間話4
それは時を遡ること修行開始直後、ファンのいた屋敷の客間。修行の結果死んだように眠るファン以外カルタたちを含めて全員が揃っていた。
「それでリゲルくん?私に言うことがあるんじゃないの?」
「いやー、それは、なぁ?エルダートに頼まれたんだぜ?あの坊主に力をつけてくれって」
そしてそこに正座をする人間が一人。ファンの師匠、リゲル=マイヤーである。
「それで?」
「まぁ、ユノ、そんなにコイツを責めてやーーーーー」
「あなたには聞いていませんよ?」
「はい・・・・」
ユノを宥めるように言葉を発したエルダートであったがすぐさま口を閉ざすこととなった。それほどまでに彼女の威圧は恐ろしい。
「それで・・・・あの子はあなたの御眼鏡に適ったのですか?」
「あぁ、体のできは皆無だがありゃ化け物だ。下地の体さえできたらあとはアイツの才能が勝手に開く」
「リゲル様が言うほどの才能なのですか?私にはファンからは何も感じなかったのですが」
自分の尊敬する人がそこまでの評価をすることに、たまらずシェリルが口を挟む。
「だろ?エルダートもユノもミネアも、そこの三姉妹もコロネルさえも・・・・カルタは直感で感づいたみたいだがな」
「てことは、やっぱりなんかあんのか?」
カルタの言葉にリゲルは一つ笑うと、呆れたような表情を作り語り出す。
「アイツ、自分の魔力に完全に蓋してやがる。それこそ最低限だけ残してな?加えて力の底が見えん、それになんか枷がかかってやがる・・・幼いアイツの体を守るみたいなやつがな」
リゲルの言葉にその場にいた全員が絶句のあまり口を閉ざす。
「自分の魔力を遮断するほどのコントロールなんて、お前、魔力操作だけで言えばそれこそギルドの指定戦力レベルじゃねーか」
「これ以上は確証はねーからあれだが、このまま育てば旅なんか心配いらんだろうな。なんせ神殺しでも勝てるか分からんようなレベルの傑物になるだろうさ・・・・それに、だアイツなら大丈夫だ」
リゲルの言葉の真意がわからず、全員が彼へと視線を向ける。
「あのバカはお人好しを極めた優しいやつだ。下手な道に落ちることもないだろうさ、なにせ過保護すぎる親が二人もいるんだからな」
憎たらしい笑みを浮かべた彼のその言葉に、部屋の重かった空気は霧散するのだった。
さて、次から第二章が始まります。ようやく始まりが終わった・・・・ここからが主人公無双、の予定でお送りします。




