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第2話 その4

出会い系サイトの代表取締役タナベと女子高生 赤城ミサトは向かい合う。




[君は礼儀を知らんな。教えるのも大人の役目だろう。いいかい?買うお客様がいらっしゃるから人身売買が成立する。営業妨害ではないかね?][うるさい!あんたみたいなウジ虫の欠片にも充たない輩がいるから犯罪は起きるのよ。私の闘志に火を付けたわね。今ので][だから何だと言うんだね。単純な猫ほど飼い慣らしがいがある。穏やかではないな。野良猫ちゃん][アッタマにきた。この野郎!]



ミサトはタナベに向かって走った。[ウオリャーッ!]殴りつけるミサト。涼しい顔で交わすタナベ。[身軽ね。ミサト奥義!マッハ拳!]ストレート、ジャブ、アッパーのコンビネーションを繰り出す。[フン。無駄だ。ハイッ!]タナベは肘うちを脇腹に当てる。[ゴフッ!………何よコイツ!負けない!負けないもん]脇腹を押さえながらよろけて立ち上がるミサト。来いと手招きをするタナベ。[なめやがって!どこまでも小馬鹿にするその態度!気に入らないわね。貴方もてないでしょ?][来んのか?なら行かせて貰おうか]素早く壁をかけ上がり踵落としで牽制する。[クッ…………強い]吹き飛ばされるミサト。ガードモーションを取る。[カッカッカッ。どうしたね?さっきの威勢は?終わりか]見えないモーションから膝蹴りをするタナベ。[これぞジークンドー奥義。カマイタチ。さあどうするね?どんどん削られていくぞ][クッ………見えない。まずいってコレ。ガードの上からでも衝撃が伝わる。なんとかしなきゃ。そうだ!]ミサトはガードを外し床に仰向けになる。[降参よ。好きにしなさい][そうか。ならさせて貰おう。生意気だが若い。まずは品定めだな]近より髪を鷲掴みにする。[今だ!トアーッ!]腕のバネで立ち上がり両足をタナベの顎にヒットさせる。[ミサト奥義。オイロ拳。死んだフリ形態!まんまと掛かったわね][フン。やるな。少しは。サービスだ。くれてやる]





[ダッダッダッダッ……バタン!ミサトさん!無事か?俺もやるぞ!来いよ!悪党!][恭平君!遅いじゃない?][なんか手こずった。警察が僕の言うことを聴かなくて。またデマカセじゃないかだってさ!この手の事件多いらしいよ][2対1か。飽きていた頃だ。良かろう。相手になろう][気をつけて。恭平君。かなり出来るわ。達人よ。何だっけ?ジキド?][ジークンドーだろ?テコンドーとも言うが。韓国の拳法だよ][そう!ソレソレ!かなり素早いわ。身のこなしも軽やかで][当たり前だよ。ジークンドーは主に足技主体の拳法。折れない心、相手を翻弄する技、バランスのとれた肉体。心技体の調和。いわばスポーツマンなんだよ。彼は][効かない訳だわ。赤子だもん。恭平君がいてくれて助かったわ]ファンファンファン。ガチャッ。ダッダッダッダッ。[フン。警察か。厄介だな。まあ良い。また会おう。楽しみにしてるよ。今日の勝ちは譲って貰おうか]タナベは部屋を出た。





[帰ろう。コート貸すよ。着ときな][ありがとう。優しいのね][見たくないだけさ。幼馴染みの下着なんて][アラ。破れてる。せっかくのお気に入りなのに][僕に買って貰う口実が出来たじゃないか?嬉しいくせに]二人は会社を後にした。途中、警察に呼び止められた。[良いの?何か呼んでるよ][無視しよう。当たり前じゃないか?出会い系サイトだよ!ココ。バレたらまずいだろ?まあマユミさんが救われたし良しとしよう。走れる?][エエ。余裕よ。こんな傷。わざと負けてあげたんだから。当然でしょ?][なら行こう]二人は走って現場をあとにした。だがミサトの胸には大きな傷があった。





………次に会うときは必ず土下座させてやるから!マユミ。私達に任せなさい…………




仲間との絆で少女はまた1つ大きくなるのだった。大人はそんな心情に、いつしか鈍感になっていた。





[さて、今夜辺り、ネット社会に行きますかねぇ。実戦では無理だけど私は公務員らしいから。そう、ステラ部隊のアカツキちゃんに、変身する時ね]ミサトはパソコンの電源を入れた。[何か依頼入ってないかしらねぇ。出会い系サイトの被害者の。確かあるはずよ。掲示板とかから住所が割れるし。便利よねー]






続く

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