冒険者御一行様
冒険者のパーティは、どのような編成でしょうか?
コンピューターゲームでは四人パーティが主流ですね。
これは恐らく任天堂の「ファミリーコンピューター」の容量制限が影響していると思います。
コンピューターゲームでも、パソコンの『ウィザードリィ』は六人パーティでした。
それでも役割分担があって、先頭で攻撃を受ける戦士、魔法攻撃を担う魔法使い、回復と補助を行う聖職者が主体となり、罠捜索と解除を行う盗賊系と遠距離支援の弓使いが加わります。
種族にエルフやドワーフが選べるファンタジー世界であれば、ヒューマンの戦士、ドワーフの戦士、エルフの魔法使い、ヒューマンの僧侶、ヒューマンの盗賊、エルフの弓使いというパーティが一般的でした。
ゲームバランス上、魔法使いや僧侶が魔法を使うには呪文詠唱の時間が必要で、その間は無防備になります。その詠唱時間を戦士たちが攻撃を防いで一発逆転の魔法を放つという戦術が基本方針で、この設定を表現するのが長い呪文詠唱でした。
最近では呪文詠唱もなく、いきなり魔法を放つ作品が多くなりましたが、戦闘の緊張感も失われてしまいました。かつては前衛の戦士たちが戦線を維持し、耐え切れなくなる刹那に呪文詠唱が完結する緊張感と、強力な魔法の効果で形勢逆転して一気呵成に戦士たちが敵を屠る爽快感が醍醐味を醸していたものです。
また、補助魔法とされる武器や防具を強化する魔法の使い所も重要で、戦線維持に全員の協力が必要でした。
今時は無双する主人公がワンオペで戦闘を終わらせてしまいますが、そういう設定で物語を構成すると、私は戦闘描写を簡潔に省略してしまいます。無双するのですから、戦闘描写は不要でしょう。むしろ、戦闘以外の描写を掘り下げる為の無双でなければ面白味がありません。
或いは味方が苦戦する敵キャラに、主人公が参戦して秒殺という展開も強さを表現できる簡単な方法です。
但し、ファンタジー世界でもリアルを追及する私は、調理担当や交渉担当という、非戦闘員も重要と考えます。
冒険者御一行様の編成や役割分担、一考の価値有りです。