お偉いさんなんですか、そうですか
それから彼らを家の中へ通して応接室で話し合うこととなった。
「いやー、相も変わらずいい生活してんなエルダート!」
「お前ほどじゃないと思うがな、ファンブルクの公議長?」
「ファンブルクの・・・・・公議長?」
獣人国家ファンブルク、それは獣人が基盤となった国。脳筋が多く力こそ全て、というわけではなく地球の選挙制度のようなものが存在しそれによる公議の政策決定が行われている。公議長はその一番上の立場になる。
「あぁ、俺がファンブルクの現公議長をしている。といっても公議長は顔に近い、どちらかと言えば政策の方針なんかは地方代表と法務と総務の折り合いだからな」
「40でそんな地位についたくせによく言う、最年少での抜擢だろうが」
父さんの言葉にも笑って応えるだけのカルタさんはその表情を落ち着けて改めて僕を見る。てかこの人40代だったの!?
「改めて挨拶させてもらう、ファンブルクが公議長カルタ=デルランドだ。公私ともによろしく頼むぜ?」
「ファンルーシュ=エブル=ソヒトです。今後ともよろしくお願いします、カルタさん」
そう言って挨拶をする僕の頭を嬉しそうに撫でて頷くカルタさん。
「いやー、娘たちは言わずとも可愛いが息子がいないから新鮮だな!それに今幾つって言ったか?」
「今年で六歳になるな」
「ははっ、幼いながらしっかりしてやがる!あー、エルダート、ファン坊をうちにくれな・・・・いやなんでもねぇわ」
カルタさんの言葉の途中で一瞬室内に流れた二つの殺気に、彼は即座に言葉を濁すのだった。母さん急に抱き締めるとビックリするって。