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第二章11『望んで求めて欲した全て』

 



 黙ったまま、足だけを動かしていた。


 気付いた頃には空はもうすっかり黒ずんで、陽の光は地平線の彼方へと沈んでいく。

 その最後の、沈み切る直前の強い光を見つめる事もできず、フェグルスはただ自分の足元だけを睨み付けていた。

 そうしながら、ティーネが走り去った方向とは逆方向へと、歩いていく。


「……ちっ……」


 イラついているわけじゃなかった。けど、イラついていないわけでもなかった。

 どっちがどっちだか自分でもよく分からない。分からなくなってしまった。

 もうぐちゃぐちゃだ、何もかも。


「……俺が出しゃばってどうすんだよ」


 言葉にする事に、意味などあったのか。

 どのみちすでに答えは決まっている。今さらそれを覆したところで、自分に何ができるという。今さら何をする資格があるという。


「俺がここまでやる事ねえだろ」


 呟いて、自分の心を再確認する。どうするべきかを明確にする。


「そうじゃなくても、あいつがこれ以上逃げたら……そうだよ、また被害が大きくなるかもしれないだろ」


 それは何より、あいつ自身が嫌だと言っていた事だった。もう誰も巻き込みたくないと、もう自分が生きている事で被害を増やしたくないと、そう願ったのは紛れもなく彼女だった。

 なら、あいつの望んだ最後の願いを汲んで、このまま逃げ切る事こそ、自分の取るべき最良の答えじゃないか。

 そこに、自分勝手な気持ちを挟む余地など無い。


「感情論じゃ、どうにもならねえよ……」


 現実的に考えて、最も多くの人間が幸せになれる方法を探す。

 それがこうして逃げるという選択だったのなら、それは全く恥ずべき事ではなはいはずだ。


「……もう殺されてるよ」


 声は先細りになって、空気に溶けて消えていく。


「そうじゃなくても、もう遅い……」


 何もない所でつまづいて、バランスが崩れる。

 たたらを踏んで、尻餅をつきそうになる。


「これでいいだろ」


 どうしてこんなに悩むんだ。

 自分には『力』があるからか。それとも自分が化物だからか。だからこんなに悩み、迷っているのか?

 普通の人間なら、こんな事で悩んだり、迷ったりしないのだろうか?


「もう遅いだろ……今さらだ。もう殺されてる。手遅れだろ、とっくに」


 自分から、道を塞いでいく。

 足をもっと速めていく。

 止まる理由を、断ち切っていく。


「『力』なんて使いたくなかったんじゃないのかよ……。合理的に考えろよもっと。意味ねえんだ、俺が出て行っても」


 顔を上げられない。地平線の向こう側に沈む光を見つめられない。あまりに眩し過ぎて、多分、目が潰れてしまう。

 だから地面を睨む。


「あいつが死ねば、全部解決する」


 それは間違いなく真実だった。


「助けたって、その後どうすりゃいいのか分からねえ……」


 それは間違いなく現実だった。


「俺には何もできない。……そうだろ」


 本当に?

 それは事実か?


「できたとして、だから何なんだよ。余計に事が悪化するだけだろ」


 まだ見てない未来を、そうやって他人を理由にして決め付ける行為は、果たして意味があったのか、どうか。


「そうだろ……そうなんだよ……。だから……」


 このまま逃げる事が正しくて、それはあの少女が望んだ事で、何よりこれは自分が求めていた事で―――

 厄介事に巻き込まれず、『力』を振るわず、平穏を生きられるのであれば、むしろこの逃走は正しい決断のはずだった。


 これは、自分が求めて、自分が選んだ自分の道。

 誰のせいにもできない。

 だってこれは、自分の『物語』だ。


「……分かってんだよ」


 息を詰め、腹に力を込めて、顔を上げる。

 背後を振り向き、自分が逃げて来た道を見た。

 誰のせいでもない。これは、自分が逃げると決めて、自分が歩んだ道だ。

 この道を戻るのも、無視してさらに進むのも、決めるのは自分だ。



 決められるのは、自分だけだ。



「分かってんだよ、そんな事……!!」


 フェグルスは一歩、前へ踏み出した。

 それが意味のある一歩なのか、どうなのか。

 決められるのは、自分だけだ。










    ***










 息はもう、枯れ果ててしまいそうだった。


 視界に入るのは、どれもこれも街の大通り『だった』もの。崩れた建築物、剥き出しの土、飛び散った人間の残骸……。これほどの破壊をたった一人の魔法使いがもたらしたのかと思うと、素直に恐怖が湧き上がる。


「っ、はっ―――は……っ」


 それでも走っていられるというのだから、自分の決意の弱さに呆れるしかない。

 だって、今こうして自分が生きているのは、死ぬのが嫌だったからだ。にも拘らず、愚かにも今、自分は死に向かって走り出している。


 生きていられるはずもなかった。

 自分という生き物は、生きてるだけで周囲に被害を撒き散らす。

 逃げた分だけ誰かが巻き込まれ、生きたいと願う分だけ見知らぬ誰かが身代わりのように死んでいくのなら、生きたいと願うその想いは、あまりに罪が重すぎる。



 ――――なんでこうなるかな。



 せっかくここまで逃げて来たのに、結局こうなるのか。

 これはなんだ。運命というやつか。宿命というやつか。もしかしたら天命かも知れない。だとしたら、もう道を選ぶ事さえ許されていないのか。

 そんな理不尽が嫌だから、逃げ出したはずだったのに。

 なのに、どうしてこうなった。


「はぁ、はあっ、はっ……げほっごほ! あーもう、くそ……!」


 咳き込みながらも、足だけは動かす。

 一刻も早く、あの少年から、できるだけ遠くへ。

 距離を離して、心を突き放して、なんとしてでも関係を絶つ。

 一度は巻き込んでしまった誰かを、もう二度と巻き込ませないぐらい、遠くへ遠くへと自分を追い遣る。


 そうまでする理由はひどく単純。あの少年を、これ以上巻き込んじゃダメだと思ったのだ。

 もう誰も巻き込みたくなかった。

 誰も、自分みたいな奴のせいで殺されて欲しくなかったのだ。


 何を今さら……自分でもそう思う。今までどれだけの被害を撒き散らしたと思ってるんだ。それなのに、何を今さら。もう手遅れだ。あんなに散々巻き込んで、いっぱい殺してきたクセに。

 決断も判断も遅過ぎる。あんな少年一人でなんの慰めになる。結局は自己満足だ。最悪な女だ。人殺し。正真正銘の愚か者。


 それでも割り切る事はできなかった。

 確かに自分は、色んな人を巻き込んで、数え切れないほどの人を殺した。それでもダメなのか? もう誰も巻き込みたくないと願うのは。

 これが自己満足である事は分かっている。偽善、独善、その通りだ。けれど、こうして走り出した決断は、無かった事にはできない。


 今なら死ねる気がした。

 あれだけ怖かった死に、立ち向かえる気がした。


 今更、何に怯える必要がある。

 数えきれないくらい、自分の体は傷を負ってきたし、負わされてきた。


 何度も自分の体が粉々に砕け散る瞬間を見た。引き千切られる瞬間を見た。気が狂うほどの痛みに叫んだ自分の悲鳴を聞いた。自分の体があちこちに撒き散らされる音を聞いた。何度も何度も、実験と称して体を生きたまま裂かれて、開かれて、千切られて、オモチャみたいに扱われて。数えるのも億劫なくらい好き勝手に弄ばれて、道具みたいに使われて……思い出したくもない事にも何度だって体中を使われて。


 今ここで死んでしまえたらどらほど幸せか。そんなくだらない、幻想にも似た淡い希望を抱いて……それが無駄な事だと分かっていても諦められなくて。

 それでも、ティーネの魔法は、彼女が死ぬことを認めなかった。

 何度も死に何度も生かされ、その繰り返し。そんな無限地獄に終止符を打てるのだ。怯えるものも、恐れるものもない。


 死ぬ事だって、多分、受け入れることができる……はず。




『じゃあ、どうしてあたしは逃げ出したの?』




「っ!?」


 咄嗟に立ち止まった。

 突然、誰かの声で何か言葉が聞こえた気がして、得体の知れないものに引き留められる感覚がして、


「な、なに……」


 だけど、ティーネがその正体に気付く事はなかった。

 気付かせる間もなく、それは来た。




 ゴッ!!!!!! と、目の前の空気が全方位へと爆散した。




「ぁぐ―――っ!?」


 それは、真正面から。

 運よく彼女が立ち止まらなければ、直撃を受けて全身が木端微塵に粉砕していたであろう一撃。


 前兆も予兆も無かった。直径二メートルほどの球状の爆発が、容赦なく少女の体へと叩き付けられる。強烈な痛みに少女は悲鳴を上げることもままならず、そのまま地面を何メートルも転がって行った。


「がっ、あ!? ……う、ぁ……げほっ」


 地面に倒れたまま、ティーネは血の塊を吐き出した。

 呼吸ができない苦しさと、全身に染み渡る激痛。その二つに意識を揺さぶられながら、しかし頭の中だけは妙に冷静だった。

 こんな痛み、慣れてるはずなのに―――なんて。

 そんな事を考えていた時だ。


 奴が来た。


「お、か、え、り、な、さァァアアアアアアアアアアアアアアアい実験動物ゥ! 死刑にするゥ? 抹殺にするゥ? それとも、さァつゥしョォぶゥんんんんん?」


 ティーネの視界に、一人の少年が姿を現した。

 不気味に痩せ細った身体と、血に塗れた手足。乱雑に伸びた髪は膝下まで届き、その隙間から白い顔面と、猛獣の牙のように鋭い歯が覗いている。


 世界最強の魔法使い(ゾディアック)、ジェミニ。

 嫌悪感だけを掻き集めたような怪物が、どす黒い瞳をさらに禍々しく腐らせながら、空間を歪ませながらやって来た。


「キミがこうして戻ッて来てくれた事ッ、ボクは心から嬉しく思う! 心と身体に深く染み渡る絶対の安心、ボクという存在を満たしてくれる究極の幸福。アァ、これ以上の贅沢が他にアるかなァ? 無いだろ? 無いんだよ、無いんだからさア。……普通はさ、分かるだろ? だからさァ……これ以上ボクの気を煩わせるなよ腐れクズ肉が」


 口から出る言葉の中に、流れるような温度差があった。

 今までずっと探していた失くし物をようやく見つけたのに、次の瞬間には怒りに任せて握り潰してしまうような、そんな感情の乱高下。

 人間が持つにしては、あまりに不安定過ぎるその感性。


「けど、そんなクズ肉も今は許すよ。だッてこんなにもボクは幸福なんだからね。誰もボクを馬鹿にしない、心が平穏と平和に満たされた人生。互いが互いを受け入れ合い、誰もが他者を敬い合う、全ての尊厳が守られた秩序アる世界。これこそまさに! ボクが望み、ボクが求めた、ボクが欲した風情じャアないかア!」


 誰の同意も、誰の理解も得られない。

 完璧に一人のままで閉じた、一人だけの世界。

 それでもジェミニは天を見上げて声高らかに叫ぶ。


「ボクを馬鹿にする奴は死ね! ボクを貶める奴は死ね! そうやッて誰かを見下して嘲笑うだけの出来損ないがァ! 煩わしいんだよ! 苛立たしいんだよ! 人を自分の足元に敷くしか己を保てない外道のクセに身の程も弁えずボクの風情を邪魔しやがッて! どうしてだ!? ボクの風情をォ! 何様のつもりで横から掻ッ攫うんだこの蛆虫共が!! 汚い、臭い、汚れた害虫め! ボクの、ボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクボクボクがァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 意味不明に喚く狂人を、ティーネは即座に意識の外へと追い出した。

 あんな訳の分からない奴の言葉なんか、聞いているだけで気分が悪い。


「はぁ、はぁ……っ」


 地面の上で荒く息を吐き、少女は静かに瞼を閉じながら、これでいいと素直に思っていた。


 立ち上がる事もやめて、四肢から力を抜く。


 結局は殺されるというなら、これ以上足掻く事に何の意味もない。立っていようが地べたに転がっていようが変わらない。最後には死ぬ。自分はここで、奴に殺される。それでいい。元からそのつもりでここへ来たのだ。


 なら、全て、これで―――




「そうじャないんだよなァ」




 突然、声が響いた。

 ティーネの頭上で。


「ぐ―――!?」


 気付くのが遅かった。

 ゴグンッ!! という衝撃が走った時には、すでにジェミニは少女の細い首を片手で締め上げ、そのまま持ち上げていた。


「なに潔く終わろうとしてるんだよ。ボクをアれだけ蔑んで、馬鹿にしたッていうのに、自分だけ綺麗なまま消えようとするなよ。どれだけ自分勝手なんだよ。頭が、おかしいよなァ、オマエ」


 歯軋りを鳴らしながら呟いて、ジェミニは視線を宙に漂わせた。

 ギリギリギリギリ! と、ティーネの細い首を締め上げるジェミニの手に力がこもる。


「あ……ぐ、ぅ―――――くっ」


「不平等だろ、不公平だろ、ボクだけが傷付くなんて。腐れクズ肉共が中心に回る世界なんてッ。そんな『物語』なんて! 間違えてるんだよ! そんなものボクは! 望んでも、求めても! 欲してもいないのに!!」


 瞳が動く。どす黒く染まる瞳が、怪しく蠢く。

 そして、グルンッ! と。

 今まで曖昧だったジェミニの視線が、焦点が、ティーネに向かう。


「楽しいかよ。そうやッてボクの邪魔をして」


 地を這うような声で、問う。


「ボクが積み上げたものを、ボクが築き上げたものを、そうやッて台無しにして楽しいか? 実験動物だから人間の心がないのか? でもさ、それッてさ、ボクの全てを否定する行為だろ。ボクという存在を馬鹿にするッて事だろ。ふざけるなよ! 許されてないんだよッ、認められてないんだよ!! 頭のおかしいクズ肉如きが、ボクを馬鹿にするだなんてさア!? なァ!!」


 叫んで、喚いて、狂ったようにジェミニは、ティーネの右腕を乱雑に掴んだ。

 二の腕辺りを鷲掴みにして。

 そしてそれを、強引に、全力で、一切の容赦も躊躇も加減もなく、『斥力』を操る魔法を上乗せして。


「ボクを馬鹿にする実験動物には、オシオキが必要だよね」


 皮膚も。

 筋肉も。

 神経も。

 骨も。

 全部まとめて。




 ティーネの右腕を、そのまま力づくで引き千切った。




「ぁ」


 最初の襲い掛かったのは、莫大な絶望だった。

 その直後。


「うぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」


 意識が吹き飛びそうなまでの激痛が脳に突き刺さり、ティーネは絶叫した。

 肩口の辺りから先が無くなっていた。

 乱雑に千切られた肉の断面からは、信じられない量の鮮血が恐ろしい勢いで噴き出している。


「アはははははははははははははははははははははははははははははははは!! 無様に泣き喚いて転がッてろよクズ肉がァ!!」


 幸福感を炸裂させたジェミニの口から、歓喜の声が鳴り響いた。

 ジェミニはティーネの体を地面に叩き付けるように投げ捨てると、空を仰いで狂笑を上げる。激痛で地面をのたうち回って叫ぶティーネに一瞥もくれる事なく、彼は全く別の余韻に浸っていた。


 もぎ取ったティーネの片腕を見つめ、肉汁のような涎を口の端から滴らせる。

 ああ、この感覚をどこにぶつけたらいいだろう。

 脳髄にまで染み渡るこの快楽を、胸の内側を見え滾らせるこの快感を、一体どこに吐き出せばいいのだろう。


「清々しい……アァ、なんて清々しいんだ」


 求める全てが今、自分の中に満たされていく。

 達成感が、満足感が、充足感が、全てがこの身に注がれていく。


「これがボクの求めていたものだ! ボクが望み、求め、欲していた結末だ! これが正しい『物語』なんだよ!」


 泣き叫ぶティーネに背を向けて、少年は恍惚とした表情でゆっくり静かに歩きながら、今にも破裂しそうな幸福を噛み締めていた。


「クズ肉もクソ虫も実験動物も! ボクの心を害するに値しなかッたんだ! なんて最高の気分なんだ! ボクは勝ッたんだ! ボクの心を引き裂く害虫に正しい裁きを下したんだ! これが本来アるべき結末、アるべき現実なんだ! ボクの求める最高の幸福が! 今この瞬間ッ! ボクの許に!! ボクの世界にィィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」


 ゴッ!! という烈風が巻き起こる。

 引力も斥力も荒れ狂う。物理的な衝撃波そのものが嵐のように渦を巻き、空気をビリビリと震わせる。その爆風に煽られ、ジェミニの長い髪が盛大に舞う。


 荒々しく肌を撫でる『風』の『情』。周囲に渦巻く疾風の感情。

 心に湧き上がる普遍の美。

 すなわち。


「実にィ!! 風情じャアないかア!!」


 振り切ってしまった感情は、溢れ返ってしまった激情は、もう誰にも止められない。ティーネにも、ジェミニ本人にも、この世の誰にだって止めることなどできやしない。


 超えてはならない一線を越えた。

 暴れるままに、荒れるままに、己から飛び出す全てを愛する。

 それが風情。

 それこそが幸福。




「……()()()




 あまりの幸福に、あまりの絶頂に、あまりの高揚に、あまりの興奮に。

 彼をかろうじて人間に留めていた最後の枷が、ついに焼き切れた。


「まだ、なんだよなァ……」


 足りない。


「こんな……こんなんじャア……こんなものじャア」


 飽き足らない。


「この程度じャア……!」


 満ち足りない。


「足りないんだよ……!」


 乾いた体が水を欲するように、砂漠を彷徨う放浪者がオアシスを求めるように、ジェミニは欲するままに全てを求める。


 彼は最高の風情を求めるために生きていた。


 最も重きを置くのは、瞬間的な最高記録。

 長き時の中で得る持続的な幸福感よりも、一瞬一瞬が織り成す絶頂のベストスコアこそを重視する。

 ゆえに。




 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()




「もッと! ボクにッ! 寄越せよッ! 風情をォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」




 それは何に対しても同じ事。

 たとえ今以上の風情を手に入れても、その瞬間にジェミニは呆気なくそれを手放すのだろう。


 彼自身が、気付いているかどうかはさておいて。





  

 


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