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とある世界の外伝譚  作者: のんのん
旅立ちと川流れ
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ヘタレ登場

圧倒的な強さで双子を退けたユルトさん。いや、強すぎでしょ。


「どうでしたファン?私は凄いでしょう?」


「う、うん。やっぱり神様なんだって改めて思ったよ」


「次元が違う。流石最高神ユルトシエラ」


ニコニコとこちらへ戻ってきたユルトさんが誉めてほしそうにしてきたので無難に誉めておく。


「ふふ、そうでしょう?これからも私を頼ってくださいね、解説だけが私の仕事ではないのですから」


「うん、前からユルトさんのことは頼りにしてるよ?」


今回のことでも、神ノ読書部屋でも頼りきりだったと思うんだけどね。


「それでは次に行きましょうか」


そう言った少しテンションの高いユルトさんの後に続いて次の階層へと歩いていく。


「うん?ここには何もない?」


石造りの空間。シグナムのいた場所よりも狭く少し広いと感じる程度の場所。その中央まで歩いたところでこの空間に何もないことがわかったがゆえに首をかしげる。


「おやおや、まさかここまで来られるとは失礼しました」


突然声が聞こえて後ろを振り向くと黒い燕尾服を着た男性が立っていた。身長は180はある細身のイケメン。イケメンだよイケメン。ちっ。


「申し訳ありません、驚かせてしまいましたね。何しろ影が薄いもので」


言葉が続くにつれて徐々に顔色が悪くなっていく男性。今にも倒れてしまいそうだ。


「ネクラの代表黒龍ヤクロですか?四支天のなかで最も他人と関わるのが嫌いなあなたがいるのですか?」


ユルトさんの言葉にヤクロは一瞬目を瞬いた後にお腹を押さえて蹲る。


「なんで、もう、だから嫌だったんです。なんで最高神がいるんですか・・・・胃が、胃が痛い」


ぶつぶつと蹲った体勢で何事かを呟くヤクロ。いったいどうしたんだろう?


「うぅ・・・唯一の救いは私は案内役であること。よし・・・・かんばれ私、やれるぞ私!」


ガバッと勢いよく立ち上がりキリッとした表情で何事もなかったかのように微笑むヤクロ。色々と怖すぎるこの人。


「この階層の私は案内役。どうか私についてきてください。そこが終点、このダンジョンの目的です」


「ここでは戦闘は行われないということ?」


ミネアの言葉に嬉しそうに頷くヤクロ。もしかしてこのイケメン、戦闘が得意ではないのかな?でもそんな嬉しそうな顔しちゃダメでしょ。


「私は後ろで見てるタイプなので戦闘とか野蛮なことはしません。はい、最高神に喧嘩をうるようなことはしませんとも」


「ただのヘタレ」


アルトネの辛辣な言葉など聞こえていないのか踵を返すヤクロ。すると今までそこにはなかった階段が出現した。

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