チビってしまったのはナイショだ
今日は父さんの友人だという人達がここを訪れる日だ。ちなみに家が壊れるといけないからギリギリまで結界魔法を張り巡らせる作業をしていたとかで父さんは既に疲労困憊である。怪獣でも来るですか?隠れてていいですか僕・・・・。
「はぁー、これだけやれば十分だろう。あの脳筋どもも子供ができて大人しくなったというし大丈夫、大丈夫」
「父さん、僕どこかに隠れてていいですか?」
心からの言葉が漏れてしまったのもしかたない。本当にいや、怖すぎて漏れそう。
「ふふっ、大丈夫よファン。もしあなたに何かあったら私が全て消し去ってあげるから。ねえ、ミネア?」
「はい、私も参加します。それはもう全力で。」
こっちもこっちで怖すぎるよ!父さんビビって僕を前に出さないでよ!
「来たみたいね?」
「え?」
母さんの呟きと同時に空から巨大な影が降ってきた。わーお、ちょっとちびっちゃった。
「はーはっはっはっはっ!久しいな三人とも!」
全長20メートルはありそうな漆黒の巨躯の上に乗っている人影から声が聞こえてくる。
「はぁー、普通に馬車で来いといつもいっているというのに」
「兄さんにはこのカッコよさがわからないのも仕方ありません。だって兄さんですから」
「いや、なんでもお前がわかるんだミネア・・・・」
でもこういう登場のしかたって主人公みたいでカッコいいよね。友人の家に行くときの登場のしかたではないけど。