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第2話 その3

架空現代の高校。ネット社会が感染し、学業の他にモラルや道徳も必要な時代だった。何も知らないルーキーの集まりだからだろう。社会人では手を付けない代物も思春期の青年達には魅力的に見えたのだ。





赤城ミサト。二階堂 恭平。幼馴染みの二人は付き合っていた。マユミも幼馴染みだったが出会い系で知り合ったイケメンとデートに出掛けるのだった。





[恭平君。ランチ何にする?ラーメンかなー?炒飯かなー?ウ〜ム。悩む][分けてあげようか?僕のチャーシュー味噌ラーメン][ウ〜ム。オムライスもお薦めなのよね。ダチョウのオムライス。悩む。悩むな!感じろ。感じるんだ!ミサト。目隠ししてー…………ウ〜ム…………コレだ!ズバーン][アラ珍しいのね。ミサトちゃん。今日はカツ丼?][ホヘッ…………アッチャー。間違えた。まあ良いわ。恭平クーン][なんだよ!やらないからな!煮玉子!僕の至福の時なんだから。アーッ][いっただきー!][返してよー!煮玉子!僕の!]バタバタバタッ





[静かに出来んのか!赤城!二階堂!廊下に立ってろ!][ゲッ!先生。何で学食に?][いけないか?学食に居ちゃ。それよりだ!学食で騒がしくするんじゃない!恥ずかしく無いのか!立ってなさい][ファーイ]






[大体にしてミサトさんがいけないんだからね。僕の煮玉子取るから。お陰でさんざんな目に会ったよ。昼食は取り上げだし、掃除当番だってやらされる][だってしょうがないでしょ?たまたま選んだのがカツ丼だったんだから][知らないよ。そんな事。いつも君はそうじゃないか。優柔不断で豪快で。散々だよ][マユミ大丈夫かしらね][アア。今頃、デートの最中だろうよ!チョコパフェでも二人でつついてるんじゃないか?全くみっともない][恭平君。気にならない?実はね、あの子にGPSを付けといたの。別れ際にね。携帯で見れるんだから。コレ。抜け駆けしない?暇でしょ?立たされてるだけなんだから][で、どうやって飛び降りるんだよ。ココ、五階なんだよ][任せなさい。ピューッ。バディーちゃん。出番よ]ピンクのクマ、バディーを呼ぶ。




[リョウカイ。フライトモード][ヒョイッと。行きましょう。恭平君][………またかよ!しょうがない。付き合ったのが運の尽きだよ。おいで。ヨハネ。出番だよ]ピィキーィ。上空から白いコンドルが飛んでくる。[ゴシュジンサマ。ゴメイレイヲ]機械音が恭平に応える。[行くよ!しょうがないなー]二人はバディーとヨハネに掴まり、五階の窓から外へ逃げた。






[イャッホーゥ!キッモチー!][気持ちいいもんか。灰色だよ。どす黒い灰色。これもマユミのせいだ。何でこうなるんだよ。こいつらに付き合うと]二人はマユミの信号を追いかけた。






[ココよね。この建物。待ち合わせかなー。お相手社会人なんだ][まずいって。不法侵入だよ][恭平君。不法侵入はね入り口から入るから犯罪なのよ。ホラ。飛べるじゃない?]ミサトは屋上を指差した。[まさか!本気?][心配だもん。なら何?マユミが変な男と付き合っても見ない降りするの!][ハーッ………最悪だよ。深入りはしないからね。出会い系なんて]二人は軽やかに屋上から侵入した。[ばれないわよ。関係者みたいなフリしてれば。ホラ。新入社員みたいなフリして][…………お父様が聞いたら大変だな。黙っとこう。僕は貝になるから。喋らないからね]






[この部屋よ。ココにマユミがいるわ。先発隊。行きなさい][僕?イヤ、待とうよ。出てくるまで][行けって!]ミサトは恭平のお尻を蹴った。[…………わかったよ。ちょっとだけだからな。ソーッと見るだけ]恭平は静かに扉を開けた。[何か見える?]恭平の後ろにはミサトがいた。[………なんだろう。椅子が1つ。それにマユミが座らされて。縄で絞められてる。口にはガムテープかな。…………誰も居ないみたいだ。入るよ。…………アノ〜失礼します。先輩。お仕事頂けませんか?]誰かいると見越して恭平は新入社員のフリをした。[ンーッンーッ………]マユミは泣いていた。[何よ!コレ!マユミ!今助けるから]ミサトは縄をほどいた。[ンーッンーッ]マユミの声は一段と高くなった。[ガムテープから外したら?][そうよね]ミサトはガムテープを外した。






[ミサト!恭平!まずいって。このサイト。出会い系なんて懲り懲りだよ!怖かったんだから!急いで離れましょう!][だから言ったじゃないか!関わるなって!ミサトさん。深入りは禁物だよ!][幼馴染みじゃない!捨てられる?簡単に!]ミサトはマユミの縄をほどき抱き締めた。[今日は休みなよ。いつか忘れるからさ。ネッ。マユミ。今度紹介するからさ][ミサト!危ない!後ろ!][エッ?誰?貴方]長身の髭を蓄えた男が立っていた。[良いカモだ。粋が良くて、仲間思いで。マユミちゃん。ありがとう][誰?貴方][私を売った男よ!出会い系と称して人身売買をしてるの。子供から青年まで!私も売られそうになって逃げてきたわ][ビジネスだよ。紹介料もタダ。メールもタダ。単なるエサだよ。流行ってるんだろ?高校で][最悪!エロジジイ!良く聞きなさい!純粋な子供を騙して売り付けるなんて最悪よ!][何処にそんな根拠がある?被害は届いて無いんだよ。まあそうさせない程度に遊ぶがな][許さない!恭平君!マユミを外に!丁度フラストレーションが貯まってたんだ!お肌に悪いでしょ?][ミサトちゃんとか言ったか?面白い娘だ。売れないがな。使えなくは無い][貴方名前は?][代表取締役のタナベです。以後、お見知り受けを][恭平君!早く安全な場所に!][アア。わかってるよ。マユミさん。こっちに。ミサトさん。警察を呼んでくる。捕らえといて][アラ?良いの?財閥の御曹司が捕らえるなんて話しして][ミサトさん。たまにはやるじゃないか。好きだよ。世直しだ!僕らで!お父様もわかってくれるさ。株が上がったな。お小遣いも。何かご馳走するよ。ジャー気を付けてね]





[ヨハネ!来てくれ!この子を。大切な友達を安全な所へ。家で休ませてくれ!][ゴシュジンサマ。ドウシマスカ][僕はミサトさんを。バディーにも伝えてくれ!主の危機だと][リョウカイシマシタ。ゴブウンヲ]ヨハネはマユミを連れ飛び去った。[モシモシ。警察さんですか?今、出会い系の会社にいます。直ぐに来てください。内部調査を依頼します]





続く

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