲が全くない。飲み物を飲んでばかりいる私に「ごはん食べなさい」という人だった。

 そんな日々が続く中、意外な出来事が起きた。

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