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とある世界の外伝譚  作者: のんのん
旅立ちと川流れ
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それでも僕は負けられない

「ふぅー・・・・わかった。僕が相手になるよ」


「それでこそおのこよ」


なら、僕も全力でいく。聞こえてる?エルピス?


『はい。いつでもあなたのお心のままに』


「いくよ、龍ノ神。僕の本気であなたを満足させよう・・・・ユルトさん、二人を頼みましたよ?」


「えぇ、お任せを」


ユルトさんは頷くと何重にも結界と防御魔法を張り巡らせる。それは万華鏡のように重なり鮮やかなカーテンとなる。


「エルピスアモス、希望の風よ。ここに吹き荒れ僕の道となれ」


『御随意に我が命銘主、偉大なる主の片割れよ』


それは爆発だった。師匠から言われた常時魔力抑制の蓋も、普段はほとんど使っていないスキルも全てを解放した。


「まさか・・・・神剣すら使いこなす?ハハハハハハ!よいな人の子、その胸を借りさせてもらう!」


「この剣は命を斬らない。それは希望だから。この剣は悲しみを生まない。それは涙を拐う風だから」


龍ノ神の周りに出現する雷と炎の巨大な槍。また鱗は輝き、空間が凍る。


「操る魔法に際限はない!この肉体は神剣すら容易くは通さんぞ!」


咆哮とともに飛来する2本1対の槍。それに僕は真っ正面から突撃する。


「因果切断」


2度振った刃は原因と結果を切り離す。原因を斬り伏せると言ってもいい。だから結果は残らない、原因がないのだから結果は存在しない。


「何と、魔法の因果を斬り伏せるとは。因果に干渉する神剣なぞ見たことがない。それは最高位の神すら成し遂げられぬ所業ぞ」


「生命の始まりすらこの子なら干渉できるよ。でもそれは可能であって、使えるわけじゃない。優しい子だから、それがこの子の存在の要だから」


「まっこと良き巡り合わせ!ならばこの空間が壊れるまで死合おうぞ!」


百を越える先程と同じ魔法。それは一国すら軽く地図から消せるだけの火力を誇る。だけどーーーー


「一度見たんだ、ソレは僕にもできるよ?」


コピーのように同じだけの魔法の槍を再現する。彼女の周りに存在するのはそれだけではないけど先ずはこれでいい。


「それでは・・・・いざ!」


そして世界が炎と雷に覆われた。終末のように空間に魔法の衝突のエネルギーが渦巻き大気を揺らす。


「はああああああ!」


魔法の嵐の中をエルピスで斬り抜けて龍ノ神に肉薄する。エルピスでは斬れない、なら!


「穿槍!」


エルピスを左手に持ちかえて右手に一本の槍を取り出す。それはただの槍、多少丈夫な普通の槍である。

それに捻りを加えて突き出す。


「ぐあっ!?」


「ちぃっ!」


槍は砕け、それでも鱗は傷の1つもつかない。ただその体を僅かに後ろへと浮かすことができた。

僕の右手を氷漬けにするのと引き換えに。


「'氷結の棺'は私の鱗を強化する以上に触れた相手を氷に閉ざす自動防衛を備えている。それも、その剣の神権を行使していなからこそのものであるわけだが」


「ふぅー、やっぱり傷1つつかないね?」


凍った右手を治して再度龍ノ神を見据える。うーん、槍が無理なら他の武器は無理かな?聖・魔武器は性能が分からないから使うわけにもいかないし。今度色々探さないとね。


「エルピスを元の剣に戻すのは悪手だろうし・・・・しょうがないか」


「む?まさか徒手空拳で私に挑むか?」


「エルピスはそのままだけど、その鱗に有効な手段が他にないからね?今回は魔法で!」


頭の中で魔法を構築する。それは師匠や神ノ読書部屋で知った最高位の魔法たち。


「神類級魔法をその精度と数でーーーー」


「殺しはしないけど、多分いたいよ?」


無数に浮かび上がる無垢なる魔法の証。それらは僕の意志とともに龍ノ神へと降り注いだ。


「'神ノ戯れ・八神大万華鏡'」


火・水・風・土・闇・光・氷・雷。神話に出てくるそれらの魔法を打ち込んだ。それも万が一がないように調節して。


「くふ・・・・ハァハァ、なんとも規格外な」


所々の鱗は傷つき、疲労の色を見せる龍ノ神。やっぱりそこそこのダメージしかはいらないよね?


「'全開強化'」


身体強化に全ての魔力を割り振る僕の全開。己の中で極限まで魔力を高速で循環させることで、体感する時間さえも何段階も上にする。


「行くよ」


その言葉を置き去りにして龍ノ神の右側面に掌打を打ち込む。その後に下からの二回の蹴りあげで空中へ打ち上げ、そのまま浮かび上がった巨躯を下に打ち降ろす。


「ぐっ!?なにがーーーー」


「打掌撃!」


地面に叩きつけられ動きが鈍った一瞬を逃さず上空から真下の龍ノ神へと体の内部へと響く掌打を打ち込む。それは彼女の体を突き抜け特殊な空間の床を歪める。


「がはっ!?」


「これで最後ーーーー」


僕の体は彼女に打ち込むごとに氷に蝕まれている。それは彼女を守る鎧だ。だからその鎧ごと包み込んでしまえばいい。更に冷たき静寂で。


「'静寂(しじま)に帰す悠久世界'」


音がなくなる。鼓動がなくなる。あるのは冷たき世界。全てを止める悠久の氷結世界。


「僕の勝ちだよ。聞こえてないだろうけど」


これはかつて邪神となった神を閉じ込めた魔法。世界から切り離され全てを止めた魔法。


そろそろ、2章が終わります。3章に入る前に少し間を置くのでご了承ください。

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