それは本当に別れで
そこは桜の咲く約束の場所。いつかの彼らが全てを終わらせ、始まった場所。人を信じた彼の朽ちた世界。
「やぁ、初めまして弾かれた可能性の子」
「・・・・あぁ、なるほど。そういうことなんだ」
そして僕は理解する。彼がそういうモノだということを。僕がなぜあの世界へと導かれたのかを。
「謝ることはしないよ。それは僕という存在の否定になるから。この機会は必然という偶然、外れた世界にある可能性だからこそ起きた奇跡なんだからね」
「別にいいですよ。僕はあの世界に生きることを決めたんですから」
僕の言葉に悲しげに微笑んだ彼は遠くを見つめるように空へと視線を移した。
「ありがとう愛しき子。君の生はその世界にあって幸せのようだね」
「えぇ、あとは問題を片付けて平和に暮らすよ。あの人とは違ってね?」
この場所は僕の終わりでもある。この場所に、僕は二度と戻ることはできないのだから。
「あぁ、あの子は背負ってしまったから。果てを見る人の尊厳をね。だからさよならだ、愛しき子」
「それでは、さよなら創世の賢者。人の到達点、不条理を嘆いた優しき反逆者」
ここは夢だ。僕が彼に出会うことはないのだから。弾かれた僕はあの世界の、人の行く末に関わることは二度とない。だから
「僕は幸せになるよ。あなたが嘆いた世界ではないけど、大好きな人達がいるんだ」
「あぁ!それは素晴らしいことだ。大好きな人達を君は守れる、優しくしたい誰かに手を伸ばせる、泣いている誰かの背に手を添えられる!だから幸せに、愛しき子。僕が君を不幸にしなくて本当によかった」
この邂逅は幻だ。彼に出会うのは僕じゃない。だからこれは夢。刹那の世界が見る夢だ。
「あの人は辿り着けるといいね。あなたが見た世界に」
「大丈夫、なにせ君たちを押し退けてそこにいるんだ。安心しなよ、それじゃ気をつけて・・・・さようなら、僕の愛した人の子よ」
ここでの会話はファンにはほとんど関係してきません。ただ世界設定的に載せました。後悔はない。




