圧倒的勝利
「智とは知ではありませんよ?この星の智を司るのが私ですから。積み重ねられた人体の動きもまた私の中にある」
「ふざけるなあああ!」
ユルトさんから距離をとった双子の体に鱗が浮かび上がる。赤と青に輝く鱗は宝石のように美しい。
「いくぞアグナ!」
「任せてマグナ!」
手を繋ぎ双子は両手を翳す。日曜日の朝に見たような構えだ。
「流れる星 光輝く双子星」
「対となりて 破壊の光を導かん」
「「双極破壊哮」」
巨大な魔法陣が展開され、赤と青の光がユルトさんに放たれた。まさに破壊の光。二人の魔力が合わさり1つの破壊と成る。
「ふぅ、神格すらない萌芽ですがこちら側へ届きうる才能は誉めてあげます」
迫り来る力の奔流を前にしても余裕を崩すことなくユルトさんは笑っている。慈しむように、優しく。
「ですが、まだまだ若い。器を育てなさい?あの子もソレを見越して側に置いているのだから」
迫る魔法へと手を翳してユルトさんが紡ぐ。その言葉は神の力。彼女の力の一端。
「'染め上げるは極光の審判'」
一瞬であった。一瞬でユルトさんの放った魔法が双子の魔法を飲み込み空間を白に染め上げた。後に残ったのは優雅に佇むユルトさんと、地に伏せる双子だけであった。
「う、うぅ・・・・なに、今の」
「僕たちの魔法が・・・」
意識はかろうじてあるのか双子はフラフラしながら立ち上がる。
「神話の魔法はどうでしたか?昔はよくこれで愚弟をお仕置きしていましたから鈍っていなくてよかったです」
「神・・・・話?まさかーーー」
「神級、もしくは神類級とあなた方が伝え聞いている魔法です。威力は抑えましたがしばらくはまともに動けないでしょう」
ゆっくりと双子に近づき二人のオデコを弾く。すると二人は地面へとパタリと倒れこむ。
「ふふっ、しばらくはそうしてなさい?これがあなたたちの敗北です。積み重ねなさい、その惨めな思いを。立ち上がりなさい次に輝きを増すために」




