HEAVY METAL 第2話 孤高の女子高生
ステラ部隊。日本政府はネット犯罪撲滅の為、特殊部隊、ステラを結成した。彼らは公務員として犯罪者と戦う日々を送っていた。
アカツキと呼ばれた女戦士。彼女もまたステラ部隊の一員だった。
[どうだ?例のスピード違反は押さえられそうか][イヤ。追えば事故を招く。無駄に刺激しない方が良いだろう][あんたらさ、そんな事で良いのかい?あたしゃ行くよ。止めるなよ!][アカツキ!お前………][任せときなよ。必ず捕らえてやるから。報酬はいつもの所ね。たまにはサービスしてよ。ネッ。オジサマ。チュッ!]投げキスをしてマシンに乗り込むアカツキ。[行くわよ!バディーちゃん!飛ばすから。ついてきなさい][リョウカイ。リョウカイ。フライトモード。セット][いい子ね。相変わらず]アカツキはピンクの熊を撫で、隣に座らせた。[アカツキ!ソウルジェット!出ます]
ピンクに黄色のラインが特徴的な流線形のマシンが飛び立った。
[止まりなさい!違反よ!そのまま右に避けなさい!][捕まりゃしないぜ。そんなヘマするかってんだ][モーッ!せっかくのデートの誘いなのに連れないの。見てなさい!私を振ったら十倍返しなんだから]アカツキはマシンを吹かした。虹色の煙をあげてマシンは加速する。[バディーちゃん。キャプチャーミサイルを][リョウカイ。キャプチャーミサイル。セットレディー][行くわよ!捕らわれなさい!]アカツキはミサイルの照準を合わせた。[メイチュウリツ。80。ビチョウセイ][あのカーブで捕らえるから]犯罪者がカーブにさしかかると、ミサイルが発射された。パッパッと弾丸が変形し、蜘蛛の巣のように敵の上空を包む。[ナッ………なんだ!アレ!]敵が気にしている間に弾丸は犯罪者を捕らえる。[ヤッホーゥ!召し捕ったり!ごちそうさま。美味しいスイーツだったわ。またね]
ソウルジェットのコクピットが開き、濃い紫のレザースーツに、水色のヘルメットの女が方脇にクマを抱いて降りてきた。ヘルメットを取るとピンクのロン毛がたなびく。軽くかき分け笑顔を振り撒く。[後、お願いね。それじゃー。また仕事下さいね。チュッ][アカツキ!待てよ!お前!][ネットシステム。ロールアウト]アカツキはネット社会を出た。
東京都 渋谷。そこに赤城ミサトはいた。朝のラッシュに紛れて女子高生がお喋りをしていた。[おはよう。ミサト。昨日のテレビ見た?あのドラマ][ヘッ?最終回だっけ?アッチャー。忘れてた。ビデオ録ってる?ネットで公開してるかなー?アレ][学校で貸すわよ。じゃーね][サンキュー!助かるわー]
赤城ミサトはいつもの駅前のコインロッカーに行く。中には封筒が入っていた。[フーン。結構重いじゃない?今日は。良いおこづかいよね。ごっそーさん]ミサトはコインロッカーにお辞儀をする。[ゴツン!………ウヘッ!イテテテッ]頭を擦るミサト。
赤城ミサト。彼女の別の顔はアカツキ。彼女もステラ部隊の一員だった