黒の手帳
NO.3
2月6日
今日から新しい手帳だ。前より行間が狭いから少し書きにくい。
寒い。俄かに雨が降るも、雪にはならず。
頼子何度も窓から外を見ては溜め息。雪降って欲しいのかな?
宅配便にも頼子が応対してたから、きっと家にひとりだ。
2月7日
一週間がはじまった。学校だった、うつだ。学校とバイトがあると、頼子に会えない。
明日は見れるといいな
2月9日
バイトやすんだ。風邪だ、だるい。
寝る。
頼子見てない!
2月13日
講義めんどい、微熱。
頼子頼子頼子頼子…風邪で寝込んでるせいで、見てないの6日目、明日で一週間経つ。
2月14日
バレンタインだ。
年々忘れつつある行事か?
チョコ、頼子は誰にあげたんだろう。家を出るときは何も持っていなかった。
気になって、サボった。
昼ちょい過ぎに、頼子帰宅。
早退?顔もちょっと赤かったし、風邪じゃないか心配。俺のがうつったなら、不謹慎ながも嬉しい。なんつって
2月15日
ガス代払うの忘れてた、督促状きた。
着歴にあった知らない電話番号はガス屋だったらしい。
2月16日
学校帰りにコンビニ、ガス代払込済み
スーパー安売りの日、じゃがいもにんじん購入298、128。マヨ108←やす!
スーパーで頼子をみた。
顔色は良くなってて、一安心。
弁当2つと水出しお茶パック。
レジで福沢出してた。俺には野口1人と穴開いた銭しかいなかった…む、むなしい!
明日はお菓子在庫一掃セール。チラシ貼ってがあった。ガン見してたから、明日スーパーきそうだ。
2月17日
午後は学校サボった。
お菓子セール…頼子に嫌われたかも!やばい。最悪だ。
2月20日
この土日は、バイト漬け。
無理にシフト代わって貰った。
動いてないと頼子のことを考えそうだ。
今日から春休み。素晴らしい!
ここから、次の日付がかなり跳んでいる。
紙を切ったでも、文字を消したでも無いようなので、もともとその間は存在しないようだった。
2月20日の後の日付は、3月7日。
そして、3月7日には、ぽつりと一行だけ、呟きの如く書かれている。
“ともだちになった”と。